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幽霊屋   作者: ダストン
第十七章  妖怪東王
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真椀  マコトノワン

掘って漁って掘って漁って・・・砕いて掘って漁って砕いて割って・・・・ただそれの繰り返し。1時間経っても、2時間経っても、3時間経っても、4時間経っても・・・本物の椀は発見出来ずにいた。


「慧子さ~ん!泉さ~ん!後3時間ですよ~~?どうですかぁ?見つかりそうですかぁ?」


「ハァ・・・ハァ・・・う、うるさい!!今探してんだから黙ってろや糞狸(くそだぬき)ぃ!」


「おぉ怖い怖い・・・泉さんはどうですかぁ?」


「ハァ・・・ハァ・・・探してる・・・ところでぇ~す!!!」


「ハッハッハッハッハッハッ!ほなほな!また来ますぅ~~!!」


後3時間か・・・これはキツい、キツ過ぎる・・・やっぱ無理だよこれ・・・もうどれも本物に見えてしまう・・・しんどい・・・


「ハァ・・・ハァ・・・慧子さん・・・これやっぱ無理なんじゃ・・・?」


「ハァ・・・諦めないで泉君!絶対どこかにある!必ず・・・うわぁ!」


全て椀だからか足場が悪く、滑ったり沈んだりするだけで体力が消耗してしまう。僕も探す度に何度も滑った・・・何度も沈んだ・・・・それを気合いと根性だけで乗り切りながら探し続けた。でも・・・でももう限界だ・・・


「ハァ・・・ハァ・・・まだ3時間ある!まだ時間は・・・泉君?泉君!?」


時間がないから休憩出来ず、飲まず食わずだったからか、めまいがする・・・・・しかもこの洞窟、防護服もそうだけど酸素が薄いし・・・・もうダメだ・・・・・意識が・・・・・・・






目が覚めると・・・・そこは真っ黒い空間だった。音も無ければ風も無い、奥には薄っすらとだが、赤い鳥居が見える。


ここ・・・・前にも来た事がある。あれは確か夢虫(ゆめむし)の時だったか、謎の声が聞こえて・・・その後・・・・どうなったんだっけ?体が金縛りで動けず、頭がくらくらする中、あの声が聞こえて来た・・・


『またここに来たのか・・・・・怒りすら忘れた腑抜けに用はねぇぞ』


「だ、誰・・・だ・・・・?」



『答える義理はねぇ。だが何度も来られるのも厄介だ・・・そうだな・・・()()()()()()()()()()()()()()・・・見つかるんじゃねぇか?』



「起きて・・・左に三歩(さんぽ)・・・歩いて・・・掘ったら・・?」


『ふわぁ~・・・・・もう寝る時間だ・・・さっさと失せろ!!』


辺りが真っ白へと変わってゆく・・・本当に誰なんだ?もしや疲れで出た夢なのか?分からない・・・分からないけど・・・ヒントを貰った気がする。






「・・・・・・・・・ハッ!」


「あっ起きた!泉君大丈夫!?」


目が覚めると、防護服を着た慧子さんがいた。どうやら気を失っていたようだ・・・体が重い・・・重いけど・・・あの言葉が頭から離れなかった。


「大丈夫泉君?・・・泉君?どうしたの?」


僕は必死に体を起こし、左を見て三歩分()いながら進み、そこにある偽物の椀を取り除いて掘ってみた。声の(ぬし)を信じるってわけじゃないけど、他に方法が無い以上それに賭けてみるしかない!


「い、泉君?何?どうしたの?」


「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・どこだ・・・どこだ・・・・・・ハッ!!!」




掘り続ける中、偽物よりさらに一際(ひときわ)輝く黄金色(こがねいろ)が見えた。ま、まさか・・・・・




「あ・・・・・あ・・・・・あ・・・・け、慧子さん・・・・これ・・・」


「ま、まさか・・・まさか・・・・まさか・・・・これって・・・」


本当にそうなのか確かめるべく、僕達は一つ一つゆっくりと偽物の椀を取り除き、その椀を見た・・・外側は変わらないけど、椀の内側にある黄金色をした丸い印が偽物と比べて綺麗だ・・・ギラギラと輝いてる・・・さらにペンで描いたような(バツ)マークまで・・・もしかして・・・もしかして・・・



「い、泉君・・・泉君・・・み、見つけたわ!!ほ、本物の・・・本物の・・・・本物の孤集よ!!!!!」



これが・・・本物の孤集!!!!ついに見つけたんだ!ついに・・・ついに!!

読んでいただきありがとうございました!


指が軋む・・・


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