雀拳 ジャンケン
博打坊やが荒川さんの魂を奪った。さてどうすんだこれ・・・?
「そういえば賞金は?私これでもトップなんだけど?」
『あぁそうだったね!はい!あ~げる!!』
パチンッ!
坊やが指をパチンッと鳴らした瞬間、部屋の天井からドサドサと分厚い札束が落ちて来た!どれも現代で使える日本の紙幣・・・全部1万円札・・・どれぐらいあるんだ?
『5千万おめでとう!いやぁ~お姉さん~凄いねぇ~~!』
「ご、5千万!?こ、これ全部・・・本物!?」
「フッ・・・どうせ参加した奴からふんだくった金でしょ?」
『へへへへ・・・まぁね!死人は金なんて使えないし!さてどうする?もうやめる?それともぉ~もっと欲しいならぁ~~何する?』
普通ならこれ持って帰りたいって言いたいが、荒川さんはどうなる?ん?待てよ?ふとある事を思ったんだが、ゲームに勝って魂を元に戻すっていう事は出来ないのだろうか?その時、慧子さんが・・・
「ねぇ?負けた奴の魂を元に戻すとか出来ないの?」
『出来るよ!博打で僕に勝てばの話だけど・・・』
「ならいいわ・・・腐っても幽霊屋の依頼人だし、助けないとね」
やっぱり・・・・博打に勝って荒川さんの魂を元に戻すしか方法がない。とはいえ坊やに勝てる博打なんてあるのか?僕はもう慧子さんに期待するしかなかった。
『さてと・・・・何する?』
「そうね、簡単なやつをやりましょ・・・・じゃんけんよ」
「じゃ、じゃんけん!?」
あまりにシンプル・・・・いやめちゃくちゃシンプルすぎる!!じゃんけんって・・・ってかそれ博打と言えるのか?
『じゃんけん~~~?いくらなんでもそれは・・・』
『博打じゃないと?じゃあこうしない?私があなたに10回連続で勝つってルール。もし1回でも負けたら・・・私の魂をあげるわ』
「『!?』」
これは坊やもビックリだった・・・いや無謀すぎるだろ!絶対無理だ!少なくとも3回とかならまだ分かるけど・・・10回連続なんて・・・何を考えてるんだ!?
「どんなゲームであれ、運が絡めば博打よ。もし私が全勝すれば、荒川さんの魂と・・・この金の倍の金額を貰うわ。どう?面白いと思わない?」
『随分と大きく出たねお姉さん・・・でもやめたほうがいいと思うよ?こう見えて僕ぅじゃんけん強いしねぇ~~10回連続勝ちなんて無理無理~~』
「やってみなきゃ分からないでしょ?それとも私にビビってんの?博打好きな小僧のくせに・・・」
『むむむ・・・言ったなぁ~!はいはい分かったよ!やってやろうじゃないか!』
負けた・・・これは確実に負けた・・・いくらなんでも無理だ・・・もう勘弁してほしい気分だよ。胃がキリキリして来た・・・
もう終わったと絶望する中、慧子さんはじゃんけんを始める前にタバコを吸い始めた。これが最期の一服ってやつか・・・・そんな中、慧子さんがタバコをスーッと吸い、坊やに向けてフーッと吐き始めた。
『うわっ!ゲホッ!ゴホッ!ちょっ・・・お姉さん!』
「あぁごめんごめん、アンタが未成年だって忘れてたわ・・・じゃあ始めるわよ」
『ゲホッ!もう・・・・いくよ!』
「じゃ~んけ~ん・・・・ポン!!』
1回目は・・・グーとチョキで慧子さんが勝利した。まだ始めの1回目なのにホッとしてしまう。後9回・・・・ホントにやれるのか?
『あぁ負けちゃった・・・でも全然余裕余裕!じゃあ次行くよ!!』
「じゃんけん・・・ポン!』
『よし!僕の勝ちだ!!だから言ったでしょお姉さん?絶対無理だって・・・』
え?何を言ってるんだ?どうして負けたのに勝ったって・・・
「何言ってんの?よく見なさいよ・・・あんたの負けよ」
『は?な、何を言ってるのお姉さん?お姉さんはパー出して僕がチョキ・・・あ、あれ?』
何を言ってるんだ?パー?慧子さんはグーを出したけど・・・・あれ?何か坊やの様子がおかしいぞ・・・
『え?あぁ?え?な、何で!?で、でも確かにパー出して・・・』
「ほら続き行くわよ・・・まだ8回もあるんだから・・・せ~の・・・」
「じゃんけん・・・ポン!』
『よ、よし!!今度こそ勝った!!』
「はぁ?何言ってんの?負けてるでしょあんたぁ?」
『え?・・・・・・・・・・・・え、えええっ!?あ、あれ!?え!?』
一体何が起こってるんだ?どうなって?もう頭が困惑して来た。それからというものの、慧子さんは勝ち続けて・・・いよいよ最後のじゃんけん勝負となった。坊やはかなり焦って息を荒くしている。嘘だろ・・・・・ま、まさかこんな事が・・・
「いやぁ今日はツイてるわねぇ。じゃあ最後と行きますか・・・」
『ググググググググ・・・ふ、ふざけんな!!絶対何かしてるだろ!?』
「何?私がイカサマしてるって言いたいの?どんなイカサマ?言ってみ?」
『そ、それは・・・ググググググググッ!クソッ!もういい!これで最後だ!絶対勝ってやる!!!』
「その意気込みは良しね・・・じゃあ行くわよ・・・」
「じゃ~んけ~ん・・・・・ポン!!!!!』
最後の10回目は・・・・・・グーとチョキ・・・慧子さんが勝った・・・
『あ・・・あ・・・・あぁ・・・・そ・・・・そんな・・・・』
「はい・・・私の勝ちね」
坊やは崩れ落ち、慧子はニヤリと笑みを浮かべた。これは奇跡なのか?慧子さんが何か仕組んだのか?それはまだ分からないけど・・・とにかく勝ったんだ!!
読んでいただきありがとうございました!
博打は次でラストです
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