真犯人は?
さとり様の助言通りに、俺はパルスィのところに向かう。にしても、こんなにも、周りの人間が妬ましく見えたの初めてだよ。パルスィって、いっつもこんな感じなのかな?そうだったら、これから俺も素直にならないとな。
パルスィの元に行くと、待っていたかのようにその場にたっていた。
「待ってたのか?」
「うん。来そうな気がした」
「じゃあ、俺が言いたいことわかるよな」
「戻りたいんでしょ?」
「戻したいんだ」
パルスィは、少し悲しそうな顔をしていた。だが、すぐに優しい顔になった。
「わかった。じゃあ、戻ろう?」
「ああ」
指を鳴らすと、体が一瞬ビクッと震える。そして、体の中に何かがハマる感覚を感じる。
これで、元に戻った。さっきまでの黒いモヤモヤは消え去って、スッキリした気分だ。
パルスィはいつもどおりツンっとしていた。
「ご機嫌ナナメ?」
「別に?いつもの自分に戻れて、落ち着いてるわ」
「やっぱり、パルスィはこっちの方がいいや」
「その感性が妬ましいわ」
うん、この感じが、パルスィだよ。
それにしても、いつ俺たちの感情が入れ替わったんだ?感情を操れるのは俺ぐらいなはず。まあ、俺の場合【感情を弄ぶ程度の能力】なんだけど、弄ぶの方が俺にしっくりくる。
もし、誰かが俺たちの感情をいじったのだとしたら、俺意外にも感情を操る能力を持っているってことだよな。一体誰だ?
「ほら、ぼーっとしてないで、帰るわよ?」
「あ!待って!」
今はいいか。いずれわかることだろう。