約束 ヤクソク
月夜 慧子視点
夕陽がゆっくりと沈んでいく中、私はママといろんな事を話した。私は月夜家の事とか、大学生活の思い出や、幽霊屋の事を話し・・・ママはパパとの恋物語とか、バカ殿好きとか・・・小さい頃の私がどんな子だったか教えてくれた。
『夏にも冬にも負けないやんちゃ坊主で大変だったわ。危ないとこも平気で行っちゃって好奇心旺盛でさぁ・・・荒神も言ってたなぁ『あの子に憑いたら、間違いなく私が苦労するだろう』って・・・』
「フフッ・・・そりゃ悪かったわね・・・」
本当の親子同士・・・気持ちいい風が吹いた海のど真ん中で、消えていくローソクの火を眺めながら、楽しい会話が順風満帆に進んでいく・・・幸せだ・・・・これがずっと続いてくれたらと思えるぐらい・・・
だけど・・・時間が来てしまった。
『もうすぐ沈むわね。気付けばあっという間・・・郁子もそう思うでしょ?』
「ええ・・・最後に歌でも歌う?」
『それはダメ!新一さんがいないわ。家族揃って歌うのが決まりよ?忘れたの?』
そうだっけ?全く覚えてないわ・・・・パパか・・・本当に島にいるのかな?正直本当にいるのかどうか怪しいけど・・・
『そんな不安そうな顔しなくても大丈夫!新一さんはあの島にいるわ!ずっとあなたを待ってるんだもの!だけど荒神はそうは言えない・・・・・もう時間が無い』
「荒神が?」
『彼はもうすぐ消える・・・寿命が来てるのよ。あの日以来、何も口にしてないから・・・』
口にしてない?寿命?どういう事かと聞くと、神憑きは万能の力を得るが、その力を維持する為に、年に一回以上は人間を餌として与えなければならないらしい。そうしなければ神は消滅し、せっかく手にした力も失ってしまうそうだ。
それを聞いて、覚ちゃんの謎がようやく分かった!あの猿は神憑きの儀式で作られた神で、猿の力を維持する為に、偽物の蘭奢待を使って代表者を・・・そういう事だったのね・・・
『私は、小さい頃から荒神の贄を何度も見て来た。人がバラバラに喰い散らかされて・・・・病気の赤ん坊ですら喰らって・・・死にたい気分になる。あんな光景、あなたに見せたくない!だから荒神に頼んで・・・頼んで・・・』
確かに、鹿村代表の万代さんが猿に喰われてる光景なんて、まさに吐きそうなぐらいヤバかった。ママも覚ちゃんも、その光景を小さい時からずっと見ていた・・・そりゃあ死にたくもなるわ・・・
『彼は私達を命を喰らって、しばらくの間は生き長らえたけど、それももう限界に来ている・・・だからお願い郁子!村に行って!あの神社に・・・私達の家に!』
「村にってまさか・・・そこに荒神がいるの!?」
『ええ、最期なんだからちゃんとお礼言いなさいよ?あなたをずっと守ってくれたんだから!いい?ママと約束して!』
守ってくれたか・・・・・・思えば絵獣の時も、覚ちゃんとの対決も・・・いや、荒神はずっと守ってくれてたんだ。私が小さい頃からずっと・・・ずっとずっと!こう言うの守護神って言うのかしらね?
会いたい・・・会って「今までありがとう」って言いたい・・・土下座でもなんでもするから、とにかく会いたい!その想いがどんどん強くなっていく・・・・私はママに約束した。必ず荒神に会って、感謝の言葉を伝えるって・・・
「・・・・・・・・・・・あっ・・・・」
夕陽が・・・・沈んだ。僅かに残る日の光が、徐々に闇へと染まっていく・・・・・もう・・・時間切れ・・・
『終わりね・・・これで全部・・・楽しかったわ郁子・・・ありがと・・・』
「・・・・ママ、最後に一つ聞いていい?私・・・生まれて来てよかったのかな?生まれてなかったら、ママは・・・!」
『何言ってんの・・・・・生まれて来てくれてありがとうよ馬鹿野郎ぉ!!』
「マ、ママ・・・・」
『フッ・・・・・・・・じゃあね・・・・・・郁子・・・・』
日が完全に沈み、世界は真っ暗闇となった瞬間、突然大波がやって来て、私達を飲み込んだ。手と手が触れ合えず、どんどんママから離れていく・・・・ママ・・・ママ・・・ママ・・・・・
・・・・・・・・・目を開けると、そこは私の部屋だった。もう朝だ・・・あれは夢だったのか?・・・・いや違う。あれは間違いなく現実だった。間違いなくママだった!
「ふ~~~・・・・・よし!!!」
私は首飾りを着けて・・・考えるのやめる事にした。そんなの行ってからすればいい・・・もう覚悟は出来た・・・
行こう!!!隠岐の島へ・・・!!!!
読んでいただきありがとうございました!
バトルドームを初めてやったけど案外おもろいやん!超エキサイティン!!
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