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幽霊屋   作者: ダストン
第九章  実家の姉
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養子  ヨウシ

夜・・・テーブルにいろんな料理が並べられた。海鮮料理にお蕎麦、餃子や唐揚げに卵焼き、そして慧子さんの為に注文したマルゲリータもある・・・なんて豪勢な食事だろうか・・・


「こんなにいっぱい・・・ありがとうございます!」


「ええのええの!せっかく来てくれたんだけん!パーっと歓迎しぇなね!おーい!泉君にお茶!後ぉ酒持って来てぇ!」


「ちょっと姉さん?(なん)でLサイズじゃないのよ?Мじゃないこれ・・・」


「МもLも同じでしょが!こっちが金払ぁたんだけん、文句ごだく言うな!」


「ぐぅ!このババア・・・もういいや!いただきます!」



そうして僕達は夕食を食べた。これ全部式神が作った料理だそうだけど、どれも美味しい!実家の味って感じで・・・そんな中、貴子さんはどういうわけか、唐揚げに餃子(ぎょうざ)のタレを半分以上ぶっかけていた。しかも卵焼きにも、蕎麦にも・・・挙句の果てに海鮮料理にも・・・


「ちょっと!毎回そうだけど、(なん)でもかんでもタレぶっかけないでよ!気持ち悪いわ!」


「やかましぃわ!!この餃子のタレこそ至高って事を(なん)で分からんよ!?」


「誰も分からんわそんなの!」


どうやら貴子さんは餃子のタレが好きらしい・・・こんなにぶっかけて・・・相当なんだろうな・・・







夕食を食べ終えると、式神達は食器を下げて片付け始めている。式神って結構万能なんだな・・・一方でこっちは姉妹揃って酒に酔ってた。特に慧子さんがあまりに酷い・・・もうあんなに顔赤くなってる・・・


「全くぅ・・・酒弱ぇわね慧子は~」


「うるさぃ・・・ねぇ!?もっと酒ないのぉ!?持って来てよぉ!」


「もうやめちょけやめちょけ~・・・ごめんねぇこげな妹で・・・」


「いえ・・・こういう人には慣れてますから・・・」


慧子さんもだけど、叔母さんもそうだった。よく酒飲んで酔い潰れて・・・・ダメ人間丸出しで・・・・そんな叔母さんだったけど、僕を信じてくれた人だ。今でもホントに感謝してる・・・っと、昔の事を思い出したその時だった。




「うるさぃ!血ぃ繋がってもないのに妹って言うんじゃないわよ!」





え?血繋がってない!?えっと・・・どういう事だ?貴子さんとは本当の姉妹ではないのか?


「ちょっと慧子あんた・・・!!」


「うるさぃ・・・・・・・zzzzzzzzzzzzzzzzzz」


「ハァ~・・・・まったくこげ()は・・・・」


ぐったり酔い潰れて眠ってしまった・・・貴子さんは式神達に命じ、慧子さんを奥の間へと運んで行ったけど・・・・・・でも今の事がどうも気になる。血繋がってないって・・・一体?






慧子さんが運ばれてからしばらく経ったけど、変に気まずい雰囲気が続いていた。貴子さんは黙って酒を飲んでるしで・・・どうにも慧子さんの事を聞き出せない。


「ハァ~・・・・・・・・・・・・ごめんなぁ泉君・・・あげな妹で」


「い、いえ・・・あのぉ貴子さん・・・慧子さんの・・・・」


「言いたぁ事は分かっちゃぉわ・・・慧子よろ?もぉ昔の話よぉ・・・」



貴子さんは特別に昔話を聞かせてくれた。


今から20年以上前、この家に一人の男が慧子さんを抱えてやって来た。その男が本当の父親かどうかは分からない・・・・男は貴子さんのご両親に事情を説明した後、慧子さんをこの家に預けた・・・


なぜそんな事になったのか・・・それは20年以上経っても未だ分かっていない。両親にその事を何度も聞いたが全く喋ってくれず、病気で亡くなられる最期になっても・・・真実を語らなかった。


全ては闇の中・・・唯一の手掛かりは、引き取った時に首に着けていた勾玉(まがたま)の首飾り。しかしそれが誰の物でどこの物なのか・・・慧子さん本人ですらまだ分かっていないらしい。



「当時の慧子はなぁ・・・目が死んじょった。いや心が死んじょったよ。人形みてぇに・・・だどもあたしらで(なん)とか苦労してぇ、あげな生意気な感じに育ってしまぁた。まぁ元気なぁてええけどね・・・あげな事を何度も言ぃけど、そぉでもあたしの大事な妹なぁよ!血ぃ繋がっちょらんとかそげなの関係なぇ!」


「貴子さん・・・・」


「フンッ・・・泉君、あげな馬鹿野郎あほたれな妹だども、どうかよろしゅうね?」


「・・・はい!助手として頑張ります!!」


「フンッ・・・だんだんね泉くzzzzzzzzzzzzz・・・・」


「あ、あれ?貴子さん?貴子さん!?・・・ハァ~マジか・・・」


突然のように机にぐったりして眠り始めた。しかしまさか慧子さんにそんな事情があったなんて・・・じゃああの時(絵獣)見た記憶は・・・慧子さんがここへ引き取られる前の記憶って事か?どうにも分からない事だらけだなぁ・・・






翌日・・・朝目が覚めた時、不快な声が聞こえ始めた。




「「おえええええぇぇぇぇ~~~!」」




慧子さんはトイレにへばりつき、貴子さんは台所でゲロをぶちまけている。最悪の光景だよ・・・その後、お互い胃の中をスッキリさせた後、姉妹揃って机にぐったりとして満身創痍だった。


「あぁ気色悪ぃ・・・泉君悪いんだけどさぁ、一人で帰ってくれる?私ぃお盆終わったら帰るから・・・気を付けてね・・・うぇ・・・」


「えぇ・・・はい、分かりました・・・・お大事に」


「うぅ・・だんだんね~泉ぃ君ぅ・・・また来てぇね~・・・」


二人は机にうずくまって死んだような状態だった・・・・まぁ式神が看病してくれてるし大丈夫だろう。僕は貴子さんにお礼を言って駅へ向かった。ついでにお土産買っとこ・・・

読んでいただきありがとうございました!


出雲弁きっつい~~~


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