九尾 キュウビノヨウコ
月夜 慧子視点
泉君・・・何で行かないんだろう?王に会えるのよ?自分の未来とか聞きたくならないのかな・・・まぁこればっかりは我儘聞くしかない。彼が孤集を見つけたんだから・・・
雪江さんの会員カードで外に出ると、そこは誰もいない駐車場だった。すぐに雪江さんの車に乗ったけど、すっごいソワソワする・・・乗った事のない高級車だからか・・・ってか前より進化してない?前は確かボルボじゃなかったっけ?
「な・・・何この車?」
「ランボルギーニだ・・・汚すなよ?」
「えぇ!?」
中立者ってそんな景気良いの?まぁ雪江さんはキャリア結構長いし、こんなヤバい車買えて当然か・・・しかもめっちゃ速ぇし・・・
数十分後、ようやく王がいる場所に到着した。森の中に大きな屋敷が見える・・・随分とまぁ高級感がハンパないわね・・・
「着いたぞ・・・ついて来い」
「こ、ここに王が?」
「ああ、奴だけじゃないがな・・・」
他にも?王様の家臣とか?ともあれ、雪江さんについて行き、屋敷の中に入ると、これまた洒落たエントランス。和風チョイスだけど、豪華なシャンデリアに壁一面に流れるアクアウォール・・・凄い場所ね。
「これはこれは小泉様。人間をこの地へ連れるなど・・・どのような御用件で?」
執事姿をした天狗が私達の方へやって来た。随分と長い髭ね・・・ここのコンシェルジュかな?
「王に献上品を届けに来た。本物の孤集をな・・・直接に会って渡したい」
「おぉそれはそれは・・・見せても?」
天狗は綺麗に整った長い髭を髪の毛のように撫でながら、本当に本物の孤集なのかを確認を求めた。なら当然、彼のお答えに応じるまで!
「おぉこれは・・・これは・・・・まさしく真の孤集。実に40年ぶりですなぁ?表の世界に出られたのは・・・・かしこまりました。しばしお待ちを・・・」
そう言って確認し終えた天狗は王の元へ向かって行った。いよいよだ・・・いよいよ王に会える。この日をずっと待ってたんだ!それがようやく・・・ヤバい!ドキドキが止まらねぇ!
「分かってると思うが・・・無礼のないようにな?」
「そ、そりゃもちろん!わ、わ、わ、わ、分かってるわよ・・・!」
「フッ・・・・・・・・ん?」
その時、雪江さんが嫌な顔をした。向こうから誰か来る・・・白い髪をして、キラキラ光る金色の着物を着た女性・・・デッカイ尻尾だ・・・
「おや?これはこれは・・・何用で参った友よ?妾等はもう帰郷の時ぞ?」
「チッ・・・九尾・・・もう栃木に帰ったかと思ったが・・・」
九尾?もしかしてあの九尾の妖狐!?王の重臣であり、妖狐達の統率者。派手好きな性格としても有名な妖怪だけど、まさかこんなとこで会えるとは・・・
「んん?何故人間がおるのだ?ここはお前のような匹婦が来る場ではないぞ」
「私の連れだ。それより娘の六尾はどうした?」
「久しく京都に来るでなぁ、伏見にて稲荷を買いに行きおったわ」
確か九尾には二人の娘がいる。姉の六尾と妹の三尾・・・六尾は王の忠臣であり、外交役。そして中立者の総司令官。多くの妖怪達からの信頼も厚い妖狐だ。一方で三尾はあまり良い噂はない。かなりイカれた奴だと聞くけど・・・
「もうじき帰ってこよう・・・・それでぇ?何用で参った?娘に会いに来たというわけではあるまい」
「王に献上品を届けに来た。欲しがっていただろう孤集を?持って来たんだ」
「ほぉ・・・・あの老怪が作った椀か。されど何故人間を連れて来る?其方一人で来ればよいものを・・・」
「コイツが苦労して椀を見つけたんだ。会うに道理はあるぞ」
「ハッ!ハッハッハッ・・・よいか雪江、我が主君は西王と人間との三勢和平協定以降、人間誰とも会わぬと誓われた。仮にお許しになられても、妾が許さん!野蛮で穢れた人間なぞに会わせるものか」
思い出したわ。コイツ、かなりの人間嫌いだって事を・・・ここまで来て、まさか九尾に阻まれるとはねぇ・・・早く帰って来てさっきの天狗!!
「其方だけ会うならば分かる。何せ其方は、王のお気に入りぞ。多くの者達からの信頼も厚い。だが未だ・・・新たに婚姻せず未亡のまま・・・」
「・・・・・・・・・何が言いたい?」
「誤解するでない。妾はただ、其方を案じてるだけぞ。何故一歩進まず、未だ病に果てた夫を想う?とうに終わった男女の契りぞ?どうも理解出来ぬからなぁ・・・フフフフ・・・」
「貴様・・・!」
地面がピキピキと凍ってる・・・マズイ!雪江さんが怒った!言っちゃならない事を言ったから・・・早く止めないと・・・ってか天狗さん早く帰って来てぇ!!
読んでいただきありがとうございました!
やっぱ慧子視点の方が書きやすい・・・
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