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幽霊屋   作者: ダストン
第十三章  神猿
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猿贄  サルノニエ

それは黒く湿(しめ)ったような木材の破片だった。あれが蘭奢待(らんじゃたい)・・・一見すればどこにでもあるような木にしか見えないが・・・


「どうどすかぁ?腐った木にしか見えんやろうけどぉ、火ぃ()けば豊潤(ほうじゅん)な甘味で、それぁもうええ匂いしますえぇ」


「ほわぁぁぁぁ~~~~・・・本物(ほんもん)の蘭奢待よぉ~!!こがぁ凄いわぁぁぁ!!」


貴子さんはまるで宝物を見るように目をギラギラと輝かせている。香を(たしな)む者にとって、蘭奢待を手にする事がどれほど名誉な事か・・・・だけど慧子さんはそれに興味を示さず、覚ちゃんを見つめていた。


「そんなのどうでもいいわ・・・私が興味あるのはあの猿よ。何者なの?」


「流石は慧子はん。これほどの宝を目の前にして驚かんとは・・・やりますなぁ」







グキーーーーッ!!!!!グゥゥゥゥゥ・・・キィ~~・・・!







突然、隣の部屋からか・・・猿の叫び声が聞こえて来た。ドタドタと畳の上を歩く足音も・・・恐怖で静かになる中、覚ちゃんは疲れたような溜息を吐いた。


「ハァ~・・・すんまへん・・・今ぁあの猿、()()()()なもんやから・・・」


食事?あの猿がか?何を食べているのかと気になったその時・・・・あれ?(なん)だ?眠たくなって来た。視界がだんだんボヤけてくる・・・・・どうしてなんだ・・・どうして・・・・・・・・・・まさかあのお茶に・・・zzzzz・・・











            ー月夜 慧子視点ー


蘭奢待なんかよりも、今一番興味があるのはあの猿だけ。お食事中だって?だったらどうしてこんなに血生臭いのよ?ただの食事ってわけじゃなさそうね・・・


「あの猿は・・・・ん?・・・姉さん?泉君!?」


姉さんと泉君が突然倒れた。何度も起こしても目が覚めず、スースーと眠ってる・・・どうして・・・まさか飲んだ茶に何か!


「覚ちゃん!二人に何を・・・!?」


「フフフフフフフフ・・・クックックックックッ・・・・アァハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」


「・・・・何が可笑(おか)しいの?」




「ほんま人間ってアホやわぁ・・・()()()()()()()()()()なんてなぁ・・・」




(なん)て言った?偽物?その蘭奢待が・・・・偽物?どういう事!?


「そう・・・・これは偽物。どこにでもある木の破片や。だけどこれが蘭奢待やとちょいっと噂を流せば、人間簡単に釣れてしまう。その噂が根強くなればなるほど尚更・・・」


「どうしてそんな事を・・・?」




「全ては(おとり)・・・あの猿の為だけに仕組んだこと・・・()()()()()()()()()()()()()調()()()()為になぁ・・・田沢!」




「はい・・・」


権力を維持する?必要な(にえ)を調達?一体どういう事・・・頭が混乱する中、田沢さんが、隣の(ふすま)を開けた・・・部屋一面に血がドロドロと流れ、人の臓物(ぞうもつ)が喰い散らかされていた。中央には例の猿がクチャクチャと口に臓器を(くわ)えてる・・・・あぁなんてこと・・・あれ?あの人まさか・・・鹿村の万代さん!?



グゥ~~!(クチャクチャ)グググググ・・・キーッ!ガァーッ!(クチャクチャ)



「な・・・ど、どうして・・・覚ちゃん!これは一体!?」


「あの猿が知りたいんやったら・・・決着つけへんか?まぁどの道どうあれ、この村からは逃げれへんけどなぁ・・・さぁどないするぅ?」


この小娘(ガキ)マジでイカレてる。どうしようもないってぐらい・・・それにこの助手の爺さんも・・・まるでこの悲惨な光景が当たり前だと分かっているようにね・・・


「本気の勝負や。勝てば3人仲良く家に帰れるし、あの猿の事も知れる・・・でも負けたら・・・・・・・分かっとるやろなぁ?」



ググググググググ・・・・ギューッ!



選択肢は無し。考える時間も無い・・・だからといって、あんな猿に喰われるのだけは御免だわ・・・もうやるしかない!!



「・・・・・・・・・・・・・いいわ。決着をつけましょう!」



「フフフフ・・・その答え・・・待っとった」


上等よ・・・やってやる!勝って高慢(こうまん)ちきなその鼻をへし折ってやるわ!!

読んでいただきありがとうございました!


中古の一眼カメラ買いました。ズームは良いけど、画質がねぇ・・・


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