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幽霊屋   作者: ダストン
第八章  絵に潜む獣
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籠子  コモリゴ

慧子さんが・・・慧子さんが怪物に喰われた・・・バクンッと丸呑(まるの)みされて・・・そんな・・・絶望が一気に濁流(だくりゅう)のように押し寄せて冷静になれない。どうすればいいんだ・・・どうすれば・・・



ググググゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・!!!!



マズイ!今度は僕を睨み始めた!すぐ逃げようと走ったが、怪物は瞬時に僕を掴んだ!!巨大化したからかもう獣の足ではなく、人間と同じ5本指の手の形になってる。それに凄い(ちから)だ・・・抵抗しようにも簡単に引っ張られてしまう!


「グゥゥゥ!!ク・・・クソォ!うわぁ!」


ググググゥゥゥゥゥゥ・・・!!!


怪物は僕を持ち上げ、口を大きく開け始めた。もうこれまでか・・・ごめん・・・慧子さん・・・・













           ーー月夜 慧子視点ーー


目が覚めるとそこは真っ白い世界だった。風も音も何も無い白い空間・・・まさかこれが絵獣の体内?そういえば私喰われたんだっけ?実際来たのは初めてだけど、こんな退屈な場所だったとはね・・・


待てよ?ここが絵獣の体内ならば、どこかに少年と核があるはず・・・っと言ってもこんな何も無い場所じゃあねぇ・・・ん?


「誰!?」


どこからか声がしたと思ったら、目の前に一人の白シャツ少年がいた。手には()()()()・・・って事は、彼が赤石(あかいし) 洋一(よういち)君ね。それに・・・絵獣の核を持ってる!


「だ、誰ですかあなたは!?ここは僕と母さんの部屋ですよ!?一体どこから?」


「こんばんは洋一君。私は・・・あれ?名刺が無い?・・・まぁいいわ。あなたを助けに来たの。だからその絵・・・渡しなさい」


「え?助けに来たって・・・・・・い、嫌だ!あんなとこ戻りたくない!ここには母さんがいる・・・絶対行くもんか!」



その核を壊せば絵獣は死んで、私達は無事に帰れる・・・はず。内側から破壊するなんてやった事ないし、どうなるかは分からない。それでもやらなきゃ・・・早くしないと泉君が危ないし・・・


「父さんなんていっつも仕事の事ばかりで大嫌いだ!でも母さんは・・・母さんだけは優しくしてくれる・・・ほら!ここだよ母さん!」


この空間・・・(なん)らかの幻覚作用があるみたいね。この子に(まぼろし)を見せてる。ホントは誰もいないのに・・・こうなったら力尽(ちからず)くでやるしかない!


「く、来るな!来るなぁ!!僕と母さんに近づくな!」



その時、ポケットから何か取り出した。あれは・・・カッターナイフ?


「フッ・・・そんなモン持っちゃって・・・どういうつもり?」


「うるさい!ホントはこれで・・・死ぬつもりだったんだ!絵を描き終えた後にねぇ!でもこの絵が、母さんがいる所へ導いてくれた・・・だから誰にも渡さない!母さんを・・・渡さない!!」


とんだマザコン野郎だわ。あんなモンで私を倒せると?こっちは師匠仕込みの護身術(ごしんじゅつ)があるわ。仕方ない、ちょっとお仕置きを・・・








(マッタ)ク・・・困ッタ()ダ・・・・・・』






「え?」



後ろから声が聞こえた瞬間、空間が爆発して吹き飛んだ。前にも聞いたような声・・・小さい時からずっと・・・一体誰なの?誰・・・・







           ーー泉 幸多視点ー-


もうダメかと思った・・・その時、突然怪物が苦しみ出し、パンッ!と風船のように割れた!?


「ど、どうなってるんだぁ!?これは・・・・ハッ!」


目の前に慧子さんが倒れてる!それに白いシャツを着た男の子も・・・もしかしてこの子が洋一君?じゃあ核は?まさか慧子さんが内側から破壊したのか?そう頭の中がモヤモヤしたその時・・・後ろに誰か()()()()いる気配を感じた。



『ソウカ・・・(キミ)()()()()()()()()・・・』



「え?・・・うっ!ぐああああああああああああああっ!!!!」



そう聞こえた瞬間、頭の中がキーーーンッと轟音が響き激痛が走った。痛い・・・痛い・・・あ、あれ・・・頭に何か・・・入って来る!!??



ママ・・・・パパ・・・・


郁子いくこ・・・・ほら来なさい郁子!・・・ハハハ


今日は郁子の誕生日だ!・・・・おめで・・郁子!


あり・・う!パパ!ママ!


・・・・お姉ちゃん!遊ぼ!


あっ・・・子ちゃん!・・・また来てくれたの?


うん!・・・私達秘密の・・だもんね!


郁子ちゃん・・・ありが・・・・ハッハッハッハッハッハ!


お前は・・・選ばれた!荒神(あらがみ)・・・・・・・・これより神憑かみつき・・を・・(おこな)う!


郁子おおおおおお・・・・おおお!!


郁子おおおおおおおお・・・・!!


パパ!!・・・・ママ!!・・・・




「ハッ!!・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・い、今のは!?」


ようやく痛みが消えた・・・でもあれは一体なんだ!?今のは誰かの・・・記憶?まさか慧子さんの?でも郁子(いくこ)って・・・・・後ろには誰もいない!もうどうなってるんだ!?


「う、う~~~~ん・・・あれ?ここは・・・え!?あれ!?泉君!?」


「ハァ・・・ハァ・・・け、慧子さん・・・大丈夫ですか?」


「そ、そっちこそ大丈夫?ってか(なん)で帰ってるの?あれ?」



何が起こったのか・・・お互いもうさっぱりだった。とにかく無事のようだし、今はその事に喜ぶべきなのか・・・何があったか問い詰めるべきなのか・・・もう頭の中がグチャグチャで分からなかった。




ただ一つ分かるのは・・・絵獣がいなくなって、真っ白いキャンバスだけが残っていたという事だ。





あの後・・・・洋一君は病院に搬送されたが、どうにもモヤモヤしてスッキリせず眠れなかった僕達は仕事を休みにして、事務所の掃除に専念する事にした。


昼頃になって社長代理の男女3人・・・そして社長本人がやって来て、絵を解決してくれた感謝のお礼と報酬を貰ったけど・・・洋一君についてはあまり良い知らせではなかった。精神病院に入院中だそうで、かなり精神的にボロボロらしい・・・


そう僕達に教えた後、社長さん達は事務所を出て行った。あまりスッキリしない依頼解決になってしまったな・・・それにあの声と・・・あの記憶は一体?何もかも疑問になる中、僕達はがむしゃらになって掃除を続けた。

読んでいただきありがとうございました!


玄米は醤油が一番!


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