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勇者殺し  作者:
1/1

プロロ―グ

何か勇者でチ―トが多いので書いてみましたが…黒歴史決定作品候補ですね、これ

俺の名前はフィール・ラクリス、シルバニア王国軍では足に風の魔法を纏って国一番の速さと柔軟な剣さばきから「神速の鬼神」と呼ばれ、国の12人目の勇者の仲間になり、そして

俺たちはその勇者を殺した。


少し昔の話をしよう

この世界には東西南北に魔王の巣窟、中央には数多の人間や獣人が、一部では獣人を奴隷のように扱う国もあったが共存していた。

魔王は度々魔獣や精神を蝕む闇や霧で人間達を脅かした。

人間達もやられっぱなしでなく、大きい軍を養成し、勇猛な猛将や一騎当千の兵士に智謀に長けた軍師を輩出して時には一つの国で、時には大連合で数百年にわたり抵抗したが、強力な魔力を持つ4人の魔王にじりじりと押されていた。


しかしある魔術師の画期的発明の魔法陣で状況が変わった。

異世界から強力な力を持つ勇者召喚である。

勇者の大半は神の力で基礎が強く、魔王に対しても引けを取らない魔力を持ち、更に各国が保管する古代の英雄が操ったとされる強力な宝具に匹敵する武器[聖具と呼ぶ]自在に操れる程の人間が生まれことに世界は衝撃を受け、そして各国は競うようにして勇者を召喚した。

勇者の大半は現実を受け止め、特に正義感の強い勇者は軍を引っ張り、聖具で敵を圧倒して、これまでの大苦戦が嘘だったかのように、最強と称される北の魔王を除き消滅させ、北の魔王も勇者連合によって包囲されて消滅は時間の問題である。

そこで終わればハッピーエンドだ。

しかし現実はそうは行かない。


勇者召喚には大量の物質や金など貴重品と魔術師を必要として、莫大な資金を投じなければならない

それを国の威信にかけて大量に召喚した国があった。

シルバニア王国である。

彼の国は大国であったが、魔王の侵略も多く国力は低下の一方だった。

国際的発言権も失われつつあった王国を危惧した国王は、勇者召喚魔法を知るやすぐに実施して10人以上の勇者を召喚して世界に派遣した。

国王の目論見は成功して、南と西の魔王は王国の勇者の活躍で倒して各国から尊敬と共に国際的発言権は飛躍的に高まった。

しかし同時に起きた問題は金である。

先述したように勇者召喚には資金と大量の魔術師が必要で、さらに遠征や維持費などシルバニア含め各国はその金に苦慮した。

しかも既に魔王との戦いは人間の勝利が確定していて、勇者の存在意義すらも無くなってきた。

しかし勇者は召喚しても帰還は出来ず、強大な力は国が野放しにすれば脅威にしかならないので管理するしかない。

そんな時、シルバニアは悪の法を囁いて、それが満場一致で世界の法律になり、後に世紀の大悪法と称された法律。

「勇者特権法」


名の通り、勇者は村や街での違法な物を除いての現地調達を許可する。つまり略奪の許可を与え、更には勇者の横暴には目を瞑れ、大量虐殺や反乱以外は実質的には全ての罪の免除を許可したのである。

魔王を倒した勇者達は、そんな法律が出されても実際にはやらず、北の魔王に向かうか、自ら武器を置き、引退して仲良くなった村でのんびりしていた

しかし魔王を討伐せず、特権という甘い汁を啜る勇者も続出、世界各地で正義を謳い略奪が起きた


話は俺たちに戻る。

12人目、王国が最後に召喚した勇者はまさに後者の人間で、特権が出されると欲望に忠実に、修業の為に必要物質と正義を謳い村の民が大事にしている、食料や宝石に手を出し、ふらりと居なくなれば気のままに女性に手を出していた。

俺を含め、仲間の女性ながら精密で強力な弓射撃の出来る、フラン・レファ、攻撃と回復の女性魔術師のシミル、シミルを護衛する為に選抜された青年騎士ファルコ・ロウは、国からの厳命もあり必死に目をそむけたが、我慢の限界を越えていた。

そして遂に事件は起こる。

とある村で女性の形見の宝石を力ずくで奪った瞬間、俺はもう何も考えず、剣で奴の胸を貫いていた。鍛錬不足のおかげで防具も格段に防御力が落ちていたようだ。

勇者は勇者とも思えぬ罵詈雑言と妄言を残して死んだ。

勇者殺しは即処刑、理由に関わらず仲間達全員もだ。

俺は天涯孤独の人間だったからまだいいが、他の仲間には家族が居た。

しかし彼らは逞しかった、俺以外は全員国の運営に欠かせない名家出身なので簡単には家族に国の処罰は及ばない。

更にはあの勇者を殺してから決心したシミルが元から考えていた特権にしがみつく勇者を始末する旅が提案された。

一人ならいくら落ちぶれても強い勇者でも4人で攻めれば殺せる。

俺は決断した、この仲間達で世界に蔓延る勇者の駆逐を。

彼らが特権の正義を謳うならこちらにも無駄な略奪をする悪党討伐の正義を謳って勇者を殺す。

さあ始めよう、正義を語るもの同士の死のワルツを…


後に「勇者殺し」として恐れられる、「ユ―スティア遊撃隊」の結成の瞬間だった。


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