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東方魔人黙示録  作者: 怠惰のあるま
混沌に集いし、強者共
182/204

後日談 その五

はい。後日談ラスト。コラボ最終回です!

ちょっと雑な終わりになって申し訳ありません...



突然だが今日、異世界の奴らが帰るらしい。

逆に俺の世界に長く滞在しすぎたと言っていたが気のせいではないか?

長かったのはこのコラボだと思うが、あの駄作者がちゃっちゃか更新しない所為で一年も経ってるんだ。まあ、その所為で彼らも長く滞在したと勘違いしてるのだろう。うん。そうに違いない。

俺がメタい話をしていると幻真が首を傾げていた。


「何を一人でぶつぶつ言ってるんだ?」

「ああ、こっちの話だ。気にすんな」

「そうか。ああそうだ。もう何人かは終作がもう送り返したらしいぞ」

「え? 別れの言葉言ってないんだけど」

「元々何人かは無理やり連れてこられたんだ。急いで帰らなきゃいけない理由があるんだろ」


それもそうか。俺の世界を守る為に無理やり呼んだしな。自分の世界のこととかもあるだろう。けど、ちゃんとお礼を言ってない奴だっているんだ。せめて別れの挨拶ぐらいさせてくれよ。


「お前の言いたい気持ちも分かるけどさ。あいつらは自分の意思でここで戦ってくれたんだ。お礼を言われたくて戦ったわけじゃないだろ」

「そうだが...」

「気にすんなって。それにもう会えないわけじゃないだろ? また会えた時に言えばいいさ」

「...そうだな。ありがとよ幻真」

「なんだよ。お前が素直に礼を言うとか気持ち悪いな」

「何だとてめぇ!」


そう言って俺たちは顔を合わせて笑った。

幻真の言う通り、もう二度と会えなくなるわけじゃない。また何処かで会える事だってあるさ。その時にでも謝罪と礼を伝えよう。

いっそ俺が乗り込んで言いに行くのもイイかもな。めんどくさいけど。

とりあえず、今いる奴らにだけでも伝えておくか。


「行こうぜ幻真」

「おう」









△▼△










俺たちは地霊殿の客間に戻るとまだ残っているメンバーが帰る準備をしていた。

その内の一人に俺は話しかけた。


「えぇっと...千代春だっけ?」

「あら、魔王さん。どうかしたの?」

「いや...その〜...」


俺が口を濁らせていると横から助け舟が来た。


「アルマは貴女に謝りたいの」

「パ、パルスィ...!」

「そうゆうことね。なら気にしなくていいわ」

「いや...でも俺のせいで...」

「そんな気負いしないでよ!」


明るい声が聞こえ、そちらに視線を移すとニコニコと笑顔を見せる悠飛と刹那、妖緋の三人がいた。


「そうだよ。操られたのは私達の感情が弱かったせいだもの。君のせいじゃないよ!」

「それに謝るのは私達も同じだよ! 操られたとはいえみんなを怪我させた。だから私達も償わなきゃいけない!」

「悠飛さんの言う通りです。魔王さんだけでなく私達にも罪はあります」

「だから君だけが悪いわけじゃないよ!」


千代春達は俺を慰めてくれていた。そして、少なからず彼女らも罪悪感を感じているのだ。操られていたとしても彼女らは仲間を傷つけてしまった。例え、みんなが気にしていなくても彼女らも俺と同じく罪を感じていたんだ。破月さんだって霊斗だって感じているはずだ。


「......今回の俺は慰められてばっかだな」

「全くだ。気にし過ぎなんてお前らしくないぞ?」

「言ってくれるじゃないか幻真」

「何も考えずダラダラ生きてるのがあなたでしょ?」

「......ったく俺ってそんなに酷い印象で思われてるのね」


俺はため息をしながら頭をかいた。


「まあ、お前らの言う通りだな。いつもの俺らしくなかったぜ。けどまあ...巻き込んで悪かった。これだけは言わせてくれ」

「あはは! 結局謝るんだ!」

「律儀だろ?」

「自分で言うと変ですよ?」

「気にしたらダメなんだろ?」

「言いますね」


そう言うと彼女らは笑った。

そして、タイミングを見計らっていたかのように次元の狭間から終作が現れた。


「別れは済んだか〜い?」

「見てたんだからわかってるだろ」

「バレてたか〜まあいいが。さて、君らを元の世界に送りかえそうか」

「最初っから最後まで悪いな終作」

「おろおろ? アルマ君が素直にお礼を言うなんて明日は槍が降るな!!」

「前言撤回だ」


終作に礼を言った俺が馬鹿だった。こいつに素直さを見せたところで無駄だと気づかなかった自分に腹が立つ。


「そんな怒んないでくれよ〜俺たちの仲だろ〜?」

「ったく...とにかく後は頼んだぞ」

「わ〜ってますよ〜! ほらほら! みんな狭間に入ってね〜」


終作は異世界の強者共の前に大きな次元の狭間を開けると彼らを中に入るように促す。


「それじゃあ魔王さん、橋姫さん。またいつか会いましょう」

「次会う時は負けないよ橋姫さん!」

「ばいば〜い!」

「お元気で」


千代春と刹那、悠飛、そして妖緋の四人は別れを告げると次元の狭間へと消える。


「長かったような〜短かったような〜」

「そうですね。時間はあっという間に過ぎていきますね」

「お父さん! 私またこの世界に来たいです!」

「ああ、今度は豊姫達も連れてな。それじゃあまた会おうぜアルマ!」

「おう。元気でな」


磔、春姫、絢斗、快も彼女らに続いて次元の狭間へと消えていった。


「パルスィ。またいつかゆっくり話しましょう」

「ええ、楽しみにしてる」

「なら俺もその時に付いてくか...アルマの大剣も手入れしてやりたいし...」

「なら俺はアルマと戦うとするか」

「嫌だ」

「即答かよ!! はぁ...まあいいや。また会おうぜ!」


幻真、火御利、想起の三人らもそれぞれ別れを告げ先に行った彼らを追うように次元の狭間へと消えた。


「それじゃあ、アルマ。破月と霊歌を頼む」

「安心しろよ。危険に会うことなんかない。破月さんには退屈かもしれないが」

「あっはっは! そうかもな。さて、アルマまた会おう」

「次ここに来る時はもっとお酒が飲みたいわね」

「あれだけ飲んどいて言うか?」


別れとも言えない言葉を残して霊歌と霊斗は狭間へと入り込む。


「私達も行こうかしら玉木、祭様。行きましょう」

「はい! 桜様!」

「そうね。それじゃあ魔王さん」

「また会いましょアルマ」

「ああじゃあな。あと...あの時はありがとよ」

「ふふふ! 死にたくなったらまた私が止めてあげるわ」


演技でもねぇ...桜は笑うと祭と玉木を連れて次元の狭間へと消えていった。

さぁて、あとはこの変態だけだな。


「酷いな〜!」

「事実だろ? ほら帰れ」

「帰れ!」

「二人して冷たくないかい!?」


いや、俺はパルスィと二人っきりになりたいから。君邪魔だから。


「手のひら返しすぎ〜!! あひゃひゃひゃ!」

「と、まあふざけるのはこれぐらいで。今回は本当に助かったよ終作。また会おうぜ」

「お〜う! また遊びに来るぜ! それじゃあばいなら〜」


いつものテンションで終作は次元の狭間へ入っていくと狭間は消え、その場に静寂が訪れた。

ああ、こんなにも静かになるのか。

騒がしかったとはいえ、無くなると寂しいもんだな。おっとそうだった。


「パルスィ。先に帰っててくれ」

「別に何もしないわ。安心して」

「......わかった。一緒にいてくれ」


パルスィは静かに頷くのを確認した俺は地面に悪魔の言葉を書いていく。

数分書き続けて出来上がったのは禍々しい見た目をした魔法陣。何をする陣かと言われれば説明がめんどくさいものです。まあ、簡単に説明するとある種の復活の魔法陣かな?


「はじめるぞ」

「ええ、頑張って」

「我、感情を操り管理するモノ。この世に混在する感情の亡霊達よ。我が願いを聞け。傲慢に落ちたモノ。堕天の王となったモノ。我が傲慢の力によって目覚めさせよ」


アルマは淡々と呪文のようなものを呟くと魔方陣が輝いていく。そして、彼はその者の名を呼んだ。


「その者の名はルシファー・ドルイギア」


そう。アルマは自分を殺そうとしたルシファーを蘇らせようとしていた。

彼女の名を呼ぶと魔法陣の輝きは強まり、視界を覆うほどの光を放った。少しして光が収まるとそこには金髪の黒い羽を生やす少女が座っていた。


「よう。お目覚めだな」


アルマの声に反応してルシファーは目をゆっくりと開ける。まだ意識がハッキリしないのかキョロキョロと辺りを見渡し、彼が視界に入ると目を見開いた。


「ア、アルマ...! なぜ君が私の前にいる...!? いや、なぜ私は生きている...?」

「簡単なこと、俺が蘇らせた。傲慢は理すらも従わせる」

「......そうだとしてもなぜ私を生き返らせた。君にとって私は憎しみそのものだろう?」

「そうだな。だが、俺は考えた...」


首を傾げるルシファーに近づきアルマは顔を近づけると不気味に笑う。


「お前が嫌がることは何か、と。そして、結論が出た。大嫌いな俺に蘇らせられたらどれだけ屈辱的だろうなぁ...ってな」

「ふん...相変わらず嫌味ったらしい奴だ...橋姫はいいのかい? 私は君の夫を傷つけた相手だよ?」

「私はアルマが生きて隣にいるだけでいいの。他の何者が苦痛に苦しもうと世界が滅びようと...ね」


無垢な笑顔で喋っているはずのパルスィの表情はルシファーには歪んだ笑顔に見えた。

それもそうであろう。彼女の語る愛は狂愛以外の何でもない。寧ろルシファーの感じ方が正しいのだ。


「さあ、あとは自分の世界にでも帰れよ。特に用ねぇし」

「ほ、本当に嫌がらせのために蘇らせたのかい!?」

「ああ、さっきからそう言ってるじゃないか」

「き、君の頭の中が理解できない...!」

「しなくていいし、されたいとも思ってねぇよ」


ぶっきらぼうに言われた言葉にため息を零すルシファー。


「...はぁ。わかった今回は素直に帰るとしよう。あの世界を崩壊させる方法はまた探すとするよ」

「ああ、ガンバ」

「仮にも友の世界を崩壊させようとする奴を応援するかい普通」

「俺はパルスィがいれば他はどうでもいい」

「はぁ...揃いも揃って狂ってるね...それじゃあもう会うことはないけど...」

「またな」

「......またね」


そう言って彼女はこの世界を去った。

どこか笑っていたようにも見えたがそれは本人にしかわからない。とにかく言えることは今回は終わったということだ。


「さぁて...家に帰るか」

「イラとリティア。拗ねてないといいけど」

「さとり様がいるし、大丈夫だろ」

「それは大丈夫と言えるの?」

「いや言えない」

「ほら急いで帰るわよ」


パルスィは足早に地霊殿へと戻っていった。

全くもって騒がしいコラボだった。

はぁぁ....当分コラボはこりごりだ。


「遅いよ!!」

「わーってるよ」


まあ...騒がしいのも悪くはないか。

さぁて、日常に帰るとしよう。


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