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姫。

最初のワガママ。

 瞬達が狩りに行っている間、他のメンバーはそれぞれの仕事をする。

 姫は森の入口で、薬草や木の実を採っていた。

 そこへナターシャが近寄って来た。


「あら、ナターシャさん、何か御用ですか?」

「姫に確認しておきたいことがある」

「なんでしょう?」

「最近の騒ぎは知っているな?」

「騒ぎ?なんでしょう?」

「瞬、菫、桜、ランゼの恋の話だ」

「ええ、私の耳にも入っていますよ、桔梗さんが教えてくれました」

「桔梗から聞かなくても、4人の様子を見たら察することは出来ると思うが」

「すみません、私、そういうことに疎いもので」

「姫は何も思わなかったのか?」

「仲が良いことは素敵なことだと思います」

「そうではない、ご自身についてはどうお考えなのか?」

「私ですか?」

「私達姉妹は、皆、死ぬ前に男を知りたいと騒いでいる」

「あら、そうなんですか」

「私もそうだ、惹かれる男が現れたら抱かれたい」

「女性ですから、そう思うのも当然ですね」

「姫はどうなのだ?」

「私ですか?そうですね、正直、そういうことに興味はあります」

「では、何故そんなに静かに過ごしていられるのだ」

「私が動くと、他の皆さんに悪い影響を与えるかもしれません」

「クラマ達のことか?」

「そうですね、長い付き合いですから」

「では、このまま男も知らずに死んでも良いのか?明日のこともわからない生活なんだぞ」

「そう言われると、少し焦ってきますね」

「姫は誰が好きなんだ?」

「瞬です」

「いつから好きなのだ?」

「わかりません、気付いたら好きになっていました」

「瞬のどこが好きなんだ?」

「それもわかりません。いつの間にか好きになっていました」

「だったら、行動を起こした方が良いのではないか?」

「でも、みなさんとの間に亀裂が生じたりしないでしょうか?」

「他人のことを気遣っていられる時ではないだろう?死んだらどうする?抱かれておけば良かったと後悔するぞ」

「そういうナターシャさんは、どうなんですか?」

「私もいろいろ考えている。ラーラも、アリスもだ」

「今日は、どうして私に声をかけてくださったのですか?」

「姫が我慢をしているように見えたからな、背中を押しに来たのだ」

「ありがとうございます。そうですね、明日、死ぬかもわかりませんからね」

「そうだ、後悔をしないようにな、私達も後悔しない道を模索する」

「わかりました。私、ちょっとワガママになってみます」

「それがいい、では、私は仕事に戻る」



 翌日、狩りに出ようとする瞬に、姫が囁いた。


「森の手前にある洞窟で待っていてください」

「わかりました」


 姫はいったん仕事に戻った。


「どうしたの、お兄ちゃん」

「姫に洞窟で待っていてくれって言われた」

「え?姫も?」

「まだ、そうと決まったわけではないさ、何か話があるのかもしれない」

「邪魔はせんから、行けばいいのじゃ」

「私達は狩りに行ってるから」

「姫の用が終わったら、スグに合流する」


 洞窟で、瞬は姫を待った。

 やがて、姫は現れた。


「姫、今日はどのようなご用件ですか?」


 答える代わりに、姫はゆっくりと服を脱ぎ始めた。

 姫は、服を脱ぐときでさえ優雅だった。


「私も、自分に正直になることにしました」

「姫……」

「男性を知りたいのです。私は瞬が好きです。でも、私は欲張りです。男性を知るだけでは物足りません。死ぬ前に、瞬の子を産みたいです」

「姫……僕でいいんですか?」

「瞬じゃないと嫌なんです」


 姫は脱ぎ終わった。完璧な身体だった。


「さあ、もう言葉は要りません。私に瞬の子を授けてください」


 瞬と姫は抱き締め合い、キスをした。姫は緊張していないらしく、堂々としていた。瞬に身を任せる。



 瞬と姫は結ばれた。姫は痛みをこらえつつ、瞬に微笑んで見せた。



「瞬、菫さん達の相手もするでしょうが、私の相手もしてくださいね。せめて、子供を授かるまでは」

「わかっています、僕の子供を産んでください」

「瞬、例え明日死んだとしても、私はあなたを愛しています。もう、自分の心を押さえつけるようなことはしません」

「僕、子供の頃、霊能者に言われたことがあるんです」

「なんと言われたのですか?」

「お前と姫の子が、世界を救うと」

「まあ、なんということでしょう」

「その時は、ここに来る前の世界で、お姫様なんかいなかったから、言ってる意味がわからなかったんですけど、もしかして、僕と姫の子が世界を救うのかもしれない、今、ふと思いました」

「では、なおさら子供を宿さないといけませんね」

「僕の子供を、産んでください」

「瞬、もう一度、抱いてくれますか?」


 瞬は、もう一度、姫を押し倒した。








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