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東方魔人黙示録  作者: 怠惰のあるま
コメディは世界を救う
184/204

《妖魔 VS 鬼神》

はい。個人コラボ二話目。

コラボと言って自キャラを戦わせる辺り。

進行的に必要なのでお許しを...!

では、どうぞ!



桜を連れて破月さんの家に向かっております。そして、まだそんなに近づいていないはずなのに嫌な音が聞こえます。例えるなら金属と金属がぶつかり合って聞こえてくるあの音。

音の原因はよく理解しています。イラと破月さんが殴り合ってるからです。


「破月と殴り合うなんてイラも成長したわね」

「あの子には俺の《異法》とお前に教わった武術云々があるからな」

「違法?」

「《異法》だ。全身を武器、防具に変える異質な魔法。それが《異法》さ」

「へぇ...面白い魔法ね」


俺の心臓を武器化させたり左腕を引き千切ってハンマーにするのも《異法》によるものだ。面白い魔法なのは認めるがデメリットがデカかったりするから実用的ではないんだよなぁ...武器化させた部分が壊れれば数日まともに動かせないし、痛みが残る。心臓を武器化させて壊れた場合全身不随です。お疲れ様でぇす!

前に一度...いや何度か壊されて数日布団の上だった。動けないって窮屈。


「でも、メリットはあるにはるんでしょ?」

「あるよ。じゃなきゃ俺が使うわけないじゃん。メリットは武器要らずってところと魔力次第で幻想級の武器や防具にもなるってところか?」

「なるほど。異質であるとは言え魔法に変わりないから結局魔力に左右されるのね」

「そうゆうことさ」


ただし、この魔法は取り扱いが難しいためパルスィとリティアには教えません。イラには仕方なく教えた。というか、桐月一族の仕来りでもあるから教えなくちゃいけなかった。

桐月の一族の男は代々異法を継いで行かなくてはならない。理由? 知らん。


「異法か...それって私にも使えるの?」

「使えなくはないが......」

「なら教えなさい!」

「別にいいが...とりあえずイラの様子を見てからだ」


気付けば破月さんの家が見えるところまで来ていました。

彼女の家は旧都から離れ、地底のパルスィが守る橋をちょっと超えた辺りにある。地霊殿に住むように勧めたんだけど、一人の方が落ち着くらしい。まあ...イラとリティアがしょっちゅう遊びに行ってたが。

そんな破月さんとイラの二人はというと家の真ん前で手合わせしてました。

近くに来るとどれだけ二人が本気でやっているかが伝わって来る。拳と拳がぶつかり合う度に衝撃が空気を伝って肌にビリビリと感じるんだ。

当の二人は痛みを感じていないかのように何度も何度も殴り合い拳をぶつけ合っていた。ただ、破月さんは無傷でイラは所々に攻撃が当たっているようで傷だらけになっていた。


「はぁ...はぁ...!」

「どうした? 今日もオレに攻撃を当てれずに終わるかい?」

「いいや! 今日こそ当てるさ!!」


あんなにボロボロになっているのに闘争心は一向に消えず、寧ろ強くなる一方だ。全く...いつから俺の息子は戦闘狂になってしまったのだろうか。


「楽しそうに戦うわね」

「ご褒美みたいなのがあるらしいからね」

「ご褒美?」

「え? それ初耳なんだけど」

「私もリティアから聞いた事だからよくわからないけど。イラをあそこまでやる気にさせるんだもの。相当のご褒美なんじゃない?」


確かにさっきは戦闘狂になったとか言ったが、実際のあの子は戦いは俺と同じくあまり好まない子だ。まあ、俺と違って挑まれればすぐに受けるところは戦闘狂の気質がある。そこは憤怒の素質が強いからだろう。

俺は怠惰。パルスィは嫉妬。イラは憤怒。リティアは強欲。綺麗に感情の素質が分かれているが、面白い偶然もあるものだ。あと三人子供がいたら残りの感情の素質を持って生まれたのだろうか?

それはそれで面白いが大変そうだ。ん? 俺がじゃなくてこの世界の管理者が。

とにかく、憤怒の素質があるものは戦闘狂が多い。いつかはイラもどっかのオーガみたいになってしまうのだろうか...嫌だなぁ。

話ズレた。そうゆうわけで今のところ戦闘を自主的に望むわけではないのでそのご褒美とやらはイラを相当やる気にさせているようだ。


「そのご褒美ってなんだろうな」

「さぁ...? リティアに聞いたけど上手くはぐらかされた」

「何かやましい事でもお願いしたんじゃないの...?」

「おい。なんだその目は」

「子は親に似るっていうでしょ?」

「俺を何処かの変態と一緒にすんじゃねぇよ!!」


酷いもんだ。俺がいつやましい事をした。

例えするとしてもパルスィだけだ。ただ...最近は恥ずかしがる姿を見たくてやましい事をするのだが全部受け入れてくる。況してや自分から来る時あるから逆に俺が困ってる。

喜べばいいのか...悔しがればいいのか...もう少し恥じらいを持って欲しいよ。


「大丈夫よ。イラは純粋な子だってあなたも知ってるでしょ?」

「7年経てば変わるものよ?」

「それは否めないけど。変わったと言っても口調とか性格ぐらい」

「性格が変わったら相当だと思うわよ...?」


俺とパルスィにとっては性格が変わったぐらいじゃ大した変化じゃないからな。

根本的な感情が変わってなければいいからさ。感情が変われば全てが変わる。いい事でもあり悪い事でもあるがな。


「とにかく! イラは変わらずいい子なの!!」

「わ、わかったわよ! というか、一番変わったのパルスィじゃないの!?」

「あ、これが素だから。いつもは営業スマイル的なノリだよ」

「それはそれで驚きなんだけど!?」


純粋ないい子なんです。


「にしても...あれはいつ終わるん?」

「そもそもイラと破月はいつから手合わせしてるのよ」

「確か...朝早くからかしら?」

『朝からずっと!?』


流石の桜も驚きを隠せないようで。というか俺もびっくりだ。俺が起きる前からずっと手合わせしてんの!?


「あの子をそれほど動かすご褒美とは一体...」


イラの底知れぬやる気に呆気に取られているとイラの戦い方に変化が現れた。


「クソッ! ラチがあかない!」

「別に拳に拘らなくていいんだぜ? お前が戦い易い技術で来な」

「悔しいけどそうさせてもらおうか!!」


《異法:硬化》で真紅に染めていた手を元に戻し、地面を割るかの如く強く踏み締めた。するとどうだ? 破月さんが立っている地面から数え切れない程の多種多様な武器が現れたではないか。


「昔より出せる武器が増えてるようね」

「成長したんだ。自分の能力も使い熟せるようになってるだろ」

「昔は自分の周り数メートルしか出せていなかったけど。今は出現させる場所も指定できるようになってるみたいね」


イラの能力は《武器を生成する程度の能力》

これは素材などは要らず自身の魔力で武器を作り出し任意の場所に出現させる能力だ。

小さい頃はうまく能力を使えていなかったため、自身の周り数メートル程度に作り出す事が限界。魔力の量もそこまでだったので武器の質も鉄か鋼程度の武器しか作れなかった。だが今では桜に魔力増強や魔力操作を教わっていた回もあり、オリハルコンやミスリルなどの最高質の武器を作れるようになっていた。


「そう考えるとイラって一種の兵器よね」

「自由に武器を生成でき、自身も異法で武器になれる。確かに兵器だ」

「その強さが相まって、一度怒ると手がつけられないけど...」


しみじみと語るパルスィに俺もうんうんと頷く。そんな俺たちの様子に桜は苦笑していた。

そんなこんなでイラと破月さんの戦いに視線を戻すと、地面から生成したイラの武器群を容易く粉砕した破月さんは近づかせないように迫ってくる武器の波を粉砕しながら突き進んでいた。


「だぁもぉ!! その身体能力が腹立たしい!!」

「オレの進行を地味に止めてるクセによく言うな」


破月さんの言う通り、イラの武器の波は彼女の動きをかなり妨害していた。一歩一歩進むのにも破月さんは苦労しているようだ。


「無駄に質のいい武器を作りやがって。こっちは地味に痛いんだよ?」

「容易く壊しておいて何言ってんだよ! こっちだって魔力は無尽蔵ってわけじゃないんだ!!」

「はっはっはっは! その割には元気じゃないか! さぁて...ちょっと本気を出そうか!!」


止めどなく迫る武器の波を先ほどよりも早く粉砕し、進行の足を早める破月さん。スピードが上がった彼女の進行にもイラは驚いている様子はない。

どうやら想定内だったようだ。


「武装 剣の舞踏会!」


イラがスペルカードを宣言したと同時に、破月さんの周りに大量の剣が現れた。だが、最初とは違いただ地面から突出して終わるのではなく彼女の周りで踊っていた。その光景はまさに剣の舞踏会。


「面白いことするじゃないか」

「その余裕もいつまでもつかな!」


それぞれ自由に踊っていた剣はイラの合図と共に刃先を破月さんに向けた。常人なら青ざめる場面だろう。しかし、彼女はそんな絶体絶命の場面だと言うのに笑っていた。


「これしきでオレの余裕は消えねぇなぁ!!」


ピシッ...!

破月さんに向けていた剣全てにヒビが入ると同時に砕け散った。破片は宙に舞いキラキラと幻想的に輝いていた。


「嘘だろ!?」

「能力を使わざるを得なかったが防いでやった! ほら! 次はどうする!!」

「クソガァぁぁ!! 感情解放:憤怒!」


自分の攻撃を完全に防ぎ切った破月さんに対し、怒りを増幅させたイラはその感情をさらに昂らせ解放。

血よりも赤い炎。憤怒の紅炎を身に灯し紅色の双眸はしっかりと敵を捉えている。


「憤怒 剣の舞踏会・爆演!」


先程と同じように剣群が現れる。だが、違う箇所があるとすれば剣の刃が鉄を熱したかのように赤く、紅く染まっていた。


「同じ手を出すなんてね。愚策じゃないかい?」

「変化に気づけない時点でお前の負け確だっつぅんだよぉ!!」


破月さんは先程と同じように歯を鳴らすと空気を伝って振動が走った。剣に振動が走るとヒビがーーーーーーー入らず。

剣は禍々しく赤く輝くと目を覆い隠してしまうほどの眩い閃光が放たれた。遅れて聞こえたのは耳をつんざく爆発音だった。


「な、何これ!?」

「イラのヤツ。剣に爆破を付与したな」

「爆破付与って...あの剣全部に...?」

「みたいだな。全く...おっそろしいマネするぜ」

「強く育ってくれたからいいじゃない」

「まあな」


俺達の親バカっぷりに呆れたのか桜は小さく溜息をする。

さてさて、爆煙によって視界が悪くなっているが二人には大して妨害にならないか。


「よくあの爆煙の中で動けるわね。破月はともかくイラもまるで見えているかのようだわ」

「イラは感情を第六感だけでなく、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感でも感じれるからな。破月さんの闘争心を聴いて嗅いで感じてるんだろ」


かく言う破月さんは超技術の超直感などを駆使して視界の悪いあの場でも戦えているのだろう。俺もさっきから感情を見て状況を確認しているが焦りを感じない。寧ろ余裕だと溢れんばかりの闘争心が強く感じられた。

対してイラは余裕などなく憤怒の感情が強くなるばかり。だが、比例して闘争心も強くなっていた。


「ほら! さっきよりキレが悪くなってるよ!!」

「まだ行ける!! 憤怒 斬り斬り舞・蟷螂!」


大きな大鎌を両手に一本ずつ作り出したイラは滅多らヤッタラに振り回していた。技術も何も無い動きだがどこか見惚れるような動きをしていた。

その動きにも驚きだがそれ以上に身の丈を超える大鎌を片手で振り回していることにも驚愕を覚えた。しかし、その攻撃も容易に避ける破月さん。イラの大鎌が地面に触れた。次の瞬間、刃が赤く輝き閃光を放った。

そう大鎌にも爆破が付与されていた。しかも触れる度に火力を増す鬼仕様ときた。おっそろしい。


「避けても鎌が地面に触れて火力を増す! 当たっても斬り裂いて中から爆破するのさ!!」

「面白いじゃないか! だが...その自身を正面から叩き潰してやるよ!!」


驚く事に破月さんはイラの攻撃を正面から受けようとしていた。

大鎌が振り下ろされる。破月さんは拳をぶつけて弾くと同時に爆破を喰らう。それでも痛みを感じないかのように何度も振るわれる大鎌の舞を拳で受け切って行く。

その光景に呆然とする俺達。いや、するだろ。片や鬼畜仕様の大鎌を振り回し、片や戦略もあったもんじゃない正面突破。どう見ても正面突破が負けそうだと言うのに破月さんの方が押しているのが現状だ。

あの人、本当に体おかしいでしょ。


「どうしたどうしたどうした!! こんなもんかい!!」

「ぐぅぅ...!! 嫌だけど...嫌だけどぉぉ...!! 妖魔...解放!!」

「あいつ! おい待てイラ!!」


俺はイラを止めようと二人の間に割り込もうとしたが破月さんによって止められた。


「黙って見てろよ。今いいところだ」

「ふざけんな!! あんたはイラの妖魔がどれだけ危険か知らねえから!!」

「知ってるよ。一度、手合わせした時に暴発したからね」

「なっ...」

「あの時は容易に止めれたが...今回はどうかねぇ...楽しみだぁ!!」


破月さんはどうやら全ての力を解放したイラと戦いたいようだ。だからって妖魔を解放したあの子とやり合う気か!? もう手合わせのレベルじゃ無くなるぞ!


「......親として心配するのはわかる。だが、少しは子を信用したらどうだい?」

「......わーったよ! ただし! 少しでもイラがヤバくなったら強制的に止めるからな!!」

「はいはい。ほら、下がってな」


俺はブツクサ言いながらその場を離れパルスィと桜の元に戻った。

二人も心配そうにしているが俺にはもう止めれんよ。あの二人の戦闘狂は。


「ああああ嗟瘂ああ嗚呼ああアアアAaaaああ!!!」


イラは叫んでいた。

苦しむように叫んでいるがその実、感情は闘争心と憤怒の二つが練り固まっていた。

その姿は徐々に変化して行く。悪魔と人間の間だった姿が妖怪と悪魔の間へと変わって行く。

額に伸びていた二対のツノは鋭利に伸び、尾骨の辺りからは長く先がとんがっている尻尾。右目は充血したかのように真っ赤に染まり、左目は透き通るようなエメラルドに染まっていた。

これが妖魔を、本来の力を解放したイラの姿。嫉妬と憤怒が合わさった。その感情は《嫉怒》


「さぁ...第二ラウンドだぜ? 破月姉...!!」

「なんだい。今回は意識があるのかい」

「そう何度も意識が切れてたまるかよ...!!」

「なら...私も本気出しても大丈夫そうだ!!」


ズガン! と地面を割るほどの四股を踏むと破月さんは拳を突き出して構えた。同時にイラも全身を覆い隠す程のエメラルドの盾、身の丈を超えるルビーの大剣を作り出し構えた。

さぁて、どうなる事やら。一回CMでぇす!

え? ああうん。管理者が長くなりそうだから区切るってさ。許してくれ。





この勢いだと長くなりそうなので区切りまぁす!


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