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没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!  作者: 武蔵野純平
第五章 領地の拡大

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第90話 間話 ダークエルフの恩返し(後編)

 宰相の屋敷内外を探るダークエルフたち。

 ノエル・エトワールを暗殺しようとした陰気な男を捜したが、なかなか見つからなかった。

 宰相に怪しい動きはない。


 そこで、ダークエルフたちは、執事をマークした。


 宰相の屋敷ではメイドに扮したエクレールと若いダークエルフの男女が執事の動向を監視し、屋敷の外では中年のダークエルフたち三人が執事の尾行についた。


 ――二週間後。


 執事が夜一人で出掛けた。


(クサイな……)


 ダークエルフのエクレールは、執事の行動に怪しさを感じた。


 執事は常に宰相のそばにいて、宰相をサポートしている。

 宰相が貴族の夜会に出席するならいざ知らず、遅い時間に外出するのは珍しい。

 それも執事の単独行動だ。


 ダークエルフのエクレールは、闇魔法で人族の若い男に化けて執事の後を追った。


 屋敷の外に出ると、すぐに中年のダークエルフが合流した。

 中年のダークエルフは、人族の商人に化けている。


 人族の商人に化けた中年のダークエルフは、素知らぬ顔でダークエルフのエクレールが化けた人族の冒険者に近づく。

 そして、歩きながら指でサインを送った。


(どうした?)


(怪しい)


(了解した)


 二人は指先のサインで意思を通じ尾行を続けた。


 執事は酒場に入った。

 二人もあとに続く。


 酒場は庶民的な店で、とても賑やかだ。

 冒険者や商人など平民中心の店で、エールのジョッキや大皿料理を持った店員が忙しく働いていた。


 商人は一人でテーブル席についた。


 エクレールと中年のダークエルフは、少し離れた席に陣取る。

 二人とも人族に化けているので、酒場に溶け込んでいた。


 執事がエールを一杯飲み干した辺りで、執事のテーブルに一人の男が近づいた。

 エクレールの目が大きく見開かれ、背中に電気が走る。


(アイツだ!)


 執事のテーブルに近づいた男は、エクレールに暗殺を依頼した陰気な男だった。


 エクレールが立ち上がろうと腰を浮かせた。

 中年のダークエルフが、エクレールの手を抑え小声で問う。


「落ち着け。どうした?」


「あの男だ!」


「何!? ヤツか!?」


「そうだ! 間違いない!」


 中年のダークエルフは、店員に料理を注文しながら、執事のテーブルを観察した。


(陰気な雰囲気の男……。あの男が我が主ノエル・エトワールに害をなす男か……!)


 中年のダークエルフは一瞬殺気をみなぎらせるが、すぐに呼吸を落ち着け殺気を内に押さえ込む。


「仲間を集める……」


 中年のダークエルフが店を出た。

 エクレールは、人族の男に化けたまま執事と陰気な男の見張りを続けた。


 エクレールは、一連の出来事を思い出していた。


 陰気な男が暗殺を依頼したことは仕方がない。

 政治的な理由から邪魔者を消す。

 王都であれば、そういうこともあるだろうと、エクレールは考えた。


 結果的にエクレールは、ノエル・エトワールという良い主を持つことが出来たので、陰気な男が暗殺を依頼したことについて怒ってはいない。


 エクレールが許せないのは、陰気な男が、嘘をつき、妹ショコラの命を危険にさらしたことだ。


 陰気な男は、妹ショコラの病気を治せる高級薬エリクサーがあると嘘をついた。

 エクレールの弱みにつけ込んだ。


 幸い、ノエル・エトワールがエリクサーを提供してくれたので、妹ショコラは一命を取り止めた。

 だが、一歩間違えれば、エクレールの最愛の妹ショコラは病に侵され命を失っていたのだ。


 ――今すぐにでも斬りかかりたい。


 エクレールは、自分の気持ちをグッと抑えた。


 執事と陰気な男は、ボソボソと何事か相談をしている。

 二人はロクに酒を飲まず、料理にも手をつけず、ニコリとも笑わない。

 およそ酒席とは、かけ離れた雰囲気である。


(どうせ、悪巧みをしているのだろう……)


 エクレールは、エールを口にしながら内心で悪態をついた。


 人族の商人に扮した中年のダークエルフが戻ってきた。

 小声でエクレールに告げる。


「仲間を集めて来た。二人が外に出たらやるぞ!」


 エクレールは、ジョッキのエールを飲み干し野獣のように笑った。

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