2つの剣。
聖剣。
「菫、桜、帰ろう」
「まだ下っ端ゾンビがウヨウヨいるがな」
「菫、聖剣の力を試してみよう」
「そうね」
瞬は、聖剣を横に振ってみた。数十メートル先のゾンビまで薙ぎ払われた。
「スゴイな、何も考えず軽く振っただけなのに。刃が数十メートル先まで伸びたみたいだ」
「私もやる」
菫が、聖剣を横に振った。やはり、数十メートル先のゾンビまで倒せた。
「落雷」
菫が、落ちてきた雷を聖剣で受け止めた。聖剣が帯電した。
もう一度、剣で払った。雷撃が数十メートル先まで及んだ。
「お兄ちゃん、スゴイよこれ、魔法との合わせ技が出来るよ」
「僕もやってみる、火炎剣」
炎の刃が数十メートル先まで伸びた。
「本当だ、帰ったら、何をどこまで出来るのか?実験しないといけないな」
「そうね」
「肩の傷もかなり回復している」
「とりあえず、目の前のゾンビ達は一掃された、帰ろうぞ」
3人は、はぐれゾンビを蹴散らしながら帰った。
馬車に戻ると、3人は無事を喜ばれ、聖剣を奪取できたことを喜ばれたが、疲れていたのでスグに寝た。
次の日から、瞬と菫の聖剣を使いこなすための訓練が開始された。アドバイザーは、桜だった。
「なあ、菫」
「何よ、お兄ちゃん」
「俺達がやっていたゲームに、聖剣なんか出て来たか?」
「ううん、無かった」
「だよなぁ、この世界はゲームの中の世界だと思っていたけど、もしかして違うのかな?」
「というより、私達のやっていたゲームに聖剣というアイテムが追加されたように思うけど」
「なるほど、それが1番納得できるな」
「2人とも気付いているか?その剣は数十メートル先まで物理的攻撃が出来るのじゃ。何もせずに振っただけで数十メートル先のゾンビまで倒れたじゃろう?傷口を見たが、魔法攻撃の傷ではなかった」
「ということは?」
「前回のように、完全に魔法防御が出来ていて、物理攻撃しか効かない相手と数十メートル離れて戦えるのじゃ。その上で、魔法との合体技も出せる」
「おお」
「それってすごくない?」
「喜ぶのは早いぞ、上級ゾンビには、中長距離戦闘を得意とする者もいる。これからは、瞬と菫、聖剣同士で訓練した方がよいのじゃ」
「聖剣同士で?」
「そうなのじゃ、聖剣同士で近距離、中距離、長距離の戦いに慣れればよいのじゃ」
「菫、試してみよう」
「うん」
2人は50メートルほど離れて対峙した。
「行くぞ、菫」
「いいよ!」
瞬が剣を横に薙いだ。長く伸びた剣の軌道が見えた。菫は、剣で受けた。
「今度はこちらから行くよ」
「おう!」
菫が剣を振るった。剣の軌道を剣で止めた。
「へえ、こんな風になるんだ」
「お兄ちゃん、私は剣術は初心者だから基本から教えてよ」
「ああ、だけど、普通の剣とは感覚が違うようだから、ゆっくりとな」
「その代わり、身体の硬質化とか教えてあげるわよ。お兄ちゃんのレベルだったら出来るはずだから」
「ああ、よろしく頼む」
「あの2人、めちゃくちゃ強くなったやんけ」
「もう、俺達の手の届かない所へ行ってしまったな」
「……関係無い。俺達も自分の妻と子供くらい守れないといけない」
「私もシオンもティアも、はっきり言って弱いぞ。高速移動しか芸がないからな」
「心配すんなやセイラ、お前達は俺達が守るから」
食事時、桔梗が何か考え事をしていて、姫が心配そうに声をかけた。
「桔梗さん、どうかしましたか?体調が悪いんですか?」
「いえ、そういうことではなくて」
「良かったら話してくださいませんか?」
「菫ちゃんは聖剣を手にした。やっぱりこの世界に呼ばれた、選ばれた人間だと思う。でも、私は違う。やっぱり私はとばっちりだったのかと思って……。そう思ったら、なんだか気分が沈んでしまったの」
「選ばれているかもしれんぞ、桔梗」
「何よ桜、どういう意味よ?」
「聖弓というものもある。もしかすると、桔梗は聖弓に呼ばれたのかもしれない」
「それはどこにあるの?」
「少し遠い。だが、このまま流れていけば通りかかることになるのじゃ。それまで待っていれば良い。慌てるな」
「なんだ、まだ先の話か」
「それまでに、菫のように噛まれても平気な身体になっておくと良いのじゃ」
「わかった。私の出番はまだまだ先なのね」
食べ終わった桔梗は、「寝る」と言って、毛布にくるまった。
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