4人。
4姉妹。
「ご馳走になったな。ありがとう。美味かった」
「お食事はすみましたか?」
「ああ、何より肉を食べられることが嬉しい」
「今度は、こちらから質問してよろしいですか?」
「ああ、何でも聞いてくれ」
「ナターシャさん達は、どちらから?」
「ウエストランドから来た」
「果てしなく遠いですね」
「いろいろ安全な場所を求めながら、10年程かかってここまで来たんだ」
「ずっと、4人ですか?」
「いや、5人だったんだ。ランゼの下に、もう1人の妹がいたんだ」
「その方は…」
「ああ、ゾンビに喰われてしまった」
「お気持ち、察します。私も親と弟を亡くしていますので」
「途中、何回か他のグループと行動を共にしたこともあるのだが、全て長くは続かなかった。大体は、ゾンビの集団に喰われた」
「そうですか」
「他にも、私達に迫ってきて別行動をとることになった男ばかりのグループもある」
「女性4人だと、いろいろ大変ですね。ですが、こちらも男性が多いので、ナターシャさん達が来て喜んでいると思いますよ」
「姫、そんなことは言わんといてくださいよ」
クラマが割り込むと、姫は笑った。
「こちらの男性陣は紳士ですから、安心してください」
「男性が多い?女性も多いではないか」
「桜さん、菫さん、桔梗さんは、瞬のことが好きですので」
「ちょっと、私は違うわよ」
すかさず桔梗が否定する。
「そういうことか。瞬という男はモテるのだな」
「はい。瞬のおかげで、桜さんが行動を共にしてくれるようになりました」
「瞬は強いのか?」
「瞬に限らず、こちらのメンバーは皆強いですよ。私は回復魔法しか出来ませんが」
「そうか、だろうな、そちらもこの地獄の10年間を生き延びたのだからな」
「ナターシャさん達は、剣や槍を得意とするんですか?」
「ああ、確かにそれぞれ武器は持っている。武術の心得はある。私は槍、ラーラは矛、アリスは剣の2刀流、ランゼは薙刀だ」
「薙刀?珍しい武器ですね」
「ランゼの母親が東方の島国の出身なのだが、その島国の武器らしい」
「姫、僕達の国の武器です」
瞬が言った。
「あら、そうなんですね」
「私達姉妹は、髪の色も瞳の色も違う。似てないのは、全員腹違いだからだ」
「仲がよろしいのですね」
「ああ、仲は良い。幼い頃から一緒にいるからな」
「幼い頃から武術を?」
「ああ、だが、元々私達は魔法が得意なんだ。回復魔法は全員が使える」
「それは、貴重な存在ですね」
「攻撃魔法も全員が使えるんだ。私達は中、長距離戦を得意としている」
「それは強そうですね」
「なるべく接近戦を避けて、ゾンビの群れを一掃するのが私達の戦術だ」
「それはいいですね、接近戦はなるべく避けたいですから」
「ああ、かすり傷でも致命傷だからな。まあ、毎朝血を飲むことでかすり傷なら平気になるのかもしれないがな」
「ええ、だいぶ気持ちが楽になりますよ」
「これから私達も何か手伝いたい」
「では、明日から森の入口で木の実や果物、山菜を採ってください。後は、さっきも言いましたが瞬と菫さんの稽古の相手を」
「本当にそれだけでいいのか?」
「はい、それで充分です。あとは、お水を持ってくることくらいです」
「ああ、天国のような暮らしだ」
「この平和がいつまで続くかわかりませんが、今は心と身体を休めてください」
「ありがたい。みんな、礼を言え」
「「「ありがとうございます」」」
翌日から、4人の戦士が瞬達の稽古相手になった。
「瞬、菫、よいか?」
「いつでもどうぞ!」
「菫は防御を頼む」
「わかってるわよ」
ものすごい攻撃を受けた。
火の魔法、水の魔法、雷の魔法。風の魔法…。
瞬と菫は防御するのが精一杯だった。
頼もしい稽古相手だと瞬は思った。
これで、瞬も菫も更にレベルアップが出来るのだ。
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