天使 テンシ
泉 幸多視点
隠岐の島から帰って来て・・・・それからはいつも通りだった。悪霊を除霊して、呪いのアイテムを破壊して、化物をぶっ潰して・・・・気付けば夏、秋、冬・・・そして新年を迎えて、僕は高校を卒業した。
3月上旬・・・事務所はいつもと変わらないけど、僕は4月からいよいよ大学生だ。仕事と勉強を両立して頑張った甲斐があったよ・・・おかげで一発合格出来た。本当にここまで長かったなぁ・・・大学生活が楽しみで仕方ない・・・
「う、嘘でしょ!?またピザが値上げしてるわ!ちょっと泉君どう思う?マルゲリータLサイズで5000円って高くないこれ・・・?」
「あぁはいはい景気が悪いですね・・・それよりもうすぐ客来ますよ?準備出来てます?」
「フッ・・・問題ないわ。なんでも来いっての・・・ふわぁ~・・・ねむぅ~」
まぁいつも通りのコンディションってわけか・・・僕もそうだけど・・・っとその時、玄関のドアが慌てて開いたような音がした。依頼人かな?
「ハァ・・・ハァ・・・あぁどうも!お邪魔するッス!」
階段を上がって姿を現したのは、髪の長い女の子だった。あれ?依頼人は声からして中年女性だって慧子さんが言ってたけど・・・・お孫さん?
「え~~~~~とっ・・・・・・依頼人ですか?」
「依頼人?あぁ違うッス!自分は中立者の絡新婦って蜘蛛妖怪ッス!雪江先輩の指示でここに来たッス!」
見た目は10代ぐらい女の子にしか見えないが、まさかの妖怪とはなぁ・・・しかも中立者・・・ってか雪江さんの指示でって・・・どういう事だ?
「い、いや実はその・・・非情にヤバい事態なってるんッス!このままじゃ・・・あっ!銀縁さん!」
「よぉ!無事だったか・・・」
今度は銀縁さんがやって来た。着ているスーツがボロボロだ・・・もうすぐ依頼人が来るって時に、中立者が二人も集まるなんて・・・ホントにどうしたんだ?
「ちょっとちょっと!何しに来たのよ?もうすぐ仕事なんですけどぉ?」
「久しぶりだなお嬢。ちょっと場所借りるぜ?緊急事態なんだ・・・」
「はぁ!?何を勝手にそんな・・・松現に行けばいいでしょ?」
「松現は潰されちまったよぉ!!!!!」
また誰か来たと思ったら・・・・猫又さんだ!ってか松現潰されたって・・・一体何が・・・
「?・・・・・どういう事よ猫又?」
「ハァ・・・ハァ・・・妖狐共が攻めて来やがったんだよぉ!あの三尾の野郎ぉ・・・許せねぇ!!オイラの店をよくも!!」
妖狐が攻めて来た?三尾?もう何がなんだか・・・・その時、またまた誰か来たと思ったら・・・雪江さんが来た!!!
「雪江さん!ちょっとこれどういう事よ!?こっちはもうすぐ依頼人が来るんだけど・・・」
「すまない慧子、もうここしかなくてなぁ・・・」
「な、何があったんですか?」
「九尾が・・・・・・裏切った!!!」
九尾?狐の?え~~~~っと誰?・・・慧子さんは驚いてたけど、僕はその九尾って誰なのか分からないんだが・・・
話を聞くと・・・・件の王の重臣だった九尾の妖狐が、王を裏切って謀反を起こしたそうな・・・・日本各地にいる妖狐達のほとんどが九尾に賛同し、中立者を締め出す為に松現や妖怪達が経営している店を片っ端から潰しているらしい・・・
そういえば最近ニュースで、爆破事件とか殺人が相次いで起きているって聞いたけど・・・まさかそれが九尾の仕業だったなんて・・・
「奴は間違いなく王の座を狙っている・・・もしそうなったら全面戦争は避けられない!この日本が終わってしまう!!!ハァ・・・だからここへ来たんだ。ここなら妖狐共も知らんからな・・・頼む慧子!考える時間をくれ!」
「あぁ最悪ねそれ・・・・・・分かったわ。好きに使って・・・泉君、ちょっと外出ましょ。依頼人を入らせないようにね・・・」
「あぁ・・・は、はい!!」
こりゃヤバい事態になった・・・僕達は外に出て、依頼人が来るのを待った。もし来たら工事中ですって誤魔化すしかないな・・・
数分後・・・・・事務所の中は怒号が飛び交っていて入る余地もない中、ようやく依頼人がやって来た。
「あのぉすいません・・・ここって幽霊屋ですか?」
「えぇそうです・・・・私はここの所長、月夜 慧子と申します。ちょっと中は今ぁ改装工事で立て込んでおりまして、申し訳ないのですが、ここでお話を伺わせていただきます・・・よろしいですか?」
「ええまぁ・・・それは別にはい・・・」
専業主婦の堺さん・・・今回の依頼人だ。さてどんな依頼なのか・・・こんな場所で申し訳ないけど・・・
「それでぇ・・・どのような御用件で?」
「どうか助けてほしいんです!主人と息子を・・・あの天使から!!!」
天使?え?天使??どういう意味?予想外すぎて言葉を失ってしまった。
読んでいただきありがとうございました!
妖怪の話も進めて・・・第二部スタートです!!!!
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