花子 ハナコ
死魔・・・一体どんな奴か慧子さんに聞いてみると、霊の願いを叶えてくれる復讐代行者だそうで、僅かに怨みを持って死ぬと、稀に黒い獣が現れる・・・・それが黄泉の世界に住む怪物、死魔。
死魔と契約を結ぶと、怨んでる人間を殺してくれるが、その代償に自分を差し出さねばならない。つまり依頼人の魂を喰らう事が、死魔の報酬となる。獣と言ってもいろんな種類がいるそうで、慧子さんは昔、猫の死魔を相手にした事があるそうだけど、今回は蜘蛛らしい・・・それもかなりデカいそうだ。
「ここで問題になって来るのが・・・次に誰を狙うのか、誰が死魔と契約してるのかって事よ。そこが分かんないのよねぇ・・・・・・アイツの出番か」
「アイツ?」
「情報屋よ。すぐ近くにいるわ・・・じゃあ畑山さん後よろしく~!」
「おぉい!全くしょうがねぇなぁ・・・その代わり、そっち頼むぜ?」
「分かってる・・・行くわよ泉君」
「は、はい!」
情報屋って誰なんだろう?少し興味が出て来る中、僕達は3階へ行って・・・・・どういうわけか慧子さんは女子トイレの中へ入った。え?ま、まさかここに?そんなバカな・・・
「あの・・・どうしてここに?」
「泉君?トイレの花子さんって知ってる?」
トイレの花子さん!?都市伝説とか学校の怪談で有名なあの花子さん?赤い吊りスカートを履いて、おかっぱ頭の女の子・・・まさかその花子さんが情報屋とかって言うんじゃ・・・
「そのまさかよ・・・確かに幽霊として有名だけど、私達の世界では情報屋として名が通っているの。アイツにとっては副業みたいなモンよ」
「副業・・・ですか・・・」
「まぁ見たら分かるわ。じゃあ呼ぶわよ・・・
花ぁ~子さん!情報く~だぁさぁ~いな!
」
慧子さんは4つ目のトイレの中から3つ目を選び、トントンとノックしてそう言った。その時、トイレの内側から・・・
・・・・コンッコンッ!
内側からノックの音・・・まさか中に花子さんが・・・すると慧子さんはその場でしゃがみ込み、扉の下の僅かな隙間に幽霊屋の名刺を半分差し込んだ瞬間・・・・名刺がシュッ!っと奥へ入って行った。
『幽ぅ~~霊ぇ~~屋ぁ~~・・・てめぇか・・・・!!』
荒々しい女性の声が中から聞こえてくる・・・その時、扉がギギギとゆっくり開き始めた。中には誰もいなかったが、洋式トイレのフタが突然開き、中の水がゴボゴボとなくなっていく・・・そして中央の穴から、ヌッと人の顔が姿を現した。
頭だけで体は出さなかったが、おかっぱ頭に白い肌の丸顔・・・とても鋭い目をしている。こ、これがあの有名な花子さん?でもどうしてトイレから体を出さないんだ?
『ふぃ~・・・久しぶりだなぁ慧子ぉ!そのツラ二度と見たくなかったぜ!』
「久しぶりね花子。相変わらずブサイクな顔してるわね?・・・って言うか何で顔だけ出してんのよ?体無くした?」
『黙りゃ!てめぇのせいだぞ!あたしにあんな恥ずかしい事させやがってぇ!おかげで外も出れねぇよ!あのデカ犬の件で手ぇ貸したばっかりに・・・!』
「まさか・・・まだあの時の事を根に持ってんの?あれはあんたが張り切りすぎたからでしょ?私のせいじゃないわこのドチビのババア!」
『誰がドチビじゃゴルァ!全く幽霊屋ってのは口が悪ぃ連中しかいねぇなクソがぁ!お前も!あのババアも!』
「師匠よりもババアのくせによく言えるわね?」
『うるせぇタコ!』
怒鳴り散らす花子さんだけど・・・・あれぇ何でだろう・・・思ってたイメージと違う。これがあの有名なトイレの花子さんなのか?怖い奴だと思ってたけど、全然そんな気がしない・・・
『おいそこのガキ!幽霊屋の助手やってるって噂のガキはよぉ・・・おめぇか?』
「え!?ど、どうしてそれを・・・!?」
『あたしが情報屋だからに決まってるからだろうがぁタコ!泉 幸多ってチンケな名前してるだろぉ~?あぁ?『奇跡の子』がよぉ!』
奇跡の子・・・その言葉を聞いて僕はイラっときた。二度と聞きたくない言葉なのに・・・言われて凄いムカついてくる・・・
「何の事か分からないけどさぁ、私は死魔の情報が欲しいからアンタを呼んだの。知ってるわよね?ここで巣を張ってる奴を・・・」
『あぁあのバケモンか・・・契約した奴が誰か知りてぇんだろ?須藤 真紀ってクソガキだよぉ!数日前にこの学校の屋上で飛び降り自殺をした野郎だ!』
須藤 真紀・・・学校の屋上で飛び降り自殺した女子生徒だ。まさかその人が死魔の契約者・・・さらに話を聞くと、生前は同じクラスにいた4人の男女からイジメを受けていたそうだ。それに耐え切れなくて自殺を・・・しかし死ぬ一瞬、そいつ等を殺したいという僅かな怨念が死魔を引き寄せ、そして契約を結んでしまった。自分が喰われる事を承知の上で・・・
『そして残るは後1人・・・・境 太一って小僧だ。今は九条駅近くにある赤い屋根の家で、ビクビクと震えてるはずだぜ?死魔に襲われる前に早く行くんだな!キャキャキャキャッ!』
「泉君行くわよ!!」
「は、はい!」
僕達は急いで学校を出て車へ戻り、全速力で向かった。間に合うといいけど・・・
読んでいただきありがとうございました!
一眼カメラほちい・・・
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