月家 ツクヨケ
月夜 慧子視点
夏休み本番・・・いよいよ真弓ちゃんが月夜家に泊りに来る日がやって来た。出雲大社で待ち合わせした後、私達は急いで家へ向かった。
『う、うわぁ~~・・・結構大きい家だぁね・・・』
『そう?ここじゃあ普通よ・・・じゃあ入ろ!ただいま~!』
玄関を開けると最初に待ち受けていたのは・・・・私の義理の姉である月夜 貴子。当時は中学生にもかかわらず、既に身長は180cm以上超えていて、学校や近所のガキから『デカ女』ってよく言われてたけど、姉さんはそんな事を気にもせず元気で明るく軽い出雲弁を喋る女の子だった。
『おい慧子!あたしの千円どげした?』
『えぇ?あぁ・・・ピザ代に使った』
『はぁ~!?そげなのに使ぁたの!?ちょっこし買ぁて来て欲しぇモンあったけん頼もぉ思ぉたのに!』
『どうせ消しゴム買って来てって頼みでしょ・・・あぁごめん真弓ちゃん!紹介するわ・・・あたしの姉ちゃん』
『あぁど、どうも・・・真弓でぇす・・・(デカい・・・)』
『おぉ!!慧子の友達か!話は聞いちょぉよ!ほら上げ上げ!!』
早速家に上がった私達は、廊下を進んで奥のリビングへ向かうと、そこには私の両親がいた・・・血は繋がっていない義理の両親だけど・・・
『あぁおかえり慧子!あら!その子ね?』
眼鏡に五節舞の髪型をした私の義母、月夜 日美子。しっかり者で優しいけど料理は大雑把。昔は出雲大社の巫女だったけど、今は専業主婦として家事を切り盛りしている。
『母の日美子です!よろしくね真弓ちゃん!お父さん!来たわよ~~!』
『ん?おぉ・・・・・・来たか・・・・・・』
縁側で一人、将棋を打ってる白髪の男性・・・私の義父、月夜 源次郎。出雲大社の神職として働いている月夜家の大黒柱。寡黙な人だけど幽霊や妖怪に関しては博識で、悪霊を軽々と追い払うほどの実力を持っている。活躍した姿は見た事ないけどね・・・
『歓迎するぞ・・・・・母さん、飯だ』
『はいはい!ちょうど素麺出来上がったわ・・・』
『えぇまた素麺!?昨日も素麺だったじゃん!』
『これしかないんだから仕方ないでしょ慧子!ワガママ言わないの!それより手洗いちゃんとして来て!ほら真弓ちゃんも!』
家が貧乏だからか素麺ばっかりだった。うどんも出て来るけど、それは稀の稀・・・しかも山盛りで出してきやがる・・・
『うちはこれが定番なの!ど~~んっと遠慮せずに食べていいからね?』
『は・・・・は、はぁい・・・・』
毎度思うけどこんなに食えないっつうの・・・・呆れて何も言えない中、真弓ちゃんはドン引きしてた。そりゃ当然か・・・
『は~い皆!手ぇ合わせて・・・あら?真弓ちゃんマスク・・・』
『・・・・・・・・・・・』
『遠慮しなくていいよ真弓ちゃん。もう皆知ってるから・・・堂々と外したらいいの!ホラ!』
『慧子ちゃん・・・・・・・・・うぅん』
マスクを外すと、義父さん以外皆驚いてた。痛々しく残る傷・・・それは彼女の心の傷でもあった。一生治らない傷だと・・・だけど皆は真弓ちゃんを受け入れてくれた。
『可哀想にね・・・でも大丈夫よ。私達月夜家はどんな人でも受け入れる!それが私達の道理だもの!歓迎するわ真弓ちゃん!私達を家族だと思っていいからね!』
『か・・・かぞぉく・・・』
『そげそげ!あたしの事を姉と思ぉてごしてええよ!』
『うむ・・・夏休みだけでなく、いつでも泊まりに来なさい・・・いただきます・・・』
『ちょっとお父さん!先に食べないでよ!もう!』
そう、これが月夜家。誰でも受け入れる・・・血の繋がらない私だって受け入れてくれた。家族として・・・そして真弓ちゃんも・・・
『フッ・・・じゃあ、いただきますしましょ・・・真弓ちゃん!』
『う・・・うぅ・・・・・うぅ・・・・うぅん!』
『『『『いただきま~~す!!!!』』』』
月夜家では『いただきます』と『ごちそうさま』は絶対。子供だろうが大人だろうが関係ない。これはこの家の決まりなのだから・・・
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空がしんどい
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