身代 ミガワリ
最後の標的を狙う死魔・・・・九条駅に着いた僕達は早速、境さんの家を探した。赤い屋根の家・・・どこだ・・・どこにあるんだ?急ぎだったからか、花子さんにもっと詳しい情報を聞いとくべきだった。
「えっとぉ・・・どこどこ・・・・あっ!あったわ!」
住宅街周辺を探し回ってようやく赤い屋根の家を見つけた!表札に「境」と書いてある・・・ここで間違いない!幸いまだ死魔は来ていないし・・・慧子さんはすぐインターホンを押すと、一人の女性が出て来た。多分お母さんだろう・・・
「あぁどうも。私達警察の関係者でして、境 太一君はおられますか?学校で起きた事件の事で少しお話を伺いたいのですが・・・」
「太一なら部屋にいますが・・・太一!警察の人が・・・・・」
バリンッ!!!
「「「!?」」」
二階からガラスが割れる音がした。その後に男性の悲鳴が聞こえる・・・まさか!死魔が境さんを襲ってるのか!?僕達はお邪魔して玄関近くの階段を急いで上り、悲鳴が聞こえる部屋の扉を開けると・・・・
「た、助けて!!!助けて!!!ひ、引っ張られるぅ!!!」
金髪の男・・・もとい境さんが何者かに足を引っ張られていた!よく見ると白い糸が足に巻き付いていて、その糸は割れた窓ガラスの外から来ていた!
「さ、境さん!」
「え!?誰!?あぁ誰かは知らねぇけど助けてぇ!!」
僕は境さんの手を掴み引っ張るが、相手の力が強すぎて逆に引っ張られてしまう!マ、マズイ!どうすれば・・・その時、慧子さんがポケットから札を出して・・・
「剣硬刃鋭!フンッ!!」
呪文をかけた札を糸に向けて振り降ろすと、まるでナイフのように軽々と糸を切った。なんとか助かった・・・すると、糸はウネウネと這いずり回り、窓の外を出て上へ上へと昇って行く・・・まさか・・・
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・な、何だよ!?どうなってんだよ!?急に窓が割れて引っ張られて・・・ってかアンタら誰ぇ!?」
「シィ!静かにして・・・奴が・・・上にいるわ」
クカァ・・・・クロロロロロロ・・・・コロロロロロロォォォォ・・・・
天井から唸り声のような聞こえてくる。まるでこの世のものとは思えない怪物の唸り声が・・・すると今度は・・・
ドンッドンッ・・・ドンッ
屋根を叩く音?いや、移動しているようにも聞こえるけど・・・境さんはその音が何か分からずビクビクと震えている。
「泉君、彼を外へ連れ出すわ。急いで」
「は、はい!境さん!ちょっと一緒に来て!」
「えぇ!?何でだよ!?ってかアンタら誰なんだよぉ!?」
「説明は後でするから・・・とにかく早く!」
すると次の瞬間、屋根にいる死魔が黒い足を突き刺し、天井の壁を突き破った!!
「うわあああああああああっ!!何だあああああっ!?」
「早く出るわよ!急いで!」
破片とホコリが舞い散りパニックになる中、僕は慧子さんの指示に気付き、すぐに僕達は境さんを外へと連れ出した。外へ出て屋根を見ると、とてつもないデカい蜘蛛が僕達を見つめている・・・あれが死魔・・・まるでモンスター映画に出て来るようなデカさだ。
「お母さん!ちょっと息子さん借りますね・・・何してるの!早く乗って!」
慧子さんの声に気付いた僕はすぐに境さんを車の後ろに乗せた。境さんはもう失神寸前でバテバテだったけど・・・さて、これからどうするんだ?
「よし・・・事務所に帰るわよ」
「え?事務所に!?ど、どうして?」
「死魔をどうにか出来る道具が事務所にあるの。それを取りにね!」
道具?死魔を倒せる道具が事務所にあるのか?何かは分からないけど、とにかく僕達は急いで事務所へ向かった。
僕達は事務所に戻り、僕は失神寸前の境さんをイスに座らせ、コップに入れたお茶を渡したけど、一方で慧子さんは棚からお香や何かの道具一式をビニール袋に入れ始めてる・・・どんな方法で死魔を倒すんだ?
「えーっと、お香はこれでよしっと・・・・後はコレね。泉君来て!」
慧子さんに呼ばれて奥のクローゼットへ向かい、中には幾つかの衣服の他に・・・デカい藁人形が置いてある!?何じゃこりゃ・・・?
「これは身代わり用に使う人形よ。コイツを使って奴を騙してやるわ」
「騙す?」
「奴を倒すなんて、いくら私でも無理よ・・・だからこれをあのガキの身代わりに見立てて、契約を完了させるわ。死魔って案外バカだからねぇ・・・」
「でも・・・大丈夫なんですか?もしバレたりしたら・・・」
「大丈夫。たとえ契約者が気付いても、奴が気付かなきゃそれでいいの・・・・・じゃあこれ車に入れといてね!」
これを車に?入るかな?デカい藁人形を試しに持ってみると・・・めっちゃ重い!藁でこんなに重いのか・・・・僕はなんとか引きずりながら持って車の後部座席にギリギリ入れた。顔とか足とか窓の外にはみ出ちゃったけど・・・
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