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東方魔人黙示録  作者: 怠惰のあるま
魔王の告白は命がけ...?
157/204

告白戦争勃発!

やっと完成いたしました。

今回は二匹も新しい感情の怪物が登場いたします。


目の前の壁が壊されて現れたのは嫉妬に飲み込まれた幽香だった。勘弁してくれよ...!せめて体が動く状態だったなら...


《ピンチか...?》


なんだよ。お前から話しかけてくるなんて珍しいな赤眼の怪物。


《うるせえ...怠いのに俺から話しかけてやってんだ...それで...どうなんだ?》


素直じゃないね〜ああピンチだ。出てこい!


《あいよ......》


もはや狂気染みたその表情は美しいが悪いな。今は邪魔されたくないんだ!!


「出てこい!怠惰《赤い目をした堕羅けた怪物》!!」


声に呼応するように俺の右胸から腕が飛び出した。血のように赤い液体を飛び散らせ体から赤眼の怪物は抜け出た。


「赤眼ンゥゥ?懐かしいワねェ?」

「おいおい...ここまで狂気染みたの初めてじゃねえか...?何したんだよ...」

「俺だって聞きてえよ!パルスィ!今のうちに逃げるぞ!」

「わ、わかった!」


が、俺は動けない。さて、めんどくさいがもう一体怪物を呼ぶことにしよう。

誰を呼んでも俺の言うこと聞いてくれないと思うけどな!!

呼ばないよりマシだがな!


「強欲《青い目をした欲しがりな怪物》!!」


赤眼の時と同じように胸から腕が飛び出し、青い液体を撒き散らしながら少し幼ない俺の姿をした青眼の怪物ブルー・アイド・モンスターが飛び出した。

その顔は少し笑っている。


「久しぶりだね〜!」

「悪いが今は遊んでる場合じゃない」

「知ってるよ〜!仕方ないから今回は助けてあげる〜!」


俺を背負った青眼の怪物はパルスィを連れてその場から逃げ出した。それを追おうとする幽香を赤眼の怪物は阻んだ。

その行為が幽香の歪んだ感情をさらに歪ませる。まだ少しだけあった冷静さと理性の感情が完全に消失した。

あるのはなぜか嫉妬の感情だけだ。


「ヨケナサイ...!」

「コワッ...!だが避ける気はないぜ...?」

「ウルサイ...ワタシハ...トメル...ノ....パルスィヲォォ!」

「え?パルスィ...?」


完全にアルマの逃げる理由と幽香が追いかける理由が噛み合っていないことに赤眼は気づいた。

さらに面倒くさそうに体をダランとし幽香に向けて変な体勢で指をさした。


「お前ら...本当に話噛み合わないのな...」

「ウルサい!」


怒りを込めた傘の一撃と赤眼の拳がぶつかり合い、大気を揺らがせるほどの衝撃が走る。ビリビリと伝わる衝撃に赤眼は苦笑する。


「コワイネェ....」







△▼△







青眼の怪物に背負ってもらい地霊殿から逃げ出したアルマと現状を把握できていないパルスィ。

二人と一匹はとにかく地上を目指していた。逃げ場のない地底にいるよりだったら地上に逃げた方が安全だからだ。

そう簡単に地上にはいけないようだが...


「やはり来ましたね...」

「うげっ...映姫...」


立ち塞がるのは地獄の裁判長四季映姫・ヤマザナドゥ。悔悟の棒を強く握り締め君の悪い笑みで立っていた。アルマの存在に気づくや否や嫉妬の念が強くなる。


「あら、あなたもいたのですか?好都合です」

「なんだってお前らはすぐに感づくんだよ!!」

「なんのことですか?私達はパルスィに用があってきたのですよ?」

「はぁぁ?なんでまたパルスィなんだよ」

「それは内緒です。パルスィ...?あなたは分かってますよね?」

「いや、全くわからないわ」


小さいため息をする映姫にパルスィは首を傾げる。アルマでさえも、三人が来た理由が皆無。全く状況を把握しきれていなかった。

その中で青眼の怪物は映姫に変な視線を送っていた。

それに気づいた彼女はニコッと笑い、久しぶりですね。と呟いた。その言葉に嬉しそうな顔をする青眼だったが、アルマを優しく下ろして映姫の前に立ち塞がる。


「ほらほら〜早く行った行った!」

「青眼...?」

「悪いけど他の怪物で逃げて〜僕が映姫ちゃんを抑えるから〜」

「.....わかった。来い!暴食《紫色の目をした食欲の怪物》!」


紫色の霧がアルマの周りに漂うと紫眼の怪物が現れーーーーなかった。この展開は青眼も予期しておらず、目を見開いた。襲ってきた映姫でさえも口を開けっ放しで驚愕している。

パルスィは驚いているとヒラヒラとどこからか舞い落ちてきた紙切れを掴み、見てみると字が綴られていた。

それを一言一句こぼすことなく口に出して読んだ。


「えーっと...?《マスターへ!お腹空いてないから寝てま〜す!あと、他の怪物で呼べるのは金眼だけで〜す!頑張って〜!》...ですって」

「あんの食いしん坊ガァぁぁぁ!!」


怒りで叫ぶアルマに映姫は憐れみがこもった声で言った。


「あなたって...本当に運がないですね」

「クッソォォォ!呼びたくないが...傲慢《金色の目をした高飛車な怪物》!」


ピシャッ!!

金色に輝く雷がアルマに直撃し、それに呼応するように金眼の怪物ゴルド・アイド・モンスターがヌルンと体から抜け出した。


「久しいな我が主」

「お、おう...そうだな...」

「......正直、いつもすまぬな。私だけダメージ受ける登場で」

「い、いや...いいんだ...」


どこか気品ある姿はどこかの国の王子を思わせる。その姿はアルマとは真反対の色をしていた。まるで写し鏡のようである。

他の怪物とは違い、自制があり我儘放題な行為をしない唯一の常識ある怪物。ただ、召喚のたびに主であるアルマに何かしらのダメージを与える。それが召喚したくない理由だ。

それを除けば力になる怪物だ。


「って...どうやら長話をしている暇はないようだ」

「俺背負って逃げて...」

「了解です我が主よ」

「金眼〜お願いね〜」

「わかってますよ青眼」


アルマを軽々と背負い、周りを見渡す頃には映姫の弾幕によって逃げ場がなくなっていた。不気味に笑う映姫に青眼は同じく不気味にニンマリと笑った。

パチンッと指を鳴らすと大量にあった弾幕が一瞬で消えてなくなり青眼の怪物の掌の上に巨大な弾幕となって浮いていた。

楽しそうにキャッキャッと笑う姿は子供っぽさを見せる。


「悪いな青眼。恩にきる」

「いいよ〜お願いね金眼〜!」


戸惑うパルスィの手を掴み、金眼は異常な脚力で映姫達を飛び越して、その場から一瞬で消えた。


「全く...あなたは苦手ですよ。青眼」

「僕は映姫が好きだよ〜?」

「でも、アルマの感情であるあなたもパルスィが一番好きなのでしょう?」

「うん!ごめんね...?」


悲しそうな顔をする青眼にクスクスと小さく映姫は笑った。


「ふふ......あなたは本当に純粋ですね」

「怪物はみんな純粋な感情の存在さ。自分の感情に純粋なんだから当たり前だよ?」

「そうみたいですね。さぁ...お話は終了ですよ。そこを通してもらいます」

「えっへへ〜絶対に通さないよ〜!」


嬉しそうに何処からか取り出した大鎌を振り回し、通せん坊をする。ニコニコと子どもっぽく笑う姿に映姫はニコッと笑って青眼の周りを大量の弾幕で取り囲んだ。


「あ、あっれれ〜?これってやばい...?」

「ええ、やばいですね。審判 《ラストジャッジメント》」


青眼の周りを取り囲んでいた弾幕が一斉放火を開始した。

慌てた様子を見せる青眼だが大鎌の柄の端を持って大鎌の重さで回転し迫る弾幕を全て切り落として。

全ての弾幕を消し去り、またニコニコと笑う。


「もうおしまい?」

「いいえ...まだですよ?」


先ほどの優しい顔は消え、嫉妬に塗れた黒い笑顔へと変貌していた。その笑顔には流石の青眼も引きつった笑いとなった。


「こ、こわいよ映姫...?」

「フフフ....さぁ...続けましょう......?」






△▼△







金眼に背負われ地上へと目指す俺たちはひとつ気がかりなことがある。リグルが来てないことだ。なんというかね?あの子が一番最初に突撃してきそうなイメージがあったんだよね。

会う度にあの子から...うん...純粋な好意の感情を感じてたから。気持ちには気づいてたんだ。感情を弄れるんだぜ?そんぐらいわかるわ!

あ、でもね。パルスィの感情は嫉妬が強いから他の感情を感じにくいんだ。強くその感情を思わない限りは嫉妬しか感じません。

だから、俺に好意を抱いてくれてるかわからないんだ。

......断られたらどうしよう。


「主。自信を持ってください」

「金眼って傲慢なのに優しいよね...」

「それは主の傲慢の感情が薄いからですよ」

「そうなんだ...」


だから赤眼は怠惰の感情が一番色濃く出てるのか。納得。


「パルスィ様も疲れたら私が背負いますよ?」

「お気遣いありがとう。でもいいわ」

「おい...?金眼...?」

「じょ、冗談ですよ。主の許可なくそんなことしませんよ」


前言撤回だ。金眼も抜け目がないな。やっぱり俺の感情か......はぁぁ......七つの大罪の化身にまともさを求める俺が間違ってるのかな...?

とにかく今は逃げよう。そして、安全な場所に着いたらその時は...告白する...

......安全な場所あるかな...?




感情の怪物達は全員パルスィが好きです。

ただ、赤眼はパルスィの緑眼の怪物と仲がいいです。

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