ジン、動く。
珍しく頑張るジン君。
ラーラが、森の入口で薬草や食べられる植物、木の実を採っていた。
そこへ、スッとジンが現れた。
「ああ、ビックリした。気配を消して近づくのはやめてくださいよ」
「……」
ジンは無言で花束を渡した。
「これは?」
「花束だ」
「それはわかるんですけど」
「摘んできた」
ジンは静かに歩き去って行く。
「薬草とか木の実を採ってきてくださいよ!」
遅れたラーラのツッコミは、ジンには届かなかった。
食事時、具沢山のスープをラーラが飲んでいると、ジンが肉をラーラの皿に乗せた。
「どうも」
しばらくすると、またジンがラーラの皿に肉を乗せた。
「どうも」
また肉が乗せられる。
「あの、なんで肉を乗せてくれるんですか?」
「肉を食べるのは久しぶりなんだろう?食べられるときに食べておけ」
そして、また肉が乗せられる。
「そんなに沢山食べれないんですけど!」
瞬、菫、4姉妹が戦闘訓練をしていた。
全員全力、ものすごい攻防だった。
最近では、しかめ面しつつも桔梗も参加することがある。
だが、桔梗は結界を張るのに常に力を使っているので全力は出せない。
訓練の目的は、瞬、菫、桔梗のレベルアップだった。
そして、順調に3人ともレベルアップしていた。
「このままでは、私も3人に追い抜かれてしまうのう」
と、桜は言うが、桜はゴロゴロしていた。
スッと、訓練中のラーラの隣でジンが矛を構えた。
「ジンさん、何ですか?」
「俺は、ラーラを守る」
「すみません、邪魔です!」
ジンは少し寂しそうに退散した。
自由時間、座って夕日を眺めていたラーラの隣にジンが座った。
「何ですか?」
「…俺と付き合ってくれないか?」
「え!?ごめんなさい、無理です」
「何故だ!?」
「ジンさん、いつも何を考えてるのかわからなくて、何を考えてるかわからない人は無理です」
「そうだな、ラーラ達が来てからは…」
「私達が来てからは?」
「ラーラのことばかり考えている」
「ごめんなさい、更に無理です。キモイです」
「…もしかすると、俺はフラれたのか?」
「はい、フリました」
「そうか、フラれたのは生まれて初めてだ」
「え!?そうなんですか」
「ああ、告白したのが初めてだからな」
「なるほど」
「ああ、今日はよく喋った」
「え?それで?」
「ああ、こんなに喋ったのは何年ぶりかなぁ」
「生きていく上で協力する仲閒として仲良くしてください」
「仲閒か…」
「では、失礼します」
ラーラが立ち上がって馬車の方へ戻って行く。
「「ジン!」」
物陰に隠れていたクラマとデクが現れた。
「お前もフラれたんやな」
「お前も俺達の仲閒だな」
「一緒にするな」
ジンも立ち上がって馬車の方へ。
クラマとデクは、笑いながらジンの後を歩いた。
「一体、何なのですか?このグループは?」
「ラーラさん、どうかしたのですか?)
姫が声をかけた。
「そんなに女に困っているんですか?」
「何があったのですか?」
「ジンに告白されました」
「それで?」
「お断りしました。ここの男共は女にガツガツし過ぎです」
「私は、クラマから告白されました」
と、ナターシャ。
「私はデクさんから」
と、アリス。
「あらあら、それはすみませんでした。4人がお美しいからでしょうね」
「私達も、恋愛というものはしてみたいのですが、こうガツガツされたら冷めてしまいます」
「ちなみに、私もデクさんから」
桔梗も口を挟んだ。
「あらあら、困りましたね」
「私達、女4人が急に現れたので、男性陣を刺激してしまったようだな」
「でも、男性陣は全員フラれたんですよね」
「そういうことだな」
ナターシャはため息をついた。
「仲閒としては、仲良くしていきたいのだが、大丈夫だろうか?」
「それは大丈夫ですよ。みんな、それは心得ているはずです」
「あ、男共が帰って来たな」
「皆さん、自然体で過ごしましょう」
みんな、いつもと変わらない雰囲気を装った。
男性陣も、いつもと変わらない雰囲気を装ったが、表情は暗かった。
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