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幽霊屋   作者: ダストン
第十四章  過去の救い
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拳絆  コブシトコブシノキズナ

それからというもの、僕は叔母さんと共に行動する事が多くなった。幽霊はまだ怖いけど、叔母さんの励ましあってか、ビクビク震える事がなくなっていった。どこか行くなり美味しい物食べたりと、いつも叔母さんと一緒・・・・おかげで毎日が楽しい・・・楽しくてしょうがない・・・


これがずっと続いてくれたらと・・・いつまでも思い続けた1年間・・・だけど、そんな事にはならなかった。




『幸多・・・・・あたし、東京住むわ・・・』




駅の広場で京都タワーを一緒に眺めていた時だった。いきなりで心臓がバクバクする・・・叔母さんが東京に?どうして・・・訳を聞いてみると、何日か前に昔の友人が『うちの社員として東京こっちに来ないか?』と持ち掛けて来たのが始まりだった。


叔母さんは僕に内緒でそれを承諾。フリーターをやめて会社の正社員として働くそうだ。京都(ここ)に居られるのは・・・明後日限り・・・どうして?どうしてだ?叔母さんと離ればなれになるなんて・・・そんなの嫌だ。


堪忍(かんにん)せぇや幸多・・・あたしだってもうええ(とし)やねん。そろそろ足付(あしつ)けないかんのよ・・・』


『そ、そんな・・・じゃあ僕も行く!叔母さんと一緒に・・・』



『あかん・・・それだけはあかん。お前にはまだ『将来(しょうらい)』ってモンがある。これはお前の為に行くんや・・・もう高校行ける年やろ?そろそろ・・・』



『で、でも・・・でも!でも僕は・・・叔母さんを・・・グッ!』


『アホッ!!いつまで乳離れ出来(でけ)へんねん!?もう1年経っとるやろ!?そろそろ自分の(ちから)だけで生きてみんかいボケッ!!』


痛い・・・痛いパンチ・・・だけど悲しい・・・泣いてるような悲しいパンチだ。僕はこの1年間、叔母さんが唯一心の支えだった。叔母さんがいたから幽霊に耐えられたし、過去の光景(フラッシュバック)をあまり見ずに済んだ。そんな叔母さんが明後日に京都を離れる・・・離ればなれになる・・・


それからはまた部屋に籠ってしまった。叔母さんがいなくなるなんて嫌で嫌で(たま)らない・・・・どうすればいいのか分からない・・・そんな事ばかり考える中、時は過ぎてゆき・・・とうとう()つ日が来てしまった。



今は朝の8時40分・・・後20分で行ってしまう・・・叔母さんが行ってしまう・・・何も出来ずに悲嘆(ひたん)に暮れる中、叔母さんから電話がかかって来た。


『おい幸多、もうちょいであたし行くでぇ?見送りなしか?』


『・・・・・・・・』



『幸多、()ぉへんねんやったらこれだけ約束せぇ・・・絶対生きろ!(いばら)の道だろうが(なん)だろうが、必ず前向いて進んで生きろ!ゆっくりでもかまへんから!ええな?あたしとの約束やで?』



生きろ・・・それを聞いてか、僕は叔母さんに無性(むしょう)に会いたくなった。何がなんでも会いたい!どうしても会いたい!!すぐに会って一言(ひとこと)言いたい!!!僕は部屋から、家から出て急いで駅へ向かった。




幽霊に構わず、とにかく急いで叔母さんの元へ向かった。確かに外には幽霊がたくさんいる・・・だけど今の僕に恐怖心はなかった。頭の中は叔母さんの事でいっぱいだったからだ。全力に全力で走り抜け、ようやく改札口前へ着いた。


『ハァ・・・ハァ・・・お、叔母さん!!!』


『!?・・・・こ、幸多!』




『ハァ・・・ハァ・・・ご、ごめん・・・ハァ・・・叔母さん、僕・・・生きるよ!約束絶対守るよ!!必死で生きるよ!!!何がなんでも!!!!』




これが言いたかった。僕の精一杯の答え・・・電話越しじゃなく、直接会って言いたかった。言えてホッとした時、突然叔母さんが(グー)を前に出した。え?まさか殴るの?



『・・・・約束やぞ?ホラお前も出せ!約束のグータッチや!!』



なんか・・・・叔母さんらしいかも・・・僕も手を握り締めて、お互いの(こぶし)を優しく突き合わせた。たとえ離ればなれになっていても、心はいつも傍にいる。どんな時でもずっと・・・














そして現在・・・コンビニ行って酒なりタバコなり菓子なりと買いまくった。その荷物を持つのは全部僕・・・荷物持ちかよ・・・・これじゃ慧子さんと変わらないじゃないか・・・


帰路につく中、叔母さんといろいろ話し合った。最近どうしてるとか、上司の愚痴が鬱陶(うっとう)しいとか、新しい趣味の話とか、とにかくいろいろ話をした。(なん)だかんだで久々に会えて嬉しいし・・・いつも年末年始にしか帰って来ないからなぁ・・・


「あぁそや幸多?お前バイトとかしてんのか?金とか困っとるんやったら少し出したるけど・・・」


「いやぁ別に困ってないよ・・・()()()()()があってね。天職(てんしょく)見つけたって感じで・・・」




「ほぉそうなんか?まぁお前が元気やったらそれでええけどなぁ!幸多・・・今年もよろしくやで?」



「うん!今年もよろしくお願いします!叔母さん!!」




僕達は互いの拳を突き合わせた(グータッチ)。これが僕と叔母さんとの絆だ。それは今も変わらない・・・これからもずっとそうだ・・・お互い生きてる限りずっと・・・

読んでいただきありがとうございました!


雨やだやだ~~


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