四獣 シジュウムラ
12月中旬・・・事務所に依頼人の男性がやって来た。青い法被を着て「四獣村 鳥村」と書いてある。
四獣村か・・・確か前にテレビで観たな・・・岐阜県の飛騨方面にある村で、北に猿村、東に犬村、西に鹿村、そして南に鳥村と四つに分かれている変わった村だ。動物信仰か何かでそうなったらしいけど、実際は定かでない。
また、観光地としてかなり力を入れていて、年に一度に四獣村総出で開催される四獣祭が、今月の下旬ぐらいに始まるって言ってたっけ・・・・そんな村の一つである鳥村の人間がどうして事務所に?
「四獣村の鳥村から来ましたぁ中川と申しますぅ。月夜 源次郎様の御息女であるぅ月夜 慧子様に是非!四獣祭の鳥村代表となっていただきたくぅお願いに来ました」
「四獣村か・・・懐かしいわねぇ。まさか私が代表に選ばれるなんて・・・」
「慧子さん、村に行った事あるんですか?」
「ええ、父が鳥村代表を長年務めてたの。結構なお香好きだったからね。亡くなってから音沙汰なかったけど・・・まさか私がやるなんて・・・」
「はい・・・僕等もぉ源次郎さんが亡くならはったと聞いてぇ、ホンマにショックでしたぁ。それからぁ新しい人へ人へとバラバラにやってきたんですけどぉ、そんな中で慧子様の事を知れましてねぇ~ハハハ・・・世間は狭いですなぁ」
それで慧子さんを代表者に?それだったら貴子さんはどうなるんだって話になるけど・・・まぁ京都から岐阜だとまだ近いから、遠い出雲よりこっちを優先したのかも・・・
「まぁそう頼まれたら仕方ないわね・・・・・分かりました。引き受けましょう。代表者として出来る限りを尽くし頑張らせていただきます!」
「おぉそうですか!ありがとございます!!では今から2週間後にですねぇ迎えに来ますんでぇ、そん時にまたぁこちらに伺わせていただきますぅ!もし何かあればこちらの名刺にある番号に電話ください!それでは!!」
そう言って中川さんはそそくさと事務所を出て行った。まさか祭りの代表者に慧子さんが選ばれるなんて・・・そういえばテレビで言ってたな・・・・各村の代表が源氏香と言うお香の遊戯をし、玉になった村は次の祭りまで栄えるって・・・勝負で栄えるなんて奇妙な話だ。
今から2週間か・・・下旬の25日、ちょうど冬休みに入る頃だ。そうだ!せっかくだし僕も行ってみようかな?そう慧子さんにお願いすると・・・
「別にいいけど・・・あなたは何派なの?」
「え?何派?」
「私と同じ鳥派?犬派?鹿派?・・・それとも猿派?」
「えぇ・・・どっちかって言うと・・・犬派です」
「ハァ~~~~~~?・・・何で犬派なのよ?バカじゃないの?」
「え!?何で!?」
「ハァ~もう・・・分かったわ。後で中川さんに連絡しとく。じゃあもう帰って!また2週間後にね!」
「え?2週間後?」
「これから代表者として集中したいの!だからしばらく休み!あぁ行くんだったら三日以上は空けといてよ?はいもう解散!じゃあね!バイバイ!」
そう言って僕は事務所から追い出された。しばらく休みか・・・・とりあえず家に帰って、村の観光地とか美味しい物があるか探そう・・・
そして25日・・・いよいよ四獣村に行く日だ。僕は朝早くに目が覚め、荷物をまとめて事務所へ向かうと、既に慧子さんは中川さんが用意した車で待っていた。
「あぁど~もど~も!泉さんですねぇ?お待ちしてました!どうぞこちらへ!お乗りください!」
「あぁはい!おはようございます慧子さん・・・何でマスク?」
「ちょっと修業の旅にね・・・早く乗って」
なぜかマスクしてるし、目にクマが出来てる。代表として、熱心にお香の勉強をしてたに違いない・・・凄い覇気だ。
こうして僕達は岐阜県にある四獣村へ向かった。かなり長い距離だ・・・途中サービスエリアに寄って何度も休憩したりして、それ以外は寝てた。まぁそのおかげであっという間って感じだったな・・・
もうすぐ村に着く・・・山道をグルグルと回りながら進んでいる中、3本に分かれた道で急に車は止まった。
「あのぉ泉さん・・・申し訳ないんですが、ここで降りてくれませんか?」
「は・・・はい!?」
「代表から聞いたんですけど・・・あなたぁ犬派だそうですねぇ?犬派は犬村以外の村に行けないって決まりがありましてねぇ・・・すいません」
「えぇ!?そうなんですか!?ちょっ、そんなの聞いてない!」
最悪な事になった。僕は犬派だから鳥村へは行けないと?嘘だろ・・・・そんなのテレビで言ってなかったぞ!?
「あぁですけどぉちゃんと犬村の人に連絡してありますから、もうすぐ迎えが来ますんでここで待っててください!後ぉ宿も御用意してますんで!!すいませんホントに・・・」
「そ・・・・・・・・・そんなぁ・・・」
「あなたが鳥派じゃないのが悪いのよ!ホラさっさと出なさい!!」
犬派じゃなく鳥派だと言っておけば・・・そう後悔する中、僕は車から荷物と共に追い出された。もう12月だから結構寒いなぁ・・・何でこんな事に・・・
待って数分後・・・女性の人が僕を迎えに来てくれた。僕はすぐに車に乗り、慧子さん達が向かった道とは違う道へと向かって犬村へと急いだ。
「お泊りになる宿なんですけど・・・ちょっと気ぃ付けてほしいんですよぉ」
「気を付けてほしい?」
「はい・・・そこの宿にぃ犬村の代表さんが泊まられてますんでぇ、どうか静かにお願いしますね?」
犬村の代表!?これから僕が泊まる宿に代表が・・・・一体どんな人なんだろう?気になるな・・・・
読んでいただきありがとうございました!
重要なストーリーは結構長いよ・・・
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