死香 シコウ
月夜 慧子視点
喰い散らかされた万代さんの遺体をそのままに、猿は覚ちゃんの元へ向かった。口や手足には血がべっとりと垂れるように付いている・・・・普通の霊じゃそんなの有り得ない。
かと言って、今は覚ちゃんとの決着に集中しないと・・・二人はグ~スカ寝てるから、うるさくなる心配はないけど、彼女に勝てるかどうか怪しいモンね・・・っとその時、田沢さんが六つの香炉を持って来た。
香炉にはそれぞれ「一」から「六」の漢数字が書いてある・・・これは一体?
「この決着・・・・・・・・死香で決めさしていただきますぅ」
死香?聞いた事ないわね・・・・この六つの香でやるゲームなのかしら?すんごい嫌な予感しかしない・・・
「これは先祖様が考えたオリジナルゲーム。と言うてもルールは簡単や・・・この六つの香の中にたった一つ、ひと吸いしただけで死んでまう・・・猛毒が入っとるんどす」
「!!」
「その毒を聞いたら負け・・・ただそれだけの簡単なゲーム・・・どや?おもろいやろ?」
つまりロシアンルーレットをやれって事ね。この六つの中に猛毒が・・・どれに・・・どれに入ってるの?
「さぁやろか慧子はん・・・死香開始や」
「いいわ・・・・やってやろうじゃない!」
二人の為にも逃げるわけにはいかない・・・自分の運を信じてやってやる!
・・・・・っと意気込んだのはいいけど、どれを選べばいい?これが遊びなら何を選んだっていいけど、遊びじゃないのよねぇ~・・・生死を賭けたデスマッチなのがしんどいところ・・・
「選べへんか?なら私から・・・」
必死に考えていると、覚ちゃんが先手を取った。何も考えようともせずに「三」の香を選び、迷いもなく香を聞いた・・・毒か?
「ん~・・・・・・・・・・・・毒じゃありまへん」
違うか残念!そうなると困ったわね・・・・さらに危険を加速させてしまったわ。残り五つ・・・こうなったらやるしかない!「一」だ!!
「・・・・・スゥ~~~・・・・・・・・・・・ふぅ~危ねぇ・・・」
「フフフ・・・ええ感じやねぇ・・・・・ほな私はこれを・・・」
香を選ぶだけでも心臓に悪いのに、覚ちゃんは平然と「二」を選んだ。この小娘・・・本当はどれに毒があるのか分かってんじゃないの?
「ん~~・・・・・・・・・ハズレ・・・・慧子はん次どうぞぉ」
この野郎ぉ余裕かましやがってぇ・・・どうする?残り半分・・・どれだ?どれが毒じゃない香?どれだ・・・・・思考が徐々に焦りへと変わり始めようとしてる。マズイ・・・もうめんどくさくなって来た・・・こうなったら四の香を・・・!
「「四」を選ばはるんか?」
「!!」
い、いや・・・・・やっぱり六の香を・・・
「「六」の香でんかぁ?」
グゥゥゥゥ・・・グギャァァァ・・・!
心が読まれてる・・・目線を合わせなくても口に言わなくても、心の中で何を選ぶかを考えるだけですぐに知られてしまう・・・キツイわね・・・
「決められへんか?ならこうしたほうが早いかぁ?」
「え?」
すると突然、覚ちゃんが「五」の香を手に取って聞いた。コ、コイツ・・・・・・さらに私を追い込むような真似を・・・!
「ん~~・・・・・・・さぁ慧子はん、これで残り二つだけや。「四」か「六」か・・・どっちぃ?」
グギギ・・・キーッ!!
最悪ね。残り二つ・・・確率は二分の一・・・どっちを選べばいい・・・・どっちを・・・このままではヤバい・・・マジでどうしよう・・・・心臓が破裂しそうなぐらい鼓動が・・・
四か?六か?ここで失敗して死んだら、私だけでなく姉さんと泉君もあの猿の餌になってしまう。それだけは・・・絶対にそれだけは・・・・・・もう腹をくくるしかない!六だ!六を選んで・・・
『四ダ・・・真ノ答エハ・・・四ダ・・・』
ほんの一瞬だった。後ろから声が聞こえる・・・泉君か姉さんかと思ったけど違った・・・小さい時からずっと傍にいるような存在・・・それが何者なのか分からない存在・・・
でもその声を聞いて、どこか安らぎがあった。さっきまでの不安や迷いが嘘のように無くなり、ただその言葉を信じれば大丈夫だという安心感に包まれる。正体すら分からない奴なのに・・・どうしてなんだろう?
「スゥ~~・・・ハァ~~・・・・・・決まったわ」
深呼吸してようやく覚悟を決めた。私は・・・・・・四を選ぶ!!
読んでいただきありがとうございました!
体に衰えを感じるのって・・・怖いねぇ~
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