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幽霊屋   作者: ダストン
第十六章  迷いの暴れ者
73/331

迷子  メイキュウドウジ  

泉 幸多視点

新年になって学校が始まってからというものの、受験で皆ピリピリしていた。休み時間でも放課後でも家に帰っても勉強・・・勉強・・・勉強・・・勉強・・・僕もその一人だ。


「泉君もうすぐ客来るわよ?さっさと本片付けてお茶の用意しなさい」


「あぁもうちょっと待って・・・ここだけ!ここだけやらせて・・・!」


「早くしなさいよバカ!!」


・・・っとまぁ気合の入り方間違えてる気がするけど、こんな感じで仕事と勉強を両立しながら毎日忙しく過ごしていた。





依頼人である米沢よねざわさんの話を聞くと、何やら家に異変が起きているそうな・・・





「家がおかしい?」





「はいそうなんです。信じてはもらえないでしょうけど・・・階段がエスカレーターみたいに動いたり、()()()()()()()()、家具が勝手に動いたり、玄関を開けたらトイレだったり・・・もうどうしようもなくて・・・た、助けてください!」



階段がエスカレーターになる?部屋が回転する?玄関を開けたらトイレ?変わった異変だな・・・・さらに話を聞いてみると、この現象は米沢さんの家だけでなく、他の家にも起こっていたらしい・・・3日前には近所の家がおかしくなり、2日前に隣の家で異変。そして今日、米沢さんの家に異変が起きた・・・


一体何者の仕業なのか・・・・悪霊の仕業か?そうなるとどんな奴だろうか?何も分からない中、慧子さんが依頼人にある質問をした。




()()()()()()()()()()()()()()




「人形?あぁそういえば見たような・・・確か廊下に()()()みたいなのが・・・」


雛人形(ひなにんぎょう)?まさかその人形の仕業なのか?つまり今回の相手は・・・・呪いの人形が相手?


「ハァ~~・・・・・なるほど分かりました。あのクソババア・・・()()()()()()を持ったばっかりに・・・じゃあ早速行きましょうか!泉君行くわよ!」


「?・・・は、はい!」


相手が誰なのか知っているようだ。とにかく行こう・・・僕達は依頼人と一緒に車に乗って、目的地である米沢さんの家に向かった。






事務所を出てから20分後、僕達は米沢さんの家に到着した。住宅街のど真ん中にある2階建ての家・・・外側に異変は無いが、どこか嫌な予感がするなぁ・・・


「ここです・・・ど、どうかお願いします!!」


「あい分かりましたと・・・さて泉君、入ろっか」


「はい・・・あの慧子さん、この異変の正体って・・・知ってるんですか?」


「ええ、異変の正体は・・・・ん?」





「おや?まさかこんな所で会えるとは・・・これは偶然か・・・祖母からの(えにし)か・・・幽霊屋ぁ!」





それは偶然の再会だった。赤いメガネにくるくるパーマ、(くせ)で髪の毛を指でクルクルと回す女性・・・保宜(ぼぎ) 愛華(あいか)さんだ!!


「久しぶりね幽霊屋!あの時はいい取材させてくれてありが・・・・痛い痛い痛い痛い痛いぃ!!!!」


どうしてここに・・・・そう思った瞬間、慧子さんは怒りが爆発したかのように、彼女に近づいて頭を鷲掴(わしづか)みにした。


「お久しぶりですね先生・・・約束の20万持って来てくれたのかしら?」


「ちょっと痛い痛い痛い!!わ、悪かったわよあの時は・・・ギャアアアアア!!痛い痛い痛い痛い痛い!!!」


「ちょっと慧子さん!もう放してください!めっちゃ痛がってますって!!」



ガチで頭を破壊しにいくほどの握力だ。止めてなかったらヤバかったかも・・・・でもどうして愛華さんがここにいるんだ?そう思って聞いてみると・・・


「ハァ・・・ハァ・・・しゅ、取材よ取材!この住宅街がおかしいって聞いたから来たのよ!ハァ・・・部屋が動くとか階段が動くとかねぇ!」


なるほど、この異変を(さぐ)ってるってわけか。じゃあ改めて慧子さんに聞かないと・・・この異変の正体を・・・



「奴の名は迷宮童子(めいきゅうどうじ)。空間を移動したり動かしたりする悪戯好きの妖怪・・・座敷童子(ざしきわらし)(まご)の一体よ」



座敷童子の・・・孫!?ってかそもそも座敷童子ってホラー界隈じゃ有名な妖怪だ。まさかその妖怪に孫がいたなんて・・・そっちの方が驚きかも・・・

読んでいただきありがとうございました!


夜は強いけど、朝は弱いです・・・


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