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スペシャル。

特別な日。

「お兄ちゃん、わかったでしょう?お兄ちゃんは逃げられないのよ」

「菫……でも……菫にはもっとイイ男と結ばれてほしい」

「今日は正直になるわ。私はお兄ちゃんが好き」

「それは、今がこんな世界だからだろう?冷静になれよ」

「違う!ずっと前から大好きだった」

「じゃあ聞くけど、いつから俺のこと好きなんだよ」

「出会ったときからよ。兄妹になった時からずっと好きだった」

「初めて出会った時って、菫はまだ小5だっただろ?」

「そうよ、それから今まで、ずっと好きだった。だから、誰から告白されてもOKしなかったの」

「俺のどこがいいんだよ?」

「お兄ちゃんの優しいところが好き、照れながら、いつも気を遣ってくれるところが好き。昔はよく頭を撫でてくれたよね」

「頭を撫でると、嫌がってたじゃないか」

「照れてただけよ。お兄ちゃんは鈍いからわからなかったみたいだけど」

「菫はずっと、僕にイラついてたじゃないか」

「お兄ちゃんが、私の気持ちに全然気付いてくれないからよ」

「でも、菫は汚れを知らずキレイだから、僕が汚してはいけない気がする」

「お兄ちゃん、逃げないで。今日逃げても、また明日同じことを繰り返すことになるわよ」

「………」

「私はお兄ちゃんが大好き」

「桜、ランゼ」

「なんじゃ?」

「何かしら?」

「流石に人に見られていると恥ずかしくて出来ない。少しの間、僕達が見えない所に移動してくれ」

「お兄ちゃん……」

「わかったのじゃ、ランゼ、行こう」

「ああ」


 完全に桜とランゼの姿が見えなくなってから、瞬は服を脱いだ。菫を抱き締める。


「私、16になったんだよ」

「ああ、わかっている。俺も18になった」



 瞬と菫は、ようやく結ばれた。



「痛かっただろう?」


 菫は歯を食いしばって声を出さずに耐えきったのだった。なかなか気が強い。


「うん、痛かった。でも、嬉しかった」

「嬉しかったか?」

「うん、お兄ちゃんのものになれたから。それに、お兄ちゃんの初めての相手になれたから」

「痛かったなら、これからはもうやめとくか?」

「ダメ、する。その内気持ちよくなるんでしょ?」

「そうらしいけど」

「それに、お兄ちゃんと一つになってるって感覚がとても心地よかった」

「そうなんだ」

「お兄ちゃんは嬉しくなかった?」

「正直、嬉しかったよ。菫を俺のものに出来て。それに、菫は痛かったと思うけど、俺は気持ちよかった」

「またしようね。生きている限り」

「そうだな、今日とか、明日死ぬかもしれないもんな」

「そうよ、でも、お兄ちゃんの子供を授かったら嬉しいなぁ」

「そうだな」

「お兄ちゃん、次はランゼだよ」

「え?次?今日?もしかして今から?」

「だって、明日死ぬかもしれないんでしょ?」


 菫は服を着始めた。


「菫、どうするつもりだ?」

「ランゼを呼んで来るの」

「何故?」

「お兄ちゃん、若いんだからもう1回出来るでしょう?」

「マジ?」

「マジ。ちょっと待っててね、行ってくる、お兄ちゃんは服を着なくてもイイよ」

「菫-!」



「意外と遅かったな」


 ランゼが現れた。これから初体験をするとは思えないほど堂々としていた。


「遅かったかな?」

「いや、男性は慣れるまでは早く終わると聞いていたのでな、もっと早く終わると思っていたのだ。瞬、頑張ったのだな」

「おいおい、堂々と現れないでくれよ、恥ずかしいじゃないか」

「あ、そう慌てて隠すな、スグに見るのだから。おお、脱いだらなかなかの筋肉質ではないか、カッコいいぞ」


 ランゼは服を脱ぎ始めた。


「本当に俺でいいの?」

「瞬だからいいんだ」

「でも……ランゼの純血を俺が汚してもいいのかな?」

「もう何も言うな、ここからは言葉はいらないぞ」


 全て脱ぎ終わったランゼが、瞬に抱き付いた。



 瞬はランゼとも結ばれた。瞬は2回目だったので、菫の時よりも時間がかかった。ランゼも歯を食いしばって、苦しそうな声は出さなかった。どうして、みんな気が強いのか?瞬は少し恐ろしくなった。

 時間がかかっていたので、途中、瞬はランゼに言った。


「痛かったら、途中でやめようか?」


 ランゼは答えた。


「途中でやめることは許さん」


 ランゼは最後まで瞬を受け止めたのだった。



「ごめん、時間がかかっちゃった、痛かっただろ?」

「好きな男を受け入れたんだ、痛みも愛しかったぞ」

「ありがとう」

「最初は痛いがスグに気持ちよくなると聞いている、これからも気持ちよくなるまで抱き続けてもらうぞ」

「うん」

「だが、まさか生きている内に男を知ることが出来るとは思わなかった。瞬には感謝しているぞ」

「気に入ってくれてありがとう」

「こちらこそ礼を言う。私を女にしてくれてありがとう」

「僕のどこがいいの?それが謎なんだけど」

「お前は強いからな、女は強い男に惹かれるものだ」

「いつか僕より強い男が現れたら、後悔するんじゃないか?」

「お前は優しいからな、女は優しい男にも惹かれるものだ」

「そうなんだ」


 ランゼは服を着始めた。瞬も服を着ようとした。


「瞬はまだ服を着てはいけないぞ」

「え?何故?」

「まだ桜が残っているだろう」

「まさか、もう1回するの?」

「皆、明日死ぬかもわからないからな。それに、若い男は何回でも出来ると聞く。問題ないだろう?桜を呼んで来るぞ」


 ランゼは、終わった後もランゼだった。凜々しかった。毅然として去って行った。

 代わりに現れたのは、勿論、桜だった。


「随分待たされたのじゃ」

「怒るなよ」

「怒ってはいないのじゃ」

「あのさ、桜」

「なんじゃ?」

「今日じゃないとダメ?」

「私だけ嫌なのか?」

「そうじゃなくて、流石に本日3回目ともなると、多分、時間がかかってしまうと思う」

「それがどうしたのじゃ?」

「女性の初体験って痛いんだろう?時間がかかるってことは、痛い時間が長くなるってことだよ」

「良いことではないか」

「良いことなの?」

「長く結ばれていられるなら、それは幸せなことなのじゃ」

「そう受け取ってくれるんだ」


 話しながら、桜は服を脱いでいく。


「明日、死ぬかもしれないからな。もう言葉はいらんぞ」


 桜は瞬に身を委ねた。



 瞬は桜と結ばれた。やっぱり痛かったようだが、やはり歯を食いしばって苦痛を訴えるようなことはなかった。


「途中でやめるのは許さないのじゃ」


 桜は、終わるまで耐えきった。



 なんとなく、桜が瞬に腕枕をしてもらう形になった。

 少しして気付いた。桜は泣いていた。


「どうしたの?痛かった?嫌だった?」

「そうではないのじゃ。嬉しいのじゃ」

「嬉しい?」

「肉体年齢は止まっているが、私はもう24~25年生きてきた。ゾンビになってから10年以上なのじゃ、女としての幸せを諦めていたのじゃ。女になれた。瞬、私は嬉しいぞ」

「そうか、つらかったんだな」

「瞬は私を救ってくれた、私は何が何でも瞬を守る」

「やめてくれ、男が女を守るものなんだ」



 菫の登場がきっかけになったのか、明日なき命に気付いたせいか、瞬は1日で3人の女性を相手にした。昨日までなら考えられないことだった。瞬は、恐縮していたが、女性陣は上機嫌だった。


 食材の獲物を持ち帰った時には夕方になってしまった。腹を空かせた他のメンバーの機嫌は悪かった。しかも、メンバー全員が、何が起こったのか察した。皆、無言だったが、瞬は居心地が悪かった。


 ただ、寝るときに、


「妹の気持ちに応えてくれてありがとう、礼を言う」


 と、ナターシャから囁かれた。








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