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8話 また、面倒な奴が増えた

「あら、そろそろ時間ね」


「ん?」


俺の部屋でワイワイ話していると美姫が立ち上がった。時計を見るともう18時近くと夜ご飯の時間に迫っていた。


「もうこんな時間なの……時間経つの早いね」


優樹菜も立ち上がる。


ようやく2人とも帰るのか。部屋にいて5時間近くいるなんて体力凄いな。後半はもう、だらけになりそうだったがスマホゲームばっかりしていた……いや、ある意味間違っていないな


「あたくし達はそろそろ帰りますわ。本当なら泊まりたかったのですが……残念です」


「なんで泊まりしたいとか言うんだよ!?」


いきなりとんでもないことを言うなお前!?


今日だけでも何回もトンデモ発言をしていたが慣れないな……って思ったが友達どころか初対面からまだ半日も経っていないんだった。今日の出来事が濃すぎて忘れていた。


「とっ泊まり!?私なんも準備……していない……」


「やらねえから。寝るとしても客室で寝ろ」


何誤解を受けたんだよお前。勝手に泊まらないでくれ。


「あら、貴方の部屋じゃなくて?」


「駄目に決まったんだろ」


何馬鹿なことを言ったんだ。男の部屋で寝んなよ


「では、帰りましょうか」


「ええ、そうしましょう」


「ああ、分かった。」


玄関まで歩いて外に出て2人と別れる


「また明日」


「ええ、次来た時はお泊まりの準備はしておくわ」


「やらんでいい。あと、泊まるな」


どんだけ俺の部屋で泊まりたいんだよ


「それではまた明日、今日はここまでにするわ」


「明日学校で会いましょう」


「ああ、また明日」


自分の部屋に戻る。


(扉が閉まり、静かな部屋)


「……なんだよ、騒がしかったけど。案外悪くなかったな」


_____


次の日


「ふわぁ〜……眠い……」


朝は眠いな。入学式から1日経っているからある程度マシになるのかと思って期待していたがそんなわけがなかったのがなんか悔しい


「あの2人が家の前にいるのかって警戒していたがそんなことはなかったな」


2人が待ち伏せするようなことはなかったな。優樹菜はないと思うが美姫はやってもおかしくない性格をしているからな


居なかった方がびっくりするか


「まあ、1人で歩くのも悪くないな」


1人で歩いていると誰から声をかけれる


「あっ正香ちゃん」


ゲッ、その声は……


「…優樹菜」


長い黒髪にモデル並みのスタイルの美女ー芽衣奈がいた。まさか優樹菜がここにいるとは思わなかった。


「何故ここに……?家の方角同じだったのか?」


「うっうん……多分、そうみたいだね」


マジか


「もしかして俺の家から近い?」


「うっうん……正香ちゃんの家から10分くらいに私の家があるの」


うん、マジか。予想以上に近かったわ


「そうか……なら、一緒に行くか?」


「そうね、そうしましょう」


1人で登校する予定だったがまさか2人で行くことになるとはな。これは驚きだわ


「優樹菜の家は俺の家から少し遠いところってことは親がどこかの社長とか?」


俺の親みたいに親が社長だったりするのだろうか?


「ううん、普通のサラリーマンだよ。両親とも共働きで……ちょっと規模が大きい会社に勤めているの」


「へえ〜そうなんだ」


普通のサラリーマンって言っているがこの近くの土地の価格高いぞ。一軒家なら優樹菜の親はそれなりの立場の高い職に勤めているかもしれない


「家は一軒家?」


「うん、そうだよ」


「その時点で普通じゃない」


普通のサラリーマンはマンションとか住んでいるだろ。一軒家を建てるほどの収入のあるのは凄いぞ


「え?そうなの?」


「この地域は一軒家が多いがほとんどは富裕層だぞ……だから、九条学園の学生のほとんどは寮生活か遠くからの電車とか自転車で登校しているんだ」


歩いて1時間以内で着く学生はマンションの人もあるがほとんどは一軒家ばかりだからマンションの人は少ない


「へえ〜知らなかった……」


「その時点でお嬢様だよ」


優樹菜は一般人枠かと勝手に思っていたが違ったな。まあ、あの美姫と初日であんなに話せるのだから普通じゃないとは思っていたがここまでとは……


_____


しばらくして後数分もしない内に学園に着くくらいの距離まで歩いてきた


「あと、もう少しか」


歩いていると何か騒がしい


「アレ?何してんの〜」


『ん?』


前にいた金髪の女性ーいや、ギャルが俺達を見ていた。なんでギャルが俺らを見るんだよ。


「何か用か?」


「うわ〜男勝りの口調〜女の子らしい口調にしないと駄目だよ〜」


女の子らしい口調?馬鹿め


「俺は男だ」


「……え?は?マジ?」


「だから、男口調でも問題はない」


「そっそんな高い声で?男?」


動揺しているな。服装で男だと示すことができないから仕方ないが初対面の度にこんなことをしないといけないってのは面倒だ


「俺が男であることにお前が文句言える立場か?服装からして同じ九条学園の生徒のようだが……知らない顔だな。優樹菜は知っているか?そこの女について」


「ううん。知らない」


首を振っているから間違いないんだろう。誰なのか分からないが先輩か他のクラスの生徒かどちらかだろうな


「知らない!?あたしのこと知らないの!?由崎薫だよ!同じクラスの!」


同じクラスだと?1年4組にギャルなんていた……記憶していないだけでいたかもしれないが記憶にない。ギャルなんてたくさんいるだろうし、分からん


「…知っているか?」


「うん……知らないね」


優樹菜も知らないか。ここまで言われたら何か思い出していると期待していたがまあ、入学してまだ1日しか経っていないから無理もないか。


「悪いが知らん。入学してまだ1日しか経っていないからな」


「あ〜なるほど!理解した!あたしが話しかけないと覚えていないってことね!」


「……まあ、そうだな」


元気な奴だな。面倒な奴に会ってしまったが美姫よりマシか


「……にしても、元気な子だね」


「お前が言うな」


優樹菜が苦笑いを浮かべている。


なんだかんだ言って、また賑やかになりそうな予感しかしない。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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感想も大歓迎です! いただいた声が今後の創作の力になります。


次回も楽しんでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!


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