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幽霊屋   作者: ダストン
第十七章  妖怪東王
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失望  シツボウ

月夜 慧子視点

『お前が欲しい真実は・・・・余が言わずとも・・・もうすぐ終わる!』


それを聞いて・・・一体どういう意味かと思う反面、私の心にある期待が失望へと変わっていった。どうして?どうしてそんな事を言うの?


『川は流れ続け、最後は溜まり場にたどり着く・・・それと同じだ。もうすぐお前の過去は白日(はくじつ)(もと)(さら)される。何も・・・問題はない。それまで平凡に時を過ごせばよいのだ』


「ちょっと待って・・・それってどういう意味?どういう意味よ!?」





『フフフフフフフ・・・・・怒りを(つの)らせておるのか?自分の過去など、所詮過ぎ去った嵐の(ごと)く。ただ受け入れ、()()()()()()()()()()・・・・・・今村(いまむら) 郁子(いくこ)よ』





「い・・・・・・・・今村・・・・・郁子(いくこ)?・・・ウッ!!」


その名前・・・どこかで聞いた名前・・・・誰だっけ?誰だっけ・・・そう思った瞬間、突然、頭が痺れるように激痛が走った。女性の声が・・・男の声が・・・・()()()()()()()()()()()・・・(なん)なの・・・これは・・・


「慧子!どうした!?」


箱を持っていられないほど、頭がズキズキして痛い。両手で頭を押さえても、激痛が増すだけ・・・そんな中、一人の女性が浮かび上がった。巫女さんのような服装で・・・首飾り・・・勾玉(まがたま)だ・・・紫色に輝いた勾玉の首飾りが・・・


「慧子!」


「ハッ!・・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・い、今のは・・・」


雪江さんの言葉で気付いた。まだ頭がズキズキする・・・・痛い・・・あの女性は一体誰?誰なの?もう分からない・・・頭がくらくらする・・・


『過去はそれで十分(じゅうぶん)。だが未来はどうなるやら・・・これが難しい。余の(ちから)(もっ)てしても、結果は見通せぬ』


「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・え?・・・」




『この先・・・お前が最も信頼する少年は、選択を迫られよう。全てを受け継ぎし修羅(しゅら)となるか・・・(かみ)を捨て人間となるか・・・・どちらも辛い選択だ。さすればお前は、その少年の為に何が出来る?何を信じる?何を犠牲にする・・・?』




何言ってんの?言ってる意味が理解出来ない・・・選択?修羅?神を捨てる?それに少年って・・・まさか・・・・・・・泉君?


『フフ・・・まぁよい。その時はその時だ。さて・・・この椀を余に献上した褒美(ほうび)だが・・・()()()()()()()()()()()()教えてやろう。お前の師、千鶴子の事だ』


師匠の?確かに聞きたい事ではあったけど・・・ってかまだ話は終わってないんだけどぉ!!変えるなってのぉ・・・


『かれこれ40年以上も前・・・(きょう)で評判の良い霊師(れいし)がいると聞いて、余は庭園に招いた。当時、千鶴子はまだ若く血気盛んで、愛しい(信彦)との夫婦の(ちぎ)りを()わし、子種(こだね)も宿していた・・・千鶴子にとっては、この上ない幸せであろう』


「・・・・・・・・」




『だが余は予言した!『お前は子など産めぬ!どれだけ(はら)もうと子に死は(まぬが)れぬ』となぁ!!カッカッカッカッカッカッ!(のち)にその通りになったであろう?んん~?カッカッカッカッカッカッ!!!』




師匠は私に・・・・『夫に恵まれても子には恵まれず、二度も流産(りゅうざん)した』と、自分の余命が分かった時にそう言った・・・・・それを思い出してようやく分かった。なぜ師匠がそれ以上の事を言わなかったのかを・・・


そりゃ誰にも言いたくないわ・・・・・私でもそうする。頭痛よりも怒りが増して来る・・・このクソババア・・・人をバカにしやがって!!


「この・・・このクソ野郎!!!!」


「ま、待て慧子!やめろ!」


もう王様だろうが(なん)だろうが関係ない!!雪江さんが止めても、私はコイツをぶん殴る!いやもう殺してやる!!そうしないと気が済まない!!!


『カッカッカッカッ!そうだ・・・その目だ。かつての千鶴子も同じだった。余を殺そうと怒り、殺気立っておったなぁ!カッカッカッカッカッ・・・・!!!』



雪江さんの制止を振り切って殴ろうとしたが、王は煙のように消え、私はプールに落ちた・・・そんなに深くないけど・・・


「・・・プハッ!ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・おい!!このクソババア!逃げんのかゴラァ!?」



『カッカッカッカッカッカッカッ・・・・そうだ。それでよい!その活気があれば(いつわ)りの神に勝てようぞ!よいか?大事なのは過去でなく未来であり結果だ。お前がどんな未来を掴むのか楽しみだなぁ!カッカッカッカッカッ!!』



「慧子・・・・・」




「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・クソッ!!!!!!!!」



高笑いした後、王は去って行った・・・何もかも静かになったけど、私の心は怒りと失望でいっぱい・・・イライラが止まらない・・・・・ごめん、師匠・・・

読んでいただきありがとうございました!


心が寒い・・・


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