焼殺 ショウサツ
校門をくぐり少し進むと、グラウンドには赤い木がそびえ立っていた。たどり着いたのはいいけど、この後どうすればいいんだ?入口のような場所無いし・・・・・だが恐る恐る木に触ってみると、まるで水風船のようにブヨブヨしていた。
『恐らくこの中に夢虫がいるはずよ・・・・・・・・・・・待って』
急に静かになった瞬間、なんと空から刀身の長い包丁が降って来た!
「ほ、包丁!?何で空から?」
『夢だからある程度の武器は出せるのよ。それを取って木をえぐってみて!』
木をえぐるって・・・なんっか嫌だなぁ・・・・僕は地面に刺さってる包丁を手に取り、思い切って刺すと・・・かなり深く刺さる!ハリボテって感じで薄く、全然硬くない!
『そのまま掘って進んで!』
「は、はい!!」
僕は指示に従い、包丁をザクザクと刺しながら掘り続けた。硬くなくてよかったけど、この先何が待っているのか・・・
ある程度掘り続けると、広い空間に出た。沼に覆われ、赤い木の根が雑草のように生い茂っている。まるで湿地帯だ・・・そしてその中央には・・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
大きい・・・心臓のような形をしている。まさかあれが夢虫なのか!?
『あれよ泉君!間違いないわ!さぁ早く行って!』
行けって簡単に言うけど、これホントに大丈夫なのか?罠って可能性もある・・・とはいえ悠長に考えてる暇は無い!仕方なく僕は恐る恐る沼に足をつけ、ゆっくりと中央へ向かった。
幸い水深は浅く、木の根に触っても何も起きずあっさりと中央へ進む事が出来た。問題はこの夢虫に包丁を刺したら何が待っているかだ・・・・そのままくたばってくれたらいいんだけど・・・
「ハァ・・・ハァ・・・よしやるぞ・・・・・フンッ!!」
ザクッ!!
僕は包丁を思いっきり夢虫に突き刺した!中からドロドロと血のような液体が流れ出し、沼は赤い液体で染まっていく・・・ただそれだけで何も起きない・・・・・これでいいのかな?どうも倒したって感じがしない・・・
「ハァ・・・ハァ・・・もう一発いくか・・・・ヨイショ・・・」
クギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!!!
包丁を引き抜いた瞬間、中から奇怪な音が響き渡った。周りにある木の根がピクピクと動き始めてる・・・これは嫌な予感!
『泉君逃げて!!』
慧子さんの声が聞こえたが、どうにもこうにも逃げ場がない・・・その時、沼の中に潜んでいた木の根に捕まり、体の自由を奪われた!マ、マズイ・・・!
「うぐっ!クソッ・・・・・ハッ!」
クギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!!!!
身動きが取れない中、夢虫が殻を破り、その姿を現した。長く巨大な蛇だが、目が無く吸盤のような口を持っている。ヒルに近いような茶色い生き物だった。
「こ・・・これが夢虫!?」
クギュゴオオオォォォォォォォォォ・・・・・
すると夢虫は口から細い触手を出し、僕のおでこに突き刺した!!!とてつもない痛みが体の全体に響き渡る・・・
「ぐ・・・ぐああああああああああああああああっ!!!!!」
『泉君!!!』
体に激痛が走る中、なぜか過去の記憶が走馬灯のように流れだした。
妹と和解した記憶・・・・・慧子さんと初めて出会った記憶・・・・・・幽霊屋を初めて知った記憶・・・叔母さんとの記憶・・・
あの時・・・・・事件の記憶が・・・・・狐と出会った記憶が・・・・・
『オイ・・・・俺ノ中ヘ入ッテクンジャネェヨ・・・・雑種ガァ!!!』
グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!
それは突然の事だった。目を開けると、夢虫が悲鳴を上げて燃えている・・・どうなってるんだ?慧子さんがやったのか?頭が痛い・・・もう何がなんだか・・・
『泉君大丈夫!?』
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・あ、頭が・・・これは一体・・・?」
グギャアアアアアアァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夢虫が燃えカスとなって消えていく。あの状況でどうなったらああなるのか・・・それよりも疲れた。もう無理・・・瞼が重い・・・
「ハァ・・・ハァ・・・・・・・うぅ・・・」
『泉君?泉君しっかりして!泉君!!!』
夢の世界が真っ白に消えていく・・・いや、僕の視界か・・・何も見えない・・・ただ真っ白に・・・染まって・・・・・
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