荒神 アラガミ
月夜 慧子視点
暗い山道を進み続けて数分・・・・既に廃墟になった民家を発見。火事にでもあったのかな?焼け焦げた跡がある。その先へ行くと・・・・広々とした場所に出た。荒れた田んぼ、廃れた民家、土砂も崩れていて酷い光景ね・・・
「こ、ここが・・・雲影村・・・ですか?」
「多分ね・・・」
そう信じるしかない・・・・さて、神社はどこだ?人柱神社って名前だったっけ?そこに荒神がいるはず・・・
「さてはて・・・神社はどこか・・・」
『探ス必要ハ無イ・・・・・待ッテイタゾ』
後ろから声が聞こえ、振り返った瞬間・・・別の場所へ移動した。まるで瞬間移動みたいに・・・何ここ!?
「え?あれ!?泉君!?姉さん!?・・・どこよここ・・・?」
辺りにライトを当てると、半分に崩れた鳥居・・・荒れた廃墟・・・そして石で出来た祭壇・・・ここってまさか・・・まさか!
『その通りだ・・・・ここは君の家、そしてここで悲劇が起こった地だ』
四方から火の玉が現れ、ライトがいらないほど明るくなった。そして祭壇に座っていたのは・・・・・・私・・・・子供の頃の私・・・だけどあれが自分でない事は分かってる。あれはまさしく・・・
『こうして会えたのは、いつ振りかな?今村 郁子よ・・・・それとも月夜 慧子と呼べばいいか?』
「荒神・・・・」
多分あれは仮の姿でしょうね・・・本当の姿はあんなんじゃない・・・けど、ようやく会えた。ずっと会いたかった荒神に・・・
『このような姿で悪いな・・・だが私の姿は人が羨むほどの姿ではない。仕方なく君の姿に変えた。君の・・・今村 郁子の姿に・・・』
「・・・・・・そんなのどっちでもいいわよ。兎であれ何であれ、あなたは荒神でしょ・・・会えて光栄だわ・・・」
今にも抱きつきたい気持ちでいっぱいだ・・・そう近づいた瞬間、荒神の左腕が灰となった!まさか寿命が・・・!?
『見ての通り・・・私の命はあと僅かだ。だからこそ話さなければならない。私達兄弟の事を・・・そしてこれからやらなければならない使命を・・・』
今にも死にそうな目で見つめられると、逆に悲しくなるわ・・・このまま消えてしまう運命なのか?私は・・・どうすれば・・・
ーー泉 幸多視点ーー
後ろから声が聞こえた瞬間、慧子さんが消えた!?あの一瞬でどこへ行ったんだ?とにかく探さないと・・・!
「慧子さん!!ハァ・・・慧子さんどこですか!?慧子さん!」
「慧子ぉ!!慧子どこよぉ!?慧子ぉぉぉ!!!・・・・・ん?」
その時、貴子さんが上を見上げて何かを発見した。指差した方向を見ると、山の上が不自然に明るい・・・火事か?いや、違うなぁ・・・何だろう?
「まさか・・・あそこ慧子がいぃんじゃなぁの!?」
「あそこに?・・・・・多分そうかもしれません!行きましょう!!」
とはいえ暗い夜の道・・・慎重に行かなければ・・・早歩きで山の方へ向かうと、鳥居が見えて来た。石碑に人柱神社とある・・・あの手紙に書いてあった神社だ!
「人柱神社・・・もしかしてこの上に慧子さんが!貴子さん行きましょう!」
「うわぁもう・・・本殿が高ぇとこにあぁじゃなぇのよ!あぁクソッ!待ぁてろよ慧子ぉ!!!」
暗くて危険だけど、あそこに慧子さんがいるかもしれない・・・僕達はその望みに賭け、荒れ果てた参道を通り、長く険しい石段を上って山頂を目指した。
読んでいただきありがとうございました!
第2部は・・・・荒れるぞ・・・
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