2話 癖の強いお嬢様とは違うクラスだと祈る
変なお嬢様と遭遇したせいで予定より遅く、クラス発表される場に着いた。
「あんたと違うクラスかもな」
癖の強いお嬢様とは違うクラスだと祈る。同じクラスだったら1年間今のような感じで話し相手にならないといけないのは苦痛だ。下手したら罰ゲーム決行で女装されるという未来が現実に近づいてしまう。
「あら、悲しいことを言うわね。折角出来たばかりの友達にそんなことを言うなんてなんて無慈悲な人。そんなことを言うならお父様に言っておいて同じクラスにしてもらおうかしら」
「権力濫用じゃねえか。逆にそんなことできるのか?」
「できるわよ。あたくしはこの学園を管理している一族の娘よ?出来ないことなんてないわ」
「説得力高すぎるわ……」
説得力が高くて反論できんわ。できると言うことは俺はこの女と一緒のクラスになることはほぼ確定していると言うこと。逃げることができない
……アレ?詰んでね?
「逃げることのできないデス・ゲームか」
「誰が鬼よ。あたくしはそこまでひどく扱われるような人じゃないわ。九条家をなんだと思っているのかしら?」
「お前に言っているんだよ」
誰が九条家やべえなんて言ったんだよ
「さて、そろそろ発表だね。1年よろしくね」
「まだ、発表されてないぞ……」
早すぎるだろ
「どうなるかな」
1年1組から始まるクラス発表。1年1組を見たが俺の名前はない。九条の名前もない。
1年2組……もない。俺も九条も
「2組でもないわね」
「なら、3組か?」
3組に名前がある見たが名前はない。3組までもないのか。
なら、4組か?と見ると
荒夢正香
五十嵐真由
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4組の1番上に俺の名前があった。出席番号1番か。"あ"から始まるから1番でも不思議でもないな
「あ、あたくしの名前もあるわね」
「……は?」
んなわけ……
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九条美姫
倉橋東
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マジか
「あたくしの予言は当たりましたね」
「……マジか」
これから1年、こいつと過ごさないといけないのか?まさか、ないと思っていたことがフラグなんて……
「権力を使うまでもないことだったわね」
「それが普通なんだが……」
こいつにとって普通じゃないんだろうな……今までどれくらい権力濫用したんだんだ?
「新しいクラスが変わったところでこれから1年間よろしくね荒夢正香ちゃん」
「誰がちゃん付けしろと言った……はあ〜……こちらこそ、よろしく。お嬢さん」
握手してそのまま、1年4組の教室へ向かい歩き始めた。
______
1年4組
「ここか」
1年4組の教室に入ると俺達以外誰も居なかった
「早すぎたのか?」
そんなことはないと思うが……
「早いもん勝ちね」
「競う意味あるか?」
ないだろ、こんなことに競う意味があるのか?
「あたくし達の先は少し離れているわね」
「俺の右後ろだろ」
俺は窓側の1番前で九条は窓側から2番目で前から2番目。俺から斜め後ろと言えば分かるか
「外にはそれなり人が多かったから先に数人程度人がいると思ったんだが……」
いないことは驚いた。校門近くに結構新入生がいたからすでに先客がいると思ったがいないのは予想外だな。
「ほとんどが無能力者だったからよ。無能力者は能力者と同じクラスになることはないもの」
なるほどね、そう言うことか
「俺らが能力者だから能力者の教室ってことか」
この世界には能力者という存在がいる。
______
能力者が存在するようになったのは100年以上前の昔に遡る。
約100年前――
世界は“それ”と出会った。
突如として現れた謎の現象により、人々は「能力」と呼ばれる特別な力を手に入れ始めた。
炎を操る者、物を浮かせる者、肉体を強化する者……それはまるで“超常”の力だった。
それ以来、能力を持つ者は「能力者」、持たぬ者は「無能力者」と呼ばれ、社会は二分されていく。
現在、能力者と無能力者の比率はおおよそ5:5。
だがその力の差は圧倒的で、身体能力においても能力者は無能力者の2倍以上の力を有している。
無能力者が、能力者に勝つことは不可能に等しい――
そう言われていた。
能力者と無能力者の比率。
現在の世界人口のうち、およそ50%が能力者
残る50%は能力を持たない無能力者
となっている
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「能力者が少ないとは思えないんだが……」
世界人口の50%いるなら数人ほど先客がいてもおかしくないが……
「まだ、着席時刻の30分前よ。いなくても分かるでしょう?」
まだ、そんなに時間が残っていたのかよ
「そりゃ、いないわな」
居ない理由が分かるわ
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あれから30分。
クラスメイトらしき生徒達計30人集まった。
「ようやく、集まったか」
俺より背の高い女性の先生が来た。俺の10センチ以上あるだろう高身長の先生は俺達を見る。
「では、これから1年間やっていく仲間達の紹介をしてこの学校の説明をしようか」
その女教師は、どこか愉しげに笑って言った。
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