平和。
4姉妹には、休んでほしい。
4姉妹は、1日中眠って、ようやく目を覚ました。
「だいぶ熟睡してしまったな、会ったばかりなのに失礼した」
4人を代表してナターシャが言った。
「だいぶ、お疲れだったんですね」
姫は笑顔だった。姫の笑顔は人を癒やす。
「2日も何も食べられなかったし、夜は交代で緊張しながら見張りをするから疲労も蓄積していた。もう、ゾンビに出会わなくても死んでしまうと思っていた」
「食事の用意が出来ていますよ」
「ありがたい。恩はいつか何かで返す」
「その前に、4人ともこれを飲んでください」
「これは…血ではないのか!?」
「そうです、瞬の血です」
「瞬とは、誰だ?」
「僕です」
瞬が手を挙げた。
「何故、生き血を飲まなくてはならないのだ?嫌だ、気持ち悪い」
「生き残るためです。うちのメンバーは、毎朝、瞬の血を飲みます。それを飲めば、多少、ゾンビに傷つけられてもゾンビにならないでいられます」
「そんな馬鹿な」
「俺は、瞬の血で助かっんや。効き目は保証するで」
クラマが口を挟んだ。
「瞬とは、何者なんだ?」
「ゾンビに噛まれても、ゾンビにならない抗体を宿しているんです」
「そんなこと、あるのか?」
「はい、確認もしました。事実です」
「わかった、このグループの習慣であるなら飲もう」
「お姉様、本当に飲むの?」
ラーラが言った。
「本当に効果があるなら、飲むべきだろう」
「ええ!?みんな本当に飲むの?」
アリスが大きな瞳を見開いて言った。
ナターシャが目を瞑って瞬の生き血を一気飲みした。
「ほら、お前達も飲むんだ」
他の3人も目を瞑って一気に飲む。
「うわぁ、血の味がする、気持ち悪い」
ランゼは泣きそうになっていた。
「さあ、食事をどうぞ」
「ちょっと待ってくれ」
「何ですか?」
「そこにいる女の子は?ちょっと変わった雰囲気だが、もしかして…」
「はい、桜さんはゾンビです」
「ゾンビと行動を共にしているのか!?」
「桜さんは善良なゾンビなんです」
「善良なゾンビなんているのか?」
「桜さんは普通のゾンビじゃありません。この近くのエリアを仕切っていたんです。ですが、瞬との出会いをきっかけに私達を助けてくれているんです。あなた方を見つけたのも桜さんでした」
「安心していいのか?」
「私のことを信用できないなら無視してくれても構わないぞ。私もお前達には興味が無い。私は瞬にしか興味が無いからな」
桜が淡々とした口調で言った。
「このお肉は、いつも瞬と桜さんが獲って来てくれるんですよ」
「そうか、ゾンビにならない瞬と、元々ゾンビの桜なら森の奥に入れるのか」
「そういうことです。時々、桔梗さんが弓矢で鳥を獲ってくれることもあります」
「そうか、この肉は桜が…。桜、さっきは失礼なことを言ってしまった。すまん」
「気にしていない」
「って、もう1人ゾンビが!」
「ああ、リンさんですね。最近、合流したのですが無事に出産した良いゾンビです」
「ゾンビが子供を産むのか!?」
「はい、ガク君です。かわいいですよね」
「最近、生まれたにしては大きくないか?」
「ここまで急成長して、今、5~6歳くらいでしょうか、ようやく成長が止まりました。桜さんのお話では、ゾンビの子供ですから成長の仕方が人間と違うとのことです。自分で動ける姿になるまでが早いのでしょうね」
「聞けば聞くほど驚くばかりだ。だが、私達も仲閒に入れてもらいたい。私達4人だけで行動するのは、もう限界なのだ」
「勿論、歓迎します。私達は生き残った人間を集めて、人間の街を作りたいんです」
「人間の街か、いいなぁ!」
「協力してください」
「喜んで協力する」
「では、食事をどうぞ」
「ああ、いただこう」
「もう少し体力が回復したら、瞬と菫さんの稽古の相手をしてください」
「構わないが、何故、2人だけ?」
「瞬と菫さんは、経験値を積むとどんどんレベルアップが出来るんです。桔梗さんも同じなのですが、桔梗さんには結界を張ってもらっていますので、あまり無理は出来ないんです」
「私達で役に立つなら、なんでもやる」
「では、お願いしますね」
「ああ、わかった」
4人は、食事を始めた。
「瞬、この前の続きはいつにするのじゃ?」
「この前の続きか…うーん、もう少し考えさせてくれ」
「お兄ちゃん、続きって何よ!」
「私達は一線を越えるのじゃ」
「あなた、何を言っているのよ!ちょっと、お兄ちゃん、どういうこと!?」
瞬、桜、菫は、その日も相変わらずだった。その日も、平和だった。
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