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幽霊屋   作者: ダストン
第三章  映画の世界
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監督  カントク

            ーー月夜 慧子視点ーー


映写室にいた男が全て話してくれた。どうしてこんな事をやっているのかを・・・


「なるほど、それでここに残ってるのね・・・なら完成させなきゃね?泉君?」


いよいよ終盤・・・・・・この映画のラストシーンは全て泉君がどう選択するかにかかってる。期待してるわよぉ!














    

            ーー泉 幸多視点ーー


僕達は宿場に向かい、丑島の屋敷が見える通りまで来た。屋敷前に見張りが二人・・・そして店主さんが吊るし台でブランブランと吊るされている!


『まだ無事みてぇだな。おい小僧、俺が連中を引きつける!その隙に親父を連れて逃げろ!』


「え!?で、でも、大丈夫なんですか!?三船さん一人で・・・」


『俺のことは心配いらねぇ・・・早く行け!』


「・・・・は、はい!」


風がびゅーびゅーと、突風のように吹き荒れる中、三船さんは堂々と通りを歩いて行った。そしたら見張りが気付いてすぐに仲間を呼び、屋敷からぞろぞろと荒くれ者達が・・・見張りを合わせて10人以上。その中には蔵で僕と三船さんをボコボコにしたあの巨漢と・・・・矢之助もいる!


『来やがったなぁ~・・・やっちまえぇ!』


一人の男が矢之助達に指示を出すと、全員武器を構えて、じりじりと三船さんの元へ歩き出している。全員が三船さんへ目を向けている中、僕は別の道を進み、店主さんの元へ向かった。


「ハァ・・・ハァ・・・て、店主さん!」


『おぉ!?お、おめぇ・・・(なん)で来たんだぁ!?』


「助けに来たんですよ!待ってください!すぐ降ろしますから・・・・」




パンッ!




店主さんを吊るし台から降ろしたその時、発砲音が聞こえた。三船さんが撃たれたとかではなく、近づかせないように威嚇発射(いかくはっしゃ)したんだろう。


『あんまりこっちに来るんじゃねぇ!』


矢之助はそう言って銃を構えている。しかし三船さんはニヤリと笑みを浮かび走った!それは一瞬の出来事だった。三船さんは持っていた包丁を矢之助の腕に目掛けて投げた!包丁は腕に刺さり、怯んだ矢之助を見て三船さんはすかさず走って腰の刀を抜いて・・・そして!


『グゥゥ!!』


矢之助を斬り捨て、他の荒くれ者達を次々と斬りまくった!まさに時代劇で見た迫力ある光景(シーン)(なん)躊躇(ためら)いも無く斬る三船さんを見て、侍とはまさにこれだと・・・(なま)で見て実感した。


『く、くそぉ!(なん)て野郎だぁ・・・ん?おい!おめぇ何してんだ!?』


しまった!矢之助達に指示を出していた男に気付かれた!!!三船さんの方を見たばっかりに・・・


丑島(うしじま)だ!にいちゃん早く逃げろ!』


『待てや!お前等逃がさんぞ!』


「クソッ!こうなったら・・・・」



店長を置いていくわけにはいかない!!僕は持っていた刀を抜いて両手で持った。だけど所詮素人・・・刀なんて一度も使った事がない。勝てるか怪しい・・・


『はっはっはっはっはっ!!どうしたぁ小僧?震えてんぜ?刃物持ったことねぇってツラだな』


まさにその通りだ・・・ガクガクと震えが止まらない。映画とはいえ、斬るか斬られるかの戦いってこんなにも怖いものとは・・・


『わしの事はいい!にいちゃん早く逃げろ!』


『誰一人逃がしゃあしねぞ!死ねぇい!!」


「ひぃ!」


一気に近づいて来た丑島・・・僕は怖くて目をそむけてしまった。もうダメだ・・・ごめん慧子さん・・・僕は・・・・





『ウゥゥゥ・・・・!!』






と思ったら丑島の悲鳴が聞こえた!慌てて目を開けると、丑島が膝を落として苦しんでいる・・・どうしたんだ!?あっ!背中に包丁が刺さってる!!


「こ、これは・・・・」


『小僧!今だ!斬れぇ!』


向こうでまだ戦ってる三船さんが叫んでそう言った。まさか僕を助ける為に、包丁を投げてくれたのか・・・・しかし丑島はまだ生きてる!だけど斬るなら今しかない!!これは映画だ!僕が主人公ならここで斬らないと・・・・僕はゆっくり刀を上げた・・・・しかし・・・







『あいつが殺したのよ!息子を・・・・あいつが・・・この人殺し!』







・・・過去の記憶が脳裏によぎった。あの事件の後、僕は世間から「奇跡の子」と言われ、遺族達から罵声(ばせい)陰口(かげぐち)を浴びせられた。僕が皆を殺した証拠なんて・・・何も無いのに・・・


人を斬る覚悟が一気に無くなり、僕は震えて丑島を斬る事が出来なかった。三船さんや店主さんからの声が心臓の鼓動音によって搔き消される・・・・今がチャンスなのに・・・斬るチャンスなのに・・・動けない!


震えが止まらない・・・今にも涙が出そうだ・・・どうすれば・・・僕は・・・








『(泉君・・・・・泉君!)』








その時、どこからか声が聞こえた。店主さんでも三船さん丑島でもない、この声は・・・・慧子さんだ!


『(泉君大丈夫よ!これは映画なんだから・・・カッコよく斬りなさい!)』


「(で・・・でも・・・・・・・・人殺しに・・・・・)」



『(度胸見せなさい!!!泉君!!!)』



その言葉を聞いた時、震えが完全に止まった。僕は・・・僕は・・・僕は・・・









「ああああああああああああああああっ!!!!!!!!」








僕は大声で叫んで、刀を大きく振り下ろし丑島を斬った・・・


『ぐわああぁっ!!こ・・・・・こんな・・・・小僧に・・・・・・』


丑島は断末魔を上げて死んだが、僕はもう一気にヘトヘトになり、刀を捨てて地面に倒れた。これで・・・これでよかったんだと信じて・・・・


『・・・・・・小僧、大丈夫か?』


「ハァ・・・ハァ・・・み、三船さん・・・はい、なんとか・・・・」





『よくやった小僧・・・さてと、これでこの宿場も静かになるぜ・・・もうこれで終わったでいいだろ?・・・・・・監督』





「え?」


三船さんが「監督」と言葉を聞いた時、僕は衝撃が走った。

読んでいただきありがとうございました!


次で映画ラストです


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