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幽霊屋   作者: ダストン
第三章  映画の世界
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終劇  シュウゲキ

三船さんが「監督」と言った時、僕は衝撃に走った。え?監督?どういう意味だ?



『ハハハ・・・・・・ハッハッハッハッハッハッハッハッ!!そうだなぁ!終わりだぁ!!これでいいよなぁ神様!?ハッハッハッハッハッー!!』




突然大笑いし始めたのは・・・店主さんだった。どういう事だ?まさか店主さんが・・・この映画の監督!?


『ハッハッハッハッハッ!!やったぞ!ついに終わったぞ!おい!おめぇら!もう終わった!起きていいぞ!!』


店主さんがそう言うと、なんと斬られたはずの矢之助と荒くれ者達が、一斉に起き上がった!!皆、酷く斬られているのに・・・これは一体・・・すると僕が斬ったはずの丑島も起き始めた!


『ふぅ~~小僧!ありがとな!俺を斬ってくれて!あの迫力は良いシーンになるぜ!なぁ監督?』



え?シーン?丑島は笑顔でそう言うが・・・僕には何がなんだか分からない!意味不明だ!頭の中を整理しようにも整理出来ない!


『おう!にいちゃんありがとよ!やっと映画が完成させることが出来たぜ!』


「か、完成?・・・店主さん!一体これどういう事ですか!?」


『へへ!まずちゃんと自己紹介しねぇとな!わしは黒澤くろさわ たかしってモンです。この映画の監督じゃ!」


「監督・・・・?」


「ああそっ・・・おい!早く誰か、この縄ほどいてくれよ!」



黒澤さんは自分の体を縛っている縄に気付いてすぐに助けを求めたその時、三船さんが突然刀を鞘から抜いて縄を見事に斬り落とした。


『へっへっへ!死してなお、腕衰えずってか?三船さんよぉ?』


『フッ・・・うるせぇ、早く小僧に説明してやれよ』


解かれた黒澤さんは、僕に全てを話してくれた。


生涯に渡って映画を撮り続けた黒澤さんだったが・・・ある日、不治の病にかかってしまい、それを機に最後の映画を作る事にした。しかし納得がいかないと言って映画製作を終える事が出来ず、志半(こころざしなか)ばで亡くなってしまった・・・のだが・・・


どういうわけか・・・気付けばこの世界に閉じ込められていたらしい。しかも製作時に一緒だった人達もいて・・・いろいろ考え、もしかしてと思った黒澤さんは、これは神様がくれたチャンスだと思い、皆を説得して製作に(はげ)んだそうだ。


しかし納得出来ず製作は難航(なんこう)・・・・途方に暮れる中、変な格好をした若者がこの世界によく来るようになったそうで・・・そう、僕や慧子さんと同じような・・・その時、黒澤さんはコイツ等を主役にすれば!っとピンと来たらしい・・・


黒澤さんはそれに賭けて、この世界に来た若者達を主役に導こうと思ったのだが、どうもビビりな連中ばかりだし、三船さんを怒らせるような事を言うバカもいたらしい・・・多分そのバカは僕の友達の事だろう。



だがついに完成した。僕が主役の映画を・・・それが理由だったとは・・・



『アンタは見事最後まで演じてくれた。名俳優だったぜ!にいちゃん!・・・本当にありがとう!!」



黒澤さんがそう言って頭を下げると、どこからか多くの人達が一斉に僕達の方へ集まり、皆から拍手を貰った・・・(なん)か照れるな・・・そんな中、どこからか白髪の老人が現れ、団扇太鼓(うちわだいこ)をポンポンと叩きながらそこら中を歩き始めた。


ポンポポン・・・ポンポポン・・・ポンポポン・・・ポンポポン・・・


『けぇ!ひっでぇオチにするんじゃねぇよ!あのジジイ・・・』



皆がハハハと笑顔で笑った瞬間・・・黒澤さんや桶屋さん、丑島、矢之助や巨漢や荒くれ者達が、一斉に消え始めた!!周りを見渡すが、三船さんしかいない・・・どうなってるんだ!?


「あ、あれ!?三船さん!黒澤さんや皆は!?」


『あの世に逝っちまった・・・全く気楽なモンだぁ・・・じゃあ俺も逝くぜ小僧』


「み、三船さん・・・・」



『・・・・・・・・・・あばよ』



そう言って三船さんは歩き始め、どこかへ去って行った・・・その時、急に睡魔が襲った!体がずっしりと重くなり、耐えきれず僕はその場で倒れ・・て・・・・・












目が覚めるとそこはシアター内だった。スクリーンには既に映画が終わっていている。周りはカラーだ・・・って事は・・・帰って来たのか?そんな中、隣に慧子さんがポップコーンを食べていた。


「お帰り泉君・・・なかなかの名演技だったわよ?」


「慧子さん!よかった!無事だったんですね!?」


「ええ、まさか銃で撃ち殺されるなんて思わなかったわ。時代劇に銃はダメでしょ銃は!あなたもそう思わない?」


「え・・・い、いやまぁ・・・そうですね・・・」



いつも通りの慧子さんだ。とにかく無事でよかった・・・・それにしても凄い体験だった。あんな体験は二度と無いだろう。とても現実的(リアル)でカッコよくて、人間味があって残酷的で凄かった!っと、今はそれしか感想が出て来ない・・・



『・・・お楽しみいただけましたかな?』



「!?」


その時だった。後ろの席に一人の老人が座っていた。半透明の体にサングラスをしていたが生身の人間じゃない・・・幽霊(ゴースト)だ!!


「紹介するわ・・・彼がここの館長の敏郎としろうさん。この体験を作り出した張本人よ』


「館長?それに張本人って・・・あなたがこれを?」


『ええ、その通りだよ名優(めいゆう)さん・・・』



館長さんは(うなづ)き話してくれた。彼は黒澤さんの友人であり、未完成だった作品を完成させようと、このような体験現象を引き起こしたのだ。死んでもなお作品を完成させたいその執着心は凄いと思うけど・・・


『私はただ映画(フィルム)を回しただけだ。後の方は黒澤先生がね・・・ここに訪れた者達には申し訳ないと思ってる。勿論、君達も・・・だがどうしてこれを終わらせねば、先生やキャストの皆や・・・私も安心して成仏出来んのだ』


「館長さん・・・」


『これを・・・ちょうど出来上がったところだ。どうか受け取ってくれ』


すると館長さんが僕にある物を渡して来た。これは・・・映画のフィルムだ!表紙(タイトル)に『用心棒現る!』と書かれてる。


『それは皆の想いを込めた完成品だ。今の時代に観れずとも、保管ぐらいは出来るだろう?どうか頼む・・・』


「・・・はい!大切にします!!こんな凄い体験が出来て・・・本当に楽しかったです!!」






『フッ・・・・・ご来場・・・ありがとうございました』







そう頭をゆっくり下げて、館長さんは消えて逝った・・・人生最高の映画を体験したんだ。僕には最高の名誉だ・・・出来ればフィルムの中身がどんな感じになっているか観たいけど、あいにく観れる機材が無い。それが残念かな・・・










あの日から数日後・・・今日ぉ事務所は定休日だ。学校から家に帰って暇してると、スマホから着信音が・・・・・慧子さんからだ。


「もしもし泉君?事務所うちで映画観ない?」


「え?映画?」


「友達から古い映写機(えいしゃき)借りれたの。あのフィルムに適応出来るのをね・・・観たいならフィルム持って来て!」



マジかと思った・・・あの映画が観れる!当然「はい!」だ!僕はすぐフィルムを持って事務所行くと、慧子さんが机に設置された古い映写機をイジッていた。他にピザやポップコーンやジュース、テレビには大きめのスクリーンを被せてあって、映画を観る為の準備が万全に整っていた!!


「ちょっと待ってね・・・これをこうして・・・よし出来た!フィルム貸して!」


「あぁはい!しかし凄いですね・・・よくこんなの・・・」


「私ぃ大学で映画サークルに入ってたの。その時のメンバーにちょいとね・・・・よし出来た!さぁ観るわよ泉君!電気消して!」


「はい!すっごい楽しみです!」


「私も!映画ってのはいつもそう・・・ワクワクして仕方ないのよね」


僕達はソファーに座り、スクリーンから「用心棒現る!」がついに上映され、そのクレジットタイトルには・・・僕と慧子さんの名前が表示されていた。

読んでいただきありがとうございました!


映画編終わり!いやぁやっぱ最高だわ


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