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いきなり革命のスレッドでアランと俳句作り

 ハーラヌアマ王国の王女が貿易会社へ情報開示を請求したらしい。

「この騒ぎに注目していて、早足の馬は準備していたからな」

 アランがSNSの真似事はしていると話す。

「SNSがもっと広がると良いね。珍しい写真も送ってよ」

「花を写すのは、風もあるし難しいがな。挑戦はしている」

 日光写真だから、動くのはうまく写らない。

「ジュゲムさんの俳句があったでー」

 サユリーが立ちあがり、スレ板を探しに行く。気を利かしたつもりだろう。

「今回は言葉遊びみたい。えっと、なんだっけ。しゅんらいとか。春が来たって意味かしら」

「時期は遅いが。しゅんらい。雷かな、春の」

 詩で使われる言葉は知っているようだ。さすが吟遊詩人。

「コメントも付いとるでー」

 スレ板を受け取り読むアラン。

「しゅんらい、は漢字がいいのだがな。春が来たと誤解されるし」

(うわっ。言われちゃった)

「普通、そうでしょ」

「だから。わざわざひらがなにしたのは理由がある。コメントを読むと。ううん」

 唸って黙るアラン。

「あの何か。言葉遊びでしょ」

「たぶんな。漢字だけを読むと気づかないか」

「あま、げ。違うか。てんか。王様が支配する世の中でしょ」

 将来の女王としての教養だ。

「それの下句が。変だ」

「変わるいろ。けしき変わる。そういうのが多いよね。漢字だけで考えるとさ。天下変。確かにおかしくなってるけど」

「そこでボケるんかー」

 サユリー噴き出して笑うが真面目な表情になった。

「天下を変えるやでー。本気で革命やなー」

「あのジュゲムさんが。過激だね」

(ナデシコがなんとか、と俳句を作るのに。野心家だね。でも、ちょっと)

 この王家をどうにかしたい気持ちは通じている。

(ナデシコも私のことを詠んでる気がするし)

「ジュゲムさんは、私の中のもう一人の私かしら」

 ケリーヌも神話時代のファンタジーを読んではいた。

「なにかが動きはるのは確かやでー。かといってなー。国内で争うのは嫌やでー」

 それにアランが、何か考えていたようで、膝を打つ。

「待つように、俳句で返信したほうがいい。考えてあるから」

「俳句を作れるの。ま、吟遊詩人だからね」

(ちゃんと作れるんだよ。ちょっと楽しみだね)

「質問状も必要だろ。クレヨンを準備して」

 それで、座敷へ上がり準備する。スレやコメントが多くて、若い令息たちは忙しいようだ。サユリーも、これはおもろいでー、と紙をより分けている。

「まずはさ。王様へ謝罪と懺悔をしてもらい、聖女様の裁きに従って貰います」

 聖女は権威がある。しかし、武力は持たない。神話時代のシュウキョウが強くなりすぎても困るのと同じ理由だろう。

「まえの戦争は聖女様たちの言葉を無視して始まったらしいからな。非常事態とやらは言い訳になる」

 アランも、王様が聖女を無視しないか気がかりらしい。だから、最初に庶民の前で約束して欲しいのだ。

「これは、聖女様へお願いになるけど。王女様を王城へ戻すこと。革命を収められるのは王女様しかしないからね」

「それで、王子様もお終いになるかな」

「あの隠し子騒ぎよ。たぶん流産と思う」

(あのやり方は、間違いないし。庶民の前で話せば、新しい情報もはいるかもね)

「そうだな。流産は思い浮かばなかった。有りえる」

 質問状の内容は出来上がった。あとはジュゲムへの返歌だ。

「最初は。時を待て。漢字でいいから」

「直接だね。詩的じゃないけど。ま、いいか」

(アランさんも、考えてくれてるし。なんか、一緒に作ってる感じ)

 悪い気はしないケリーヌ。

「ナデシコ今ぞ。今、は漢字でな」

「ジュゲムさんが使う言葉だね。俳句らしくなるかな」

「そこで、言葉遊びだ。下句を考えてごらん」

「ええっ。えーと。難しいね」

(アランさんが、すぐに作れなったのも分かる気がしたよ)

「時を待て、ナデシコ今ぞ。さてどうする。素直にな」

 アランの誘導で、5文字を考えた。

「立ちあがる」

「素晴らしい。立つ、は漢字でな。かおり立つ」

「あらま。そうなるの。さすが吟遊詩人だね」

「ジュゲムさんには通じると思うよ。時を待てば、ケリーヌさんが行動を起こすことが」

(俳句とかも面白いよね。アランさんは和歌とかも作れるのかしら)

 ちょっと手習いをして、コジュトーナも驚かせたい。なにより、アランとの言葉遊びが気に入った。

「私もさ。詩とか習いたいね、教えてよ」

(お願いして良いのかな。いいよね。仕事ばかり考えないでって言ってたし)

「そうだな。ん、なんだ」

 アランが外を見る。ファミリーレストランの入り口で騒ぎが起こり始めたらしい。

「騒げば、あいつの思うつぼだよ」

 急いで外へ出る。アランも後を追う。サユリーがいち早く、市民馬車の停まる場所へ駆けつけていた。


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