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東方魔人黙示録  作者: 怠惰のあるま
地底の日常
152/204

《誕生日は地底にて...》



番外編でぇす

ただいま地底にて拘束されてます。

冒頭からどうゆう状況だよ!ってツッコミを入れたいとお思いですが、話をさせてくれ。

そう...それは昨日のことだ......





△▼△





「明日って予定あるの?」


今日も愚妹をほったらかしパルスィとのんびりしていると唐突にそう聞かれた。

うんまあ特に予定はないね。と言うか...


「地底から出れないのにどう予定を作れと?」

「うっ...ま、まあそうだけど......一応よ一応!」

「なんだよ一応って。まず俺に予定というものはない」

「そう。じゃあ明日の朝、私の部屋に来て」






△▼△






そう言われた翌日の今日。

そうだ。まさにパルスィの部屋に赴いた私は拘束されて布団の上に括り付けられています。嫌なんでだよ。

パルスィを睨むと嫉妬している時の目で俺を見つめる。

俺さ今日は何もしてないですぜ?

朝っぱらに呼ばれて何かをする暇もなかったぜ?

見つめ合っているとパルスィの手が俺の頬に触れた。


「なんだよ」

「別に...触れたかっただけ」

「どうした?何かあったか?」


頬に触れていた手が登っていき髪に触れた。


「赤と青が混ざって不思議で綺麗な色...妬ましい...」

「おまえの金髪の方が綺麗だけど?」

「私には似合わないわ」

「十分綺麗だ」

「ストレートな貴方が妬ましい」


ぐしゃぐしゃと髪を揉みくちゃにすると手を離した。

もう少しだけやって欲しいと思ったが変かな。


「それで?俺を拘束した理由を聞かせてくれ」

「ごめんなさい。まだ言えないわ」

「まだってことは悪意はないんだな」

「そのつもり。でも時間まで貴方で楽しませて...?」


はい?


「遊ばせて?」

「なんで?」

「遊びたいから」

「嫌だ」

「拒否権はないけどね」


じゃあ聞くんじゃねえよ!!

ルンルンと嬉しそうに俺の体を撫で回す手がかなりくすぐったい。

その反応に気づいているのかニヤニヤと笑っている。

何なんだよ今日は...嫌がっていない自分にも腹が立つけどよ!!

さわさわ、と腹辺りに手が触れた。

ビクッと体が軽く跳ねる。


「相変わらず敏感...ふふふ」

「う、うるせえ!!」

「それにしても結構筋肉あるのね」

「く、くすぐったいからあんまり触るな!」

「ほぉぉ......?」


ニヤニヤと笑っていた顔はニンマリとイラつくほど口角を上げて笑った。

嫌な予感しかしねぇ...!

触れていた手が全身を撫で回すように動かされる。

くすぐったさが全身から感じる。

歯を食いしばってその感覚に耐えるがかなりしんどい。

数分続いた屈辱は彼女も十分楽しんだのか唐突に終わった。

やっと終わった屈辱に、耐えていた俺は荒々しい呼吸になっていた。


「顔真っ赤よ?大丈夫?」

「お、おちょくってんのか...?」


クスクスと笑いパルスィは俺に顔を近づけ、かなりの近距離で見つめ合う形になった。

な、なんでこんなに近いんだよ!?は、恥ずかしい!!

悶える俺とは裏腹に冷静な彼女の指が目元に触れた。


「アルマは...少し暗い青と明るい赤が混じった瞳なのね」

「そうなのか?」

「遠目からじゃ気づかなかったけど、近くで見ると綺麗......妬ましい...」


そんなにマジマジと見られると恥ずかしい。

そういえばパルスィの目は緑眼だけど、こんなに近くで見る機会なかったな。

すごく透き通っていて宝石のように綺麗な瞳だ。


「羨ましい...」

「え?」

「パルスィの緑眼が羨ましいと思ってさ」

「な、何言ってんの!ね...妬ましい......」


顔を赤く染めて目をそらす。彼女の頭を撫でたいなぁ。と考えていると無意識に動かした腕がパルスィの頭にポン、と置かれた。

いつの間にか頑丈だった拘束が解けていた。

俺も驚きだが、拘束した本人が一番驚きのようだ。


「拘束解けてたんだけど」

「え?え?う、嘘?」

「......好き勝手やってくれたな。おい」

「あ、あの...謝るから許して?」

「.........まあ別にいいけど」


実はそんなに怒ってない。

パルスィと二人っきりの時間が出来ただけですごく満足だったのとちょっと楽しかった。


「い、いいの?」

「パルスィと二人っきりになれたから十分」

「な、なら次は私にーーーー」

「迎えに来たよぉ〜!」


何かを言いかけたパルスィを遮るようにこいしが間に現れた。


「え...?もう時間?」

「ごめんねパルスィ〜お姉ちゃんが迎えに行けって!」

「そ、そう...」

「迎え?」

「うん!」


手を引っ張るこいしに半ば引きずられる形になりながら居間の前に連れてこられた。


「さぁ!入って!」

「え?お、おう」


こいしに促されるまま襖を開けた。

パァン!

小さい爆発音が鳴る。軽く驚いていると目の前でクラッカーを鳴らしたお空とお燐がニコニコと笑って言った。


『お誕生日おめでとう!』


ポカァンとアホヅラを晒していると愚妹に横っ腹を小突かれた。


「みんながサプライズをしたいって言ったんだ。感謝しなよ?」

「はぁぁ...妬ましい。なんで私が時間稼ぎを......」

「うふふ...!そういう割には嬉しそうにしてたじゃないですか」

「う、うるさいです!!」


一人だけ置いてかれてる形になりつつある俺にパルスィが小さな箱を強引に渡された。


「あげる!!」

「そ、そんな渡し方あるか?」

「うるさい!うるさい!」

「ったく...ま、ありがとう。嬉しいよ」


顔を真っ赤にしながらブツブツと呟いている。可愛い。


「それじゃあ。ケーキがありますからみんなで食べましょうか」

「わぁい!ケーキだぁ!」

「もうお空!あたい達のじゃないんだよ?」

「えへへ...」


みんながケーキを切り分ける姿を見ながらパルスィに貰ったプレゼントを開けた。

入っていたのは赤と青のチョーカーと文字が書かれた紙が一枚入っていた。

紙に書かれた文字を読んだ俺は横でブツブツと未だに呟く彼女の頭を撫でた。


「口で言えよ」

「......恥ずかしい」

「口の方がいいなぁ」

「妬ましい...!」


一瞬、弾幕を構えるが少し深呼吸をして弾幕を収めてパルスィは頬を染めながら紙に書かれた言葉を口にした。


「誕生日おめでとうアルマ。これからもずっと一緒にいてね...?」


プレゼントって気持ちがこもっていれば何をもらっても嬉しいものです。

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