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幽霊屋   作者: ダストン
第十四章  過去の救い
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叔母  オバ

泉 幸多視点


       新年・・・あけましておめでとうございます!!!



1月1日・・・・新年が始まり、世間は正月シーズンに(いろど)られ、賑やかになっていた。初詣に行こうと千恵()東寺(とうじ)へ行ってお参りした後、おみくじを買い・・・結果は・・・


「ゲェ~!!(きょう)じゃん最悪ぅ・・・お兄は?」


末吉すえきちだったよ」


慧子さんは実家の出雲に帰っていて、6日に戻って来るって言ってたし、それまでやる事なし・・・ってわけじゃない。むしろこの正月は忙しいんだよなぁ・・・・なぜなら叔母(おば)さんが帰って来たからだ。


「「ただいま~~!」」


「おう幸多に千恵ちゃんおかえり~~!どやった?酒買って来たんか?」



家に帰ると、タバコを吸いながら平然と歩く女性・・・そう、この人が僕の叔母、(いずみ) 多恵子(たえこ)だ。


「あぁ多恵子(たえこ)叔母さん・・・私達じゃ酒なんて買えないからぁその・・・」


「あぁふざけんなやガキがぁ!酒買いに行くのに年齢(とし)なんて関係あるかいな!はよ買って来い!」


「叔母さん飲み過ぎは良くないよ。だからいつも胃もたれする・・・ゴフッ!」


「じゃかましいわ幸多!酒の味も知らんガキに言われたくないねん!」



・・・っとまぁこんな感じの人で、気に入らない事があったり言われたりすると、すぐに人を殴る不良(ヤンキー)のような性格の持ち主。今は東京で会社員として働いているけど、その性格は今でも変わってない。


「クソがぁ!しゃあないなぁ・・・おう幸多ついて来い!買いに行くぞ!」


「えぇ!帰って来たばっかなのに・・・」


「うるさいねん!お菓子欲しかったらはよ来いや!はよぉ!」


「ハァ~~・・・はいはい、分かったよ・・・」


「あぁ・・・お兄・・・叔母さん・・・き、気を付けてねぇ~~・・・」


確かに・・・酒好きでタバコも吸うし、よく殴って来るし、パチンコとか競馬とかで金使い荒いし・・・普通なら最低の人間だと思うだろう。実際、家族から毛嫌いされてる・・・でも僕は違う。


こんな最低最悪な叔母さんだけど・・・僕にとっては最高で最愛の人だ。心の底から僕を信じ、救ってくれた人だから・・・








あの事件で皆死んで、唯一生き残った僕は『奇跡の子』と世間からそう呼ばれるようになった。そのせいで両親や妹にもスクープの(マト)にされたりと大変だったけど、それはいずれ時間が解決してくれる・・・でもこれだけは解決しない。事件の後で幽霊が見えるようになった事だ。


最初に幽霊を見たのは病院だった。自分が居た病室に、死んだ老人患者の幽霊が、口を開けて僕の事をずっと見つめていたのが始まりだ。今でもあの光景を覚えている・・・そのせいで何日も眠れなかったからなぁ・・・


退院しても悪夢が続いた。どこへ行っても幽霊・・・幽霊・・・幽霊・・・そこら中にいる。誰もその事を信じてくれないし、しかも事件が起こる前の光景がフラッシュバックしたりと、事件という過去と現在の幽霊の挟み撃ちに遭い、僕は生きる気力がどんどん失って・・・・そして最後・・・



『あいつが殺したのよ!息子を・・・・あいつが・・・この人殺し!』



最後のトドメは・・・遺族からの罵声(ばせい)陰口(かげぐち)だ・・・そして僕は鬱病を(わずら)い、自室に引き籠るようになった。もう誰も信じられない・・・・僕も死ねばよかったんだって・・・・後悔するような日々が続いてた。全てに打ちのめされた気分で(たま)らなかったよ・・・


家に出れば幽霊がいて怖いし、かといって部屋に引き籠っても、過去が悪夢のようにやって来る。ならいっその事・・・死のうと思った。何日かしての結論だ。もう疲れた・・・首を吊って楽になろうと(ひも)か何か探していた時・・・


『おい幸多ぁ?いるかぁ?お~~~~~い??叔母さんやぞぉ?』


『(え?叔母さん?)』


『ったくよぉ・・・さっさと開けんかい!!!!!』


ドンッ!!!


ドアを思いっ切り蹴破り、現れたのは多恵子叔母さん・・・そう、これが僕と叔母さんとの始まりだった。

読んでいただきありがとうございました!


こっからは所長と助手の思い出編になります


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