覚悟。
求められ。
「何故だ!?何故なのじゃ-!」
瞬と2人きりの時に、桜が騒いだ。
「なんだよ、桜」
「何故、私は瞬の子を授からないのじゃ-!?」
「まだ、菫もランゼも授かってないじゃないか」
「姫が先に授かったのじゃ-!私が最初に授かりたかったのじゃー!」
「騒ぐなよ、これで俺に問題は無いことがわかっただろう?」
「瞬、これからは私を3回ずつ抱け!」
「それは無理-!」
姫の次に子供を授かったのは、ランゼだった。
「お姉様、子供を授かりました!」
「おお、お腹を触っても良いか?」
「どうぞ、お姉様。でも、まだ動いたりはしませんよ」
「うむ、確かに動いていない。だが、このお腹の中に生命が宿っているのだな」
「そうです。子供を宿していると思うと、すごく幸せな気分になれるんです」
「そうか、羨ましいなぁ。姉妹の中で1番年下のくせに」
「お姉様達も子供を授かってみたらいかがですか?この幸せな気分は想像以上です」
「そうか、ますます羨ましいな」
ランゼ達は、自分達の馬車の中で大騒ぎだった。
瞬は、桜と菫に睨まれ続け、瞬は嫌な汗をかいた。
桜と菫はライバル意識を燃やしていた。
「絶対に桜よりも早く子供をつくってよ!」
「菫に先を越されるのだけは許さないのじゃ!」
瞬は、プレッシャーを感じつつ、桜と菫を抱き続けた。
結果、先に身ごもったのは菫だった。
菫は歓喜したが、桜は大いに落胆した。
その落胆ぶりを見て、瞬も心が痛くなったが、こればかりはどうしようもない。
と、思ったら、桜も妊娠していることがわかった。
菫とほぼ同時に授かっていたらしい。桜は狂喜した。ニコニコしながら自分のお腹を触るようになった。
瞬は、ようやく自分の役目を終えた気分でホッとしたのだった。
その時期、ランゼ達4姉妹の馬車では、会議のような話し合いが行われていた。
「結論から言う、やっぱり私も子供が欲しい。ランゼを見ていて、ますます欲しくなった」
ナターシャが言った。何故か力強い声だった。
「そんなことを言い出したら、私も子供は欲しいですよ」
ラーラも言った。ナターシャよりも少し控え目な声だった。
「でも、ランゼのお相手と同じ男性から授かるというのは……どうなんでしょう?」
「なんだ、アリスは瞬しか見ていないようだな」
「え?違うの?」
「違わない、私も相手は瞬だと思っている。ランゼ、どうだろう?私達も瞬の子供を産んでも良いだろうか?それとも、気分が悪いか?」
「私は気にしませんよ」
「アリス、ランゼはこう言っているぞ」
「それなら……瞬に子作りをお願いしてみようかな」
「アリスはまだいい、問題は私だ」
「ナターシャ姉様、何が問題なんですか?」
「私は瞬よりも年上過ぎる気がする。私は年齢的に断られるのではないだろうか?」
「どうなの?ランゼ」
「大丈夫だと思います。お姉様は美人ですから」
「言い寄って断られたらどうしよう?」
「年齢制限があるなら、私もピンチですよ」
「そうだな、私とラーラはピンチかもしれない」
「大丈夫ですよ、瞬はそんなことは気にしません。付き合っている内に、瞬のことがよくわかるようになりました。私が保証します。大丈夫です」
「だったら、明日にでも瞬に頼みに行くか」
「今から頼みに行けばいいと思いますよ」
「今から?むむ。まあ、そうだな、明日も今も変わらないな。どうせなら、早い方がいいか」
「私も行きます」
「おお、ランゼ、是非頼む。特に私達年長組が断られそうになったら助けてくれ」
「大袈裟ですよ」
偶然、瞬は1人で呆っとしていた。
もう夜、他の者は寝ている。
4姉妹が揃って現れたので、瞬は腰が引けた。
「瞬、話がある」
「な、何かな?」
「私から話そう」
「何ですか?ナターシャさん」
「私達も子供が欲しい、瞬、協力してくれないだろうか?」
「え!?マジっすか?」
「真剣に言っている」
「私からも頼む、子供を宿す幸せを姉様達にも味あわせてほしい」
「「「頼む!」」」
「あの……4人で迫られると怖いんですけど」
「ああ、すまない。それでどうだ?OKなのだろうか?」
「あ、OKです」
「いいのか?私はかなり年上だぞ」
「ナターシャさんは美しいので、多少の年齢差は気にしません。ナターシャさん達は魅力的で惹かれます」
「では、明日から頼む」
「順番だけそっちで決めてください。森の手前の洞窟で狩りの合間に会えますので」
「1番は勿論、最年長の私だ!」
ナターシャは肩に力が入っていた。
瞬は、正直、自分の使命を終えたかのようにホッと(ボーッと)していたのだが、明日からまた頑張らなければならなくなって、少し戸惑っていた。だが、もう断る理由が無い。“子供を多く残そう!”瞬はそう考えるようになっていた。人類が極めて少数になってしまった今、人間の子供を多くなすことが必要だと感じていたのだ。女性陣を抱き、子供を作る内に、いつしか“自分が死んでも仲閒は守ってみせる”と瞬は心に決めていたのだった。昔、霊能者に言われた言葉、“あなたと姫の子供が世界を救う”。もしそうなら、尚更女性陣、子供達、仲間達を守る甲斐もある。だから、ナターシャ達の想いをストレートに受け止めたのだった。瞬は、いつでも仲閒のために命を投げ出すつもりだった。桜は言っている。“次はもっと強い奴が現れる”と。瞬は、既に死を覚悟していた。誰よりも悲観的だった。いや、誰よりも冷静だったのかもしれない。
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