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瞬の死。そして!

まさかの?

 泣きながら戻って来た菫と桜に姫が聞いた。


「一体、何があったの?」

「私から話そう」



 一体だけのゾンビ。今までのゾンビとは違う威圧感を3人は感じていた。


「お兄ちゃん、こいつ、強いよ」

「ああ、強い。けど、それでもやるしかないだろう?」


 数十メートルの距離をとって、聖剣で打撃を与える。打撃を与えようとするが、与えられない。ゾンビは、全て紙一重で避けていた。


「ダメだ、距離を取ったまま勝てるような相手ではなさそうだ」

「どうするの?お兄ちゃん」

「僕が接近戦で仕留める!菫は後方支援を頼む」

「わかった。気を付けてよ」


 接近戦になって、瞬は彼我の力量差を痛感した。このゾンビは強い!瞬は勝てるイメージが湧かなかった。だが、自分が負けたらみんなの街が滅びる。妻達や仲間達が死ぬかもしれない。全身を切り刻まれながら、瞬は最終奥義を発動させることを迷わなかった。


 瞬は、両手を広げ、大の字になって立った。ゾンビの剣が、瞬の心臓を貫いた。この突きで、相手の動きが一瞬止まった。


「自爆!」


 瞬の身体が自爆した。ゾンビも巻きこんで木っ端微塵になった。

 残っていたのは、ゾンビの黒い帽子と、聖剣を握りしめた瞬の右腕だけだった。



「そういうことだったんですか……瞬は、私達のために」

「お兄ちゃんが死んじゃったぁ」

「ん!待て、菫。傷口をよく見ろ」

「何よ」

「細胞が動いているぞ」

「本当だ!」

「聖剣の回復魔法で、細胞再生させて瞬の肉体を作っているのかもしれない。いや、きっとそうだ」

「じゃあ、お兄ちゃんは」

「ああ、助かるかもしれないのじゃ」

「お兄ちゃん…良かった…」

「瞬の右腕は馬車の中に放置、様子を見る」

「桜さん、瞬の復活にはどのくらいかかるのでしょうか?」

「わからん。1週間か……1ヶ月か……」

「では、私は回復魔法を施します」

「そうしてあげてくれ、細胞再生の手助けになればありがたい。だが、姫、無理はするなよ」

「無理をしますよ、瞬は私の夫なんですから」


 数日後、順調に、瞬はまだ首の無い上半身を作り上げようとしていた。

 

「桜、これならお兄ちゃん、生き返るね」

「この調子ならな」


 そこで、桜は会話を桔梗にふった。


「桔梗」

「何?」

「聖弓を取りに行こう。瞬が治ったら」

「前に言ってた奴ね、聖武具の1つだったっけ?」

「そうじゃ。聖武具を全てそろえよう。そうすれば、人類が勝てるかもしれない」

「聖武具って、幾つあるのよ」

「瞬と菫が持っているのは、つがいの銀の剣、そして聖弓があり、聖槍があり、聖

戦斧、聖玉、最後に最高の武具、黄金の剣がある」

「それを集めるのね」

「それだけ揃えば、幹部どころか始祖にも抗うことは可能じゃろう」

「それ、全部集めるのにどれくらいかかるの?」

「あちこちに散らばっておるからのう、3年かかるか……5年かかるか……」

「果てしないわね、せめて1年と言ってくれないの?」

「聖弓なら、1ヶ月ほどで持って帰れるじゃろう」

「そんなに近いなら、もっと早く取りに行ったら良かったじゃないの」

「1ヶ月も留守にして、敵の襲撃があったらどうする?」

「む……なるほど」

「だが、もうそんなことは言っていられない。とりあえず、聖弓があるだけでかなり有利!あとの聖武具は計画的に手に入れて行こう」

「それじゃあ、私は?」

「瞬がうごけるようになったら、聖弓を取りに行くぞ!」


 瞬の心臓から鼓動が聞こえるようになっていた。








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