養子 ヨウシ
夜・・・テーブルにいろんな料理が並べられた。海鮮料理にお蕎麦、餃子や唐揚げに卵焼き、そして慧子さんの為に注文したマルゲリータもある・・・なんて豪勢な食事だろうか・・・
「こんなにいっぱい・・・ありがとうございます!」
「ええのええの!せっかく来てくれたんだけん!パーっと歓迎しぇなね!おーい!泉君にお茶!後ぉ酒持って来てぇ!」
「ちょっと姉さん?何でLサイズじゃないのよ?Мじゃないこれ・・・」
「МもLも同じでしょが!こっちが金払ぁたんだけん、文句言うな!」
「ぐぅ!このババア・・・もういいや!いただきます!」
そうして僕達は夕食を食べた。これ全部式神が作った料理だそうだけど、どれも美味しい!実家の味って感じで・・・そんな中、貴子さんはどういうわけか、唐揚げに餃子のタレを半分以上ぶっかけていた。しかも卵焼きにも、蕎麦にも・・・挙句の果てに海鮮料理にも・・・
「ちょっと!毎回そうだけど、何でもかんでもタレぶっかけないでよ!気持ち悪いわ!」
「やかましぃわ!!この餃子のタレこそ至高って事を何で分からんよ!?」
「誰も分からんわそんなの!」
どうやら貴子さんは餃子のタレが好きらしい・・・こんなにぶっかけて・・・相当なんだろうな・・・
夕食を食べ終えると、式神達は食器を下げて片付け始めている。式神って結構万能なんだな・・・一方でこっちは姉妹揃って酒に酔ってた。特に慧子さんがあまりに酷い・・・もうあんなに顔赤くなってる・・・
「全くぅ・・・酒弱ぇわね慧子は~」
「うるさぃ・・・ねぇ!?もっと酒ないのぉ!?持って来てよぉ!」
「もうやめちょけやめちょけ~・・・ごめんねぇこげな妹で・・・」
「いえ・・・こういう人には慣れてますから・・・」
慧子さんもだけど、叔母さんもそうだった。よく酒飲んで酔い潰れて・・・・ダメ人間丸出しで・・・・そんな叔母さんだったけど、僕を信じてくれた人だ。今でもホントに感謝してる・・・っと、昔の事を思い出したその時だった。
「うるさぃ!血ぃ繋がってもないのに妹って言うんじゃないわよ!」
え?血繋がってない!?えっと・・・どういう事だ?貴子さんとは本当の姉妹ではないのか?
「ちょっと慧子あんた・・・!!」
「うるさぃ・・・・・・・zzzzzzzzzzzzzzzzzz」
「ハァ~・・・・まったくこげ妹は・・・・」
ぐったり酔い潰れて眠ってしまった・・・貴子さんは式神達に命じ、慧子さんを奥の間へと運んで行ったけど・・・・・・でも今の事がどうも気になる。血繋がってないって・・・一体?
慧子さんが運ばれてからしばらく経ったけど、変に気まずい雰囲気が続いていた。貴子さんは黙って酒を飲んでるしで・・・どうにも慧子さんの事を聞き出せない。
「ハァ~・・・・・・・・・・・・ごめんなぁ泉君・・・あげな妹で」
「い、いえ・・・あのぉ貴子さん・・・慧子さんの・・・・」
「言いたぁ事は分かっちゃぉわ・・・慧子よろ?もぉ昔の話よぉ・・・」
貴子さんは特別に昔話を聞かせてくれた。
今から20年以上前、この家に一人の男が慧子さんを抱えてやって来た。その男が本当の父親かどうかは分からない・・・・男は貴子さんのご両親に事情を説明した後、慧子さんをこの家に預けた・・・
なぜそんな事になったのか・・・それは20年以上経っても未だ分かっていない。両親にその事を何度も聞いたが全く喋ってくれず、病気で亡くなられる最期になっても・・・真実を語らなかった。
全ては闇の中・・・唯一の手掛かりは、引き取った時に首に着けていた勾玉の首飾り。しかしそれが誰の物でどこの物なのか・・・慧子さん本人ですらまだ分かっていないらしい。
「当時の慧子はなぁ・・・目が死んじょった。いや心が死んじょったよ。人形みてぇに・・・だどもあたしらで何とか苦労してぇ、あげな生意気な感じに育ってしまぁた。まぁ元気なぁてええけどね・・・あげな事を何度も言ぃけど、そぉでもあたしの大事な妹なぁよ!血ぃ繋がっちょらんとかそげなの関係なぇ!」
「貴子さん・・・・」
「フンッ・・・泉君、あげな馬鹿野郎な妹だども、どうかよろしゅうね?」
「・・・はい!助手として頑張ります!!」
「フンッ・・・だんだんね泉くzzzzzzzzzzzzz・・・・」
「あ、あれ?貴子さん?貴子さん!?・・・ハァ~マジか・・・」
突然のように机にぐったりして眠り始めた。しかしまさか慧子さんにそんな事情があったなんて・・・じゃああの時見た記憶は・・・慧子さんがここへ引き取られる前の記憶って事か?どうにも分からない事だらけだなぁ・・・
翌日・・・朝目が覚めた時、不快な声が聞こえ始めた。
「「おえええええぇぇぇぇ~~~!」」
慧子さんはトイレにへばりつき、貴子さんは台所でゲロをぶちまけている。最悪の光景だよ・・・その後、お互い胃の中をスッキリさせた後、姉妹揃って机にぐったりとして満身創痍だった。
「あぁ気色悪ぃ・・・泉君悪いんだけどさぁ、一人で帰ってくれる?私ぃお盆終わったら帰るから・・・気を付けてね・・・うぇ・・・」
「えぇ・・・はい、分かりました・・・・お大事に」
「うぅ・・だんだんね~泉ぃ君ぅ・・・また来てぇね~・・・」
二人は机にうずくまって死んだような状態だった・・・・まぁ式神が看病してくれてるし大丈夫だろう。僕は貴子さんにお礼を言って駅へ向かった。ついでにお土産買っとこ・・・
読んでいただきありがとうございました!
出雲弁きっつい~~~
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