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プロローグ
「準備はいいか?」
「おう、まかせろ。」
「大丈夫よ。」
三人は、お互いの顔を見ながらうなずいた。
どう見ても、人待ち顔で、そのトンネルは地下に続いている。お宮のずっと上、大きな木に囲まれ誰にも気づかれず、だが誰かを待つように。
冒険心にあふれた小学5年生の三人は、ひそかにここに入ってみる計画を立てていた。
「まず、一等大事なのは、食料だろ?炭火焼鳥むすびは、外せない。それから、炭酸入りの飲み物。」食いしん坊の翔太が言う。
「絆創膏いるよね。包帯は?」看護師の母を持つ真奈は、まずけがの心配だ。
「まず、懐中電灯だろ?ランタン式のがいいかな?予備の電池、いるよな。」リーダー格の優太郎が実用的な発言をする。
三人は、興奮しながら会議を進めた。1週間、ワクワクしながら準備を進め、いよいよ明日の土曜日が決行日だ。興奮しながらも、それぞれのベットで眠りについた。