表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊屋   作者: ダストン
第十七章  妖怪東王
84/331

総司  リーダー

月夜 慧子視点

雪江さんには秘密ある、それは未亡人(みぼうじん)であるという事だ。知ってるのは私を含めて一部の者だけ・・・昔、雪江さんは一人の人間の男を愛した。だけど病弱で余命幾ばくもない・・・それでも心の底から愛し、夫婦として(ちぎ)りを結び夫の最期を看取った。


未亡人になっても・・・・雪江さんはその人を今も想い続けている。それは逆に、言ってはならない禁句(きんく)。もしそれを言ってしまったら、()()()()()()()()()ってぐらい怒るからだ。


(なん)ぞ?怒っておるのか?(わらわ)其方(そち)の過去を(ののし)ったとでも?」


「ちょっ、ちょっと雪江さん!落ち着いて・・・冷たぁ!」


触ろうとしたら(こご)えるぐらい冷たい・・・おいおい、これはヤバいわ。下手したらこの屋敷をぶっ壊しかねない・・・マズイマズイ・・・


「フッ・・・冷たき女よ・・・(わらわ)干戈(かんか)(まじ)えるか?そうなれば、中立者としての立場が(あや)うくなるぞ?東王(とうおう)の重臣を(なん)の罪無く、感情だけで(あや)めるなどと・・・・分かっておるのか?」


「や、やめて雪江さん!」


あぁもうヤバい・・・・このまま九尾を()ってしまったら、雪江さんは責任として重罪人になってしまう!最悪処刑されて・・・それだけは絶対・・・!




小泉(こいずみ)様・・・・長らくお待たせ致しました」




一触即発の状態の中、ようやく天狗が帰って来た!!でもこの状態をどうやって?手遅れにもほどがある・・・


「小泉様、東王様(とうおうさま)がお待ちです。ご案内致します。それと・・・・()() ()()()()、あなたも・・・」


どうして私の名前を?まだ言ってもいないのに・・・・もしかして王が言ったの?全てを見通す(ちから)を持ってるから・・・それを聞いて雪江さんはグッと怒りを抑えたが、九尾は納得していなかった。


「おい、使いよ・・・王がそうおっしゃったのか?」


「はい、こうも言っておられました。「邪魔立てせず(とお)せ九尾」っと・・・」


「ハッ!ハッハッハッ・・・されど納得出来ぬなぁ!いかに東王の命令(めい)であられても、其方(そち)の振る舞いは目に余る行為!その罪は断じて捨て置けぬ!」


自分から喧嘩売っといて何言ってんのコイツ・・・・・私も腹が立って来た。その腐ったニヤケ(づら)、雪江さんの代わりにぶん殴ってやりたい!マジでムカつく!!



その時・・・・






「ならば私が責任(ケジメ)を取りましょう母上(ははうえ)!!!」






屋敷入口から青い着物を着た若い女性がやって来た。白い六本の()がある・・・・まさか!


「母上・・・理由はどうあれ、雪江がした事は侮辱(ぶじょく)(きわ)み。なれどその責任は上司である私が取ります」


六尾(むび)・・・お前・・・!」


「どうぞ!()るなり焼くなり(なん)なりと・・・それで雪江の罪が許されるならば本望(ほんもう)です!どうか・・・」


やっぱりこの人が九尾の娘、六尾・・・王の忠臣(ちゅうしん)。中立者の総司令官(リーダー)。姿を見たのは初めてだわ・・・彼女は母親である九尾に頭を下げ、全員が沈黙する中・・・・九尾が笑った。


「ハッ!ハッハッハッ・・・・ハッハッハッハッハッ!聞いたか雪江よ?我が聡明そうめいたる娘が許しを()うたぞ!煮るなり焼くなりとなぁ!ハッハッハッハッ!!!」


「「「「・・・・・・・」」」」


「フッ・・・よかろう。雪江、この罪は我が娘に免じて不問(ふもん)とする。だが次は無いと思え?六尾よ、(わらわ)は先に栃木(しもつけ)帰郷(ききょう)する。お前も早く帰って来るのだぞ?」


「・・・・・・・・はい、感謝します母上」


そう言って九尾は高らかに笑いながら去って行った。バクバクと心臓が止まらない・・・溜め息しか出ない・・・いろんな意味で怖すぎてしんどいわ・・・





ひとまず落ち着く為に私達はラウンジにあるソファーに座り、雪江さんが()ねている間、私と六尾さんとで自己紹介し合った。流石は中立者のトップ。人間に対して礼節をわきまえてる・・・母親(九尾)とはえらい違いね。


「先程は大変失礼しました。なんとお見苦しいや・・・・お恥ずかしい限りです。母に代わり、お詫び申し上げます」


「全くだな・・・傲慢(ごうまん)女狐(めぎつね)め・・・相も変わらず腹が立つ!」


「・・・・どうして雪江さんに喧嘩売るような真似を?」


「母は・・・我が組織を潰す大義名分(たいぎめいぶん)を得ようと狙ったのです。好戦的な性格(ゆえ)、組織を誰よりも嫌ってますからね・・・だからあのような真似を・・・」



中立者を潰す為に雪江さんを怒らせるなんて・・・・とんだ悪党だわ。もし組織が無くなったら、妖怪と人間との全面戦争は避けられない。日本がヤバい事になるでしょうね・・・


「とはいえ母は白麟様(はくりんさま)の重臣。権力が強く、私でも止めるのは難しい・・・(なん)とかしたいとは思ってるんだが、こちらも大義名分が無い以上、動く事は出来ん」


「フンッ・・・詭弁(きべん)だな・・・もういい行くぞ慧子!六尾!お前が案内しろ!」


だいぶイラついてる。まぁ雪江さんには屈辱だもんねぇ・・・私と六尾さんは溜め息を吐いた後、王の元へ歩きながら、孤集について経緯を説明した。ともあれよかった・・・ようやく王に会えるわ。

読んでいただきありがとうございました!


次回、王様登場


面白い!つまんない!と思ったら下の☆評価応援をお願いします。


☆1でも正直な感想でも大丈夫です。


ブックマークもいただけると幸いです。


何卒よろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ