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街。

俺達の夢。

 クラマの二人目の子供が産まれ、しばらくした頃、クラマが言った。


「なあ、そろそろ攻めに出たらええんとちゃうか?」

「攻め?」


 瞬はクラマの言ってる意味がわからなかった。


「攻めるとは、どういうことじゃ?」

「ここには、姫、俺、デク、ジン、瞬、菫、桔梗、桜、ナターシャ、ラーラ、アリス、ランゼ、リン、ヘドロ、セイラ、シオン、ティア、大人が18人いる。それから、子供が13人や。30人を越える大所帯になったんや」

「それで?」

「街を1つ奪ってもええんとちゃうか?」

「街ですか……」

「姫、遅かれ早かれ俺達の街を手に入れるつもりやったやろ?今がその時とちゃうか?」

「まだ、早いような気がします。私達の子供が大きくなるのを待ってから攻勢に出てもいいと思います。皆さんはどう思いますか?」

「俺はクラマの意見に賛成だ。瞬と菫が聖剣を手に入れた今が攻め時だ」

「デクさん、多くのゾンビを敵に回しますよ、戦い続けられますか?」

「姫、聖剣を有効に使わないといけないでしょう?」

「あまり聖剣に頼り過ぎるのもどうかと思うのですが……」

「私は反対なのじゃ。街を奪ったら、しばらく昼夜問わずゾンビ達との戦いが待っている。聖剣の威力は偉大だが、使い手の方がもたないじゃろう」

「ほな、いつまでこんな暮らしを続けるねん?」

「姫の言う通り、私達の子供がある程度大きくなって戦力になってからじゃな」

「それまで、何年かかるねん?」

「まあ、10年はかかるな」

「嫌や、俺は嫌や、もう隠れてコソコソするのは嫌やねん」

「俺も嫌だ」

「ナターシャ達は?」


 瞬が話をナターシャに振った。


「難しいなぁ、正直、多少コソコソしても安心できる今が心地よい」

「私達4姉妹は10年間逃げ続けていたから、まだまだ休みたいんだ」

「私もゆっくりしたい」

「私も」

「セイラ達はどうなんだ?」

「夫に従います」

「私も」

「私も」

「リンさんやヘドロさんは?」

「僕達は逃げることしか出来なくて、戦闘ではお役にたてませんから、平和な方がいいです」


 結局、街を奪取したいという者は、クラマ、デク、セイラ、ティア。反対意見は、姫、瞬、菫、桜、桔梗、ナターシャ達4姉妹、ヘドロとリンだった。ジンとシオンでは、どちらでもいいということだった。

 多数決で、当分、現状を維持することになったが、クラマとデクは明らかに不服そうに席を外した。セイラとティアも子供を抱いてついていった。場の雰囲気が悪くなった。


「桔梗、小さい街なら街全体に結界を張れるか?」

「勿論無理よ、神社とか教会じゃないと無理だし。瞬もわかってるでしょう?」

「いや、レベルアップしてるから、出来るかなぁ……と」

「お寺でもいいけど、街は無理ね」

「それに、街では生活が出来ません。近くに森がないと狩りが出来ませんから」

「あ、姫の言う通りですね。そこまで考えていませんでした」

「それよりも危険なのは、あの2人が聖剣さえあれば何でも出来ると思っていることじゃ。聖剣に頼りすぎる心構えでは、先が不安なのじゃ」

「そうだな、あの2人、聖剣がある前提で話してたなぁ」

「お兄ちゃん、私は反対意見だけど、試しに街を奪取してみる?」

「なんで、急に?」

「今回の話し合いで、4人が街を奪いたがっていた。多分、この件はこれから尾を引くと思う。気まずくなりそうな気がするの」

「それで、やってみて、“やっぱり無理でした”ってことを痛感させるのか?」

「うん、納得させないと、このチームが2つに割れてしまうかも」

「姫、どう思います」

「聖剣の持ち主は瞬と菫です。あなた達の意見で、このグループがどうするか決まります。私は、瞬と菫の意見に従います」

「お兄ちゃん、やってみようか?」

「今回は菫の意見に従うよ」

「やってみようか、多分、失敗すると思うけど」

「みんな、それでいいかな?」


 全員が頷いた。








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