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幽霊屋   作者: ダストン
第十三章  神猿
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招待  ショウタイ

突然の事に僕達は驚いた。覚ちゃんはどうして答えを言ったのか・・・そして不吉に笑うのはどうしてか・・・


「さ、覚様?な、なぜ・・・・?」


「フフフフフフフ・・・・私ねぇ、期待したそばから失望されんのは(いや)なんどす。慧子はん・・・「絵合(えあわせ)」考えとったでしょ?」


「どうしてそれを・・・?」


()()()はなんでもお見通しや。せぇですけど、慧子はん負けてしもたら、また私が勝ってしまう・・・もうそんなんつまらんのどす。こっちもこっちで我慢の限界なんよぉ・・・」



そんな理由で?ホントに何を考えているのか読めない・・・・猿は覚ちゃんの元へ戻る中、彼女は岸本さんに言った。


「岸本はん、もう終わりどす。この勝負は猿村と鳥村の引き分けって事で・・・・ええな?」


「え!?い、いやしかしそんな・・・」



「この私が・・・もう終わりと言うたら終わりなんどすよ岸本はん?それに歯向かうんか?」



「うっ!・・・・・わ、分かりました・・・」



まるで権力者のような物言(ものい)いだ。岸本さんはそそくさと退場し、状況はさらに混迷を極めた。


「さて、鹿村と鳥村の助手さん方も退場してくれへんか?ここは我々代表方だけで・・・あぁ犬村の助手さんだけ残ってええで。泉 幸多はん?」


「!?・・・ど、どうして僕の名前を!?」


「言ったやろぉ?この目はなんでもお見通しや。さぁ出て行ってくれんか?助手さん方?」


突然の事だ・・・・彼女から殺気のような恐ろしさが目立ち始めた。中川さんと鹿村の助手さんはゾッとするような恐ろしさに震え出し、頭を下げてそそくさと逃げ始める。15歳の少女とは思えないこの威圧感(プレッシャー)・・・ホントに何者なんだ?





岸本さんと二人の助手が去り、このお堂の中に残ったのは覚ちゃんとその助手、万代さん、貴子さんと僕、そして慧子さんの6人。この後何が起こるのか分からないのか・・・いや、何か喋れば恐ろしい事が起きそうで、彼女以外の全員が沈黙していた。



「さてさて・・・人払い済んだし、本題に入ろか。どやろ慧子はん?明日、私の村に来て決着つけへんか?」



「決着?」


「そう・・・蘭奢待を賭けた一対一(さし)の勝負。どや?最後の五回戦やと(おも)て・・・・手ぶらで帰るんはややろ?」



猿村で決着つけるというのか・・・でもそんな簡単に他の村に入っていいのだろうか?そう思う中、万代さんが話を止めに入った。


「ちょっ、ちょっと待ちなさい!それは四獣村の(おきて)(そむ)く行為よ!鳥派の人間が他の村に行くなど・・・」



「あぁその決まりなぁ、実は私の先祖が作った・・・嘘なんどす」



「う・・・嘘!?」


先祖が作った嘘?まるで猿村が他の村より権力がある物言いだ。話を聞くと、蘭奢待は元々、覚ちゃんの家に代々伝わる家宝だそうで、それを盗もうとする者達から守る為に、先祖が作った決まりらしい。


「昔は盗人(ぬすっと)が多かったからなぁ・・・せやけど、いつしかそんなモン忘れてしもてぇ、今は信仰の区別という形だけが引き継がれた。皮肉なモンやぁ・・・」


「そ・・・・・そんな・・・・」


「さてどうどすか慧子はん?・・・・・・やるか?やらんか?」




「・・・・・・・・・・・・・・やるわ。決着をつけましょ」




「け、慧子さん・・・」


「慧子・・・」


慧子さんはその決着に応じた・・・・こんなに明日が怖いって思えたの初めてだ。明日もし慧子さんが負けたらどうなるんだろうと・・・・・内心、嫌な予感しかしない。


「そう答えると思てましたわぁ。では明日の朝、村の外出たらお迎えに参りますんで・・・他の皆もよろしゅうなぁ?」


「え!?あ、あたし等も行きてええの!?」


「ええよ。観戦するだけやったらねぇ・・・それに蘭奢待も見たいやろ?」


「ら・・・蘭奢待・・・」



内心よかったとホッとすべきか・・・僕達は行っていいらしい。慧子さんを一人で行かせたくなかったから、ちょうどいいな・・・


「いろんな話も聞きたいやろうしなぁ・・・蘭奢待について・・・四獣村について・・・()()()()()()()()も・・・詳しい話は明日・・・ほな」


ギギギギギギ・・・・ウキャ!!


覚ちゃんは猿を肩に乗せて、助手と共に去って行った。明日全てが分かる・・・・彼女が何者か、あの猿は一体(なん)なのか・・・冷や汗が出て来る中、僕達も解散してお堂の外へ出た。

読んでいただきありがとうございました!


電車代高くて死ぬ・・・


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