3姉妹と3人衆。
女神達。
朝食の後、桜が立ち上がった。北の方角を見ている。
「桜」
「なんじゃ、瞬」
「来たか?」
「ああ、お客さんだ」
「戦闘準備だな」
「いや、それには及ばない」
「どういうことだ?」
「はぐれゾンビが3人来ているだけだ」
「はぐれゾンビ?」
「多分、リンみたいな存在じゃろう、走ってこっちへ向かっている」
「ここのことがわかっているのか?」
「いや、向かってる先に、たまたまここがあるだけじゃ」
「どんな奴なんだ?」
「多分、リンみたいなものだろう。独自の判断で動けるようじゃな」
「姫、どうします?」
「人間でしたら迷わずに助けるのですが、ゾンビとなると……皆さんはどう思いますか?」
「桜とリンさん、もう2人もゾンビが仲閒におるんや、善良なゾンビやったら助けたったらええと思いまっせ」
「皆さんも、同じ意見ですか」
「同じです」
「助けましょう」
「ナターシャさん達もそれでいいですか?」
「ああ、構わない」
「それじゃあ、私と瞬で行ってくるのじゃ」
「お気を付けて」
「待って、私も行く」
瞬、桜、菫が高速で走る。
「近いのか?」
「ああ、見えてきた」
「本当だ、3人ね」
「全員、女性だな」
「おーい!」
瞬達は走るのをやめた。笑顔で近付く。
「何よ、あなた達は?」
3人の代表格の女性が言った。
「迎えにきたのじゃ。お主らを助けてやる」
「僕等、人間とゾンビのグループなんだ。10人くらいの集まりだけど、助け合って生きている。仲閒にならないか?」
「人間と暮らせるの?でも、私達はゾンビよ」
「私もゾンビじゃ」
「そうね、ゾンビよね」
「悪いようにはせぬ、来い」
「わかった、あなた達を信じてみるわ」
「では、ついて来い。と言っても、高速では走れないか」
「走れるわよ。私達3姉妹は、何故か高速移動が出来るの。そのおかげで生き残れたのよ」
「なら、全力で戻る、行くぞ」
高速移動で、6人は神社まで戻った。
「確かに、ゾンビと人間が共存しているんだな」
「ようこそ、私は皆から姫と呼ばれています。本当の名前は、もう忘れてしまいました。回復魔法専門です」
「クラマや、接近戦では強いで」
「デクです、怪力が自慢です」
「……ジンだ」
「ヘドロです。得意なことは逃げることです。こっちは妻のリン、ゾンビです。そして僕とリンの子供、ガクです」
「リンです」
「瞬です、近接戦闘、中長距離戦闘、どれも出来る様になりましたが、元々は高速剣士です」
「菫です。瞬の血の繋がらない妹です。防御と中距離戦闘が得意です」
「桜じゃ。元々、ゾンビのブロック長だったが、今は皆と一緒に行動しているのじゃ」
「お互いのことは、これからゆっくり知っていこう、ナターシャだ」
「ラーラ」
「アリス」
「ランゼ」
新顔の3人も挨拶をした。
「セイラです」
「シオンです」
「ティアです」
3人とも、フード付きのコートを着ていて、フードを被っていたが、3人共フードを脱いだ。
3人共、美人だった。
この出逢いに、1番喜んだのは男3人衆だった。
「お疲れでしょう、まずはゆっくり休んでくださいね」
「休ませてもらっていいのか?」
「構いません。あ、その前に、朝ご飯を食べてください」
「いただいて良いのか?」
「構いませんよ」
「おお、美味い。こんなに美味いスープを食べたのは何年ぶりだろう?」
「人間の肉とどっちが美味いんやろか?」
「わからない。人肉を食べたことは無いのだ。そもそも、ゾンビは人肉以外のものも食べられる。それに、極端なことを言えば食べなくても生きていけるのだ」
「3人は姉妹ですか?」
「ああ、私が20,シオンが19,ティアが17だ。勿論、ゾンビになった時の年齢だ。肉体的成長は止まっているが、実年齢はプラス10年だ」
「ゾンビの世界に馴染めなかったんですね」
「不思議なことに、3人共、人としての理性を失わなかったんだ。それで、3人だけで生きてきた。心の安まる間も無い10年間だった」
「食事が終わったら、お休みになってください。夕食まで寝ていてもいいですよ。夕食の時に起こしますね」
「かたじけない」
夕食、ゾンビ3姉妹に、男3人衆が群がっていた。
「そうなのか?ゾンビでも子供を産めるのか?」
「そうそう、ヘドロさんとリンさんの子供のガク君は最近生まれたんやで」
「それにしては、5,6歳くらいに見えるが」
「ゾンビの子供は、成長の仕方が人間とは違うんやとさ」
「そうか、ゾンビになった時から、子供を産むという女の幸せを諦めていたが、諦めなくていいんだな?」
「そういうこと、例えば、君達3人と僕達3人がカップルになれば、男を知ることも出来るし、子供を産むことも出来るんだよ」
「おお、それはいいなぁ」
「ええやろ!俺達も死ぬ前に子供を授かりたいねん、父親になってみたいねん。明日もわからない命やからこそや!」
「そうね、明日のこともわからないもんね」
「今できることをやっておいた方がいいよね」
「後悔しながら死ぬのは嫌だもんね」
「セイラちゃん、あっちで2人きりでちょっと語ろうや」
「……シオン、ちょっと来てくれ」
「ティアちゃんは俺と、あっちで話そう」
「はい」
「うん」
「いいですよ」
なんと、3人衆は、3姉妹を手なずけることに成功した。
思っていたよりも、話が盛り上がっていった。
そして、翌日には、3組のカップルが成立していた。
3人衆は、思いがけないところで女性をゲット出来たのだった。
3人は、久しぶりに満面の笑みを見せていた。
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