面屋 メンヤ
暑い日が毎日のように続き、いよいよ夏本番となった。もうすぐ夏休みだけど、どこかへ遊びに行く計画はしていない。多分ずっと仕事続きになるかな・・・・今日事務所は休みだし、そのまま家に帰ろうと道を歩いていたその時・・・
チリーン・・・チリーン・・・チリーン・・・・
どこからか鈴の音が聞こえる?しかも音がだんだんと僕に近づいて来るような・・・後ろか!?
チリーン・・・チリーン・・・チリーン・・・
振り返ると・・・お坊さんの服を着て、鈴を付けた杖を叩いて鳴らしながらゆっくりと歩いている!最初は修行僧か寺のお坊さんかと思ったが、頭全体を覆い隠している笠を被り、頭上にローソクが火を灯しているの見て・・・・ただの僧でないとすぐ分かった!
「(な、何だコイツ!?・・・・あれ?)」
幽霊かと思ったけど、そのあまりに目立つ姿を撮影している人達を見て、恐らくこの人は幽霊じゃないな・・・とはいえかなり不気味だ・・・僕は僧を避けて後ろ姿を写真に収めた後、その場を後にした。
一体あの僧は何者なんだ?どこかの寺のお坊さんか?それとも何かのイベントなのか?今日は事務所休みだし・・・家に帰って調べてみよう。
翌日、あれからあの僧の事を調べたけど・・・どうしてなのか全く情報が出なかった。あんな目立ってるのに何者なのかすら分からないなんて・・・・妙に気になるな・・・事務所に行って慧子さんに聞いてみるか・・・
「あぁ・・・面屋の事ね」
「面屋?」
「面屋は私達みたいな裏の仕事をしてる人達よ。しかし珍しいわねぇ?この時期に面屋が来るなんて・・・普通は真冬とかなんだけど・・・・」
「へぇ・・・面屋って何の仕事ですか?お面を売るとか?」
「う~~ん口で説明するのもなぁ・・・あっそうだ!面屋に知り合いがいるんだけど、連絡してあげるから会って確かめに行けば?」
「えぇ!?そんな事が!?」
「結構面白いわよ~?いい社会勉強にもなるわ!どう?」
「えぇ~っと・・・まぁ気になるし・・・・はい!お願いします!」
まさかその面屋の職業体験が出来るとは・・・ちょっと好奇心と興味が湧いて来たしやってみるか!あまり大変な職業じゃないといいんだけど・・・
次の日、僕は夜の公園にあるベンチで待ち続けた。いわゆる待ち合わせだ・・・・面屋の青木さんって人が来てくれるらしいけど、何かドキドキして来た・・・
チリーン・・・チリーン・・・チリーン・・・
この鈴の音は・・・あのローソク・・・き、来た!!!
「こんばんは・・・君があの幽霊屋の、泉 幸多さん・・・ですかな?」
「は、はい!!」
「初めまして、私は面屋の青木 雄造と申します。そんな緊張しないでいいですよ?それともこの格好が怖いですかな?ハハハハ・・・まぁ無理もありませんがねぇ。でもこれが面屋の正装なんです。これが絶対なんですよ・・・ハハハハ・・・」
気さくな人のようで安心したのか、緊張が一気に緩んだ。でもこうして改めて見ると、やっぱり不気味な格好だ。そもそもこんな服装で街中を歩くなんて・・・
「さて、早速仕事しに行きましょうか!お客さんが待ってますんでね・・・今日は私の助手として手伝ってください。あぁでも安心していいですよ?難しい事なんてありませんから!ハハハハ・・・では!お願いしますね?」
「あぁはい!よ、よろしくお願いします!」
僕はそう言って青木さんについて行った。何をやるんだろうか・・・今になって嫌な予感がして来た。
読んでいただきありがとうございました!
面屋編スタート!!
面白い!つまんない!と思ったら下の☆評価応援をお願いします。
☆1でも正直な感想でも大丈夫です。
ブックマークもいただけると幸いです。
何卒よろしくお願いいたします




