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クラマ。

頑張ってるクラマ君!

「デク」

「なんだよ、クラマ」

「よく見とけや、女はこうやって口説くねん」

「参考にさせてもらうよ」

「ほな、行ってくるわ」


 その日のたき火は2つ。

 1つに女性陣。1つに男性陣。

 クラマは女性陣の方のたき火へ。


「クラマ、どうかしたのですか?」

「あ、姫、特に何も無いんやけど、ナターシャさんを借りていってええかな?」

「ええ。ナターシャさんさえ良ければ」

「ナターシャさん、ちょっとこっちへ来てもらえまっか?」

「わかった」


 2人、たき火から離れていく。


「こういう流れ、最近多いな」


 と、桔梗が言った。


「ダメ、思い出さない方がいいよ」


 アリスが言った。


「いやいや、強引に迫ってこられたらナターシャも危ないぞ」


 と、桔梗が言ったが、


「それは大丈夫、お姉様の方が強いから」

「そうか、それなら大丈夫だな」

「大丈夫じゃない。気分が悪くなる」

「確かに」


 クラマとナターシャは、たき火から少し離れたところに座った。


「何の話だ?」

「ああ、せっかく仲閒になれたんやから、仲良くやって行こうと思って」

「それなら、ここまで来なくても良いではないか」

「突然やけど、ナターシャちゃん、好きな男はおるんか?」

「いない」

「昔からおらんのか?」

「失礼な、ゾンビウイルスが蔓延する前に初恋くらいしたことがある」

「その相手は、どうなったん?」

「告白も出来ないまま行方不明になった」

「誰かと付き合ったことは無いんやな?」

「まあ、それは無いな。確かに」

「今、平和やんか」

「そうだな、こんなに気を抜けるのは久しぶりだ」

「せやけど、明日、どうなるかわからんのが俺達の命や」

「まあな、明日のことはわからない」

「そやろ、明日のこともわからんやろ?今の俺達」

「それで?」

「明日よりも今日が大事や!ナターシャ、俺と付き合ってくれ!」

「……」

「……」

「うーん、嫌だ」

「なんで?」

「男性としての魅力を感じない。大体、クラマは私より弱いだろ?」

「弱いけど、俺、年下やし、“弟みたいな彼氏”になられへんか?」

「悪い、無理だ」

「じゃあ、何のために死ぬんや?何のために死ぬかはもう決めたんか?」

「どういう意味だ?」

「俺は、昔から決めてるねん」

「では、お前は何のために死ぬんだ?」

「俺は、惚れた女のために死ぬ」

「その意気込みはスゴイな」

「俺は、ナターシャに惚れた。死ぬときは、ナターシャを守って、ナターシャのために死にたいんや」

「そうか、それは光栄だが、恋人になる気は無いぞ」

「ナターシャのためなら死ねるって言うてるねんで。それを聞いても何も思わんの?」

「思わない。お前は自分のために死ねば良い」

「えい!これでもか!」


 クラマは土下座をした。


「それは…もしかして土下座というやつか?初めて見た」

「俺と付き合ってください!お願いします!」

「すまん、無理だ。仲閒として仲良くやっていこう」

「俺、ナターシャが振り向いてくれるのを待ってるからな!」


 ナターシャは立ち上がり、たき火の方へと戻っていこうとした。

 クラマも立ち上がり、ナターシャをギュッと抱きしめた。

 そして、キスを…する前に下から顎を殴られた。アッパーカットだ。

 顎を押さえながらしゃがみこんだ。


「これからも、生きていく上での仲閒として、よろしくな」


 ナターシャは、今度は本当に去って行く。振り返ることも無かった。


「クラマ」


 物陰に潜んでいたデクが姿を現した。


「何も言うな」

「全部、見てたぞ。土下座はやり過ぎだろ?」

「だから、何も言うなって言うてるやろが」

「クラマ」

「なんや?」

「アホ」


 クラマは立ち上がると、デクの顔を殴った。


「あなたを守りたい!あなたのために死ねる!ええ言葉やろが?」

「でも、、フラれちゃってるじゃん。俺と同じだよ」

「心の美しさが違うんや、一緒にするな」


 クラマが、もう1発殴った。

 今度はデクも殴り返した。

 大喧嘩になった。


 たき火にあたっていた連中も気づいた。


「あらあら、止めに行った方がいいでしょうか?」


 と、姫は言ったが、ジンが言った。


「放っておけ」








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