持同 モッタモノドウシ
外へ出た僕達は、それぞれのお堂でお茶を持って来てくれと岸本さんの指示を受けた僕はすぐに犬堂へ行き、既に用意されたお茶を貴子さんのところへ運んだ。
「貴子さん、お茶どうぞ・・・」
「あぁだんだんね泉君。・・・ふぅ~・・・さぁらしても、慧子なかなかやぁじゃなぇ?」
「知り合いの先生から教えを乞うたのよ。この2週間大変だったわ。それよりもあの猿は何?見るからに悪霊って感じはしないけど・・・もしかして守護霊とか?」
「どうねぇ・・・そらぁあたしも初めぇ会った時は驚たよ。あの猿じ~っと見つめられてからか、覚ちゃんに心を覗かれた気分なぁて気味悪ぇんわ・・・」
「何をコソコソ喋っとるんやぁ?貴子はんに慧子はん?私の事ぉ気味悪がってるようやけど・・・大したものない女子やで私ぃ?フフフ・・・」
カカカカカ・・・ウキャ!
何が大したものないだ・・・・・じゃあその猿は一体何者なんだ?どう見ても普通じゃないし・・・とはいえここで聞ける話じゃない。岸本さんや万代さん、それに他の助手さんはあの猿が見えているってわけではないしなぁ・・・・ここは黙って様子を見るしかなかった。
「えぇでは・・・・一の香を焚き始めます」
休憩が終わって三回戦が始まった。岸本さんが香を焚き始めて出来上がるのを待つ中、覚さんの傍にいた猿が、突然僕の隣に立ってじ~~っと見つめ始めた。
カカカカカカ・・・カカカカカ・・・
首を横に回したり奇声を上げたりしながら、僕の事をじ~~~~っと見つめている。気持ち悪いけど、だからって驚く事じゃない。ここは我慢だ・・・
カカカカカカ・・・キーッ!
「!!・・・きゃ、きゃああああああああああああ・・・!!」
「「「「「!?」」」」」
猿に見つめられる中、突然覚ちゃんが悲鳴を上げた!?彼女の助手がすぐに駆けつけたが・・・ど、どうしたんだ急に?
「さ、覚様!?ど、どうされました!?」
「ハァ・・・ハァ・・・あ・・・・い、いや、ややわぁ~とんだ恥ずかしいわぁ!ちょっと虫の音が聞こえたもんやから・・・私ぃ大の虫嫌いでなぁ、プ~ンって音なるだけでも嫌なんよぉ・・・ホンマぁすんませんなぁ」
虫の音?その音が聞こえたからビックリしたと?明らかに嘘だ。もしかしてこの猿か?一体何が・・・
「あのぉ、一の香もうすぐ焚き上がりますがぁ・・・覚様?大丈夫ですかな?」
「ええ、すんませんなぁ・・・ふ~~・・・では始めていただいて」
気持ちを切り替えた彼女は冷静さを取り戻して正座に戻り、そして猿は主人である覚ちゃんの所へ戻って行った。何があったんだろうか?いや・・・何も見たんだ?
三回戦、一から五の香を終えた代表者達は答えを書き・・・そして・・・
「えぇ正解は・・・「帚木」です!!慧子様と覚様!正解!!」
「なぁ!!なにぃぃぃぃぃぃ!!??け、慧子ぉぉぉぉ!!?」
「あぁ・・・・・・・・蘭奢待・・・・」
三回戦になって一気に勝負の流れが変わった。まさかの覚ちゃんと慧子さんの二人が正解!凄い!あの慧子さんが・・・!
「ほぉ・・・なかなかやりますなぁ慧子はん。フフフフフ・・・いや、これが力を持った者同士の運命やろかなぁ?」
「ん?どういう意味?」
「フフフフフ・・・そのまんまの意味や。慧子はんなら・・・私を殺してくれるかもしれんなぁ・・・」
「え?殺す?それってどういう・・・」
「岸本はん?はよ四回戦してくらさいな・・・ここからが後半戦やでぇ慧子はん?負けんといてやぁ?」
「・・・・・・」
今の会話は何だ?力を持った者同士?殺してくれる?どうしてそんな事を・・・・訳が分からない中、ゲームは後半戦へと進んだ。
「えぇでは・・・一の香、焚き上がりました」
四回戦・・・慧子さんと覚さんが同じトップの中、僕は慧子さんが勝ってほしい事を願った。貴子さんには申し訳ないけど・・・いつも通りに各代表者が香を聞いているのはいいけど、ここで気になる事が起こってる。
カカカカカ・・・・カカカカカ・・・・
覚ちゃんの傍にいたはずの猿が、慧子さんの近くへ行ってじ~~~~っと見つめている事だ。しかしそんな状況でも慧子さんは平然と香を聞いていた。何もしないといいけど・・・・・それから二、三、四、そして五の香を終えて、次に答えを申告時間となった。
「えぇそれではぁ答えを決め・・・」
「答えは「花散里」どす・・・」
「「「「「「!?」」」」」」
それは突然の事だった。覚ちゃんが助手に伝えず、自分の口から答えを申告した。どういうつもりだ!?
「ちょっ!覚様!?なぜ助手に伝えず・・・・覚様!?」
「フフフフフフ・・・・ハハハハハハッ!!」
「さ・・・覚様?」
突然笑い始めた覚ちゃん・・・何を考えているんだ?一体何を・・・
読んでいただきありがとうございました!
鳥のモモ肉、もやし、餃子、キムチが入った味噌汁・・・うめぇ・・・
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