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戦闘。

本格的な戦闘だ!

「なるべく、長距離、中距離で敵を減らしてくれ」


 瞬が叫ぶ。


「うるさいわね、やってるでしょう?」


 菫は不機嫌だった。


「ああ、疲れた。もう無理!回復されても無理!」


 桔梗は、もっと不機嫌だった。


「ああ… 来るなぁ」

「しゃぁない。俺達の出番やな」

「行くぞ。残りは多くない」

「みんな、瞬の血を飲んでるから、かすり傷くらいなら大丈夫やろ」

「……」


 こんな時でも、ジンは無言だった。


「皆さんの無事を祈ります。私は後方から回復魔法を施すことしか出来ませんが」

「姫、頼りにしてまっせ」

「みんな、馬車を守る陣形を考えろ」

「デクさんの言うとおりだ、菫、俺達のスポットシールドを頼む」

「シールドしても、完全にゾンビの攻撃を防げるわけじゃないからね!」

「わかってる」

「ほな、行くで!」


 接近戦が始まった。

 まだ敵の数は多い。

 だが、この前ほどじゃない。

 桔梗が、桜が、菫が数を減らしてくれた。

 この前ほど、絶望的じゃない。

 皆、ゾンビの首をはねる。もしくは頭を潰す。

 ますます身体が軽い。

 自分が成長していることに、瞬は気付いた。確実にレベルアップしている。

 瞬だけではなく、皆が前回よりも成長していた。

 伊達に毎日、修練をしていたわけではない。


「桜!」

「なんじゃ?」

「お前は何をやってるんだ?」

「中距離攻撃の間合いじゃなくなったからな。休んでいる。疲れた」

「桜は接近戦も強いだろう?」

「わかっている。後方から見守っているのじゃ。手薄になったところがあれば、フォローに回る」

「桔梗!?」

「何よ」

「何かすることはあるだろう?」

「ちょっとは休憩させてよ」

「しょうがないな」


 始めがあれば、終わりはある。

 何時間かかったのかわからない。

 瞬達は、いつの間にかゾンビを全滅させていた。


「やった!」

「やったで!」

「俺達の勝ちだ!」

「お兄ちゃん!」

「菫、桔梗、桜、姫、俺達が勝ったぞ!」


 男達は歓喜の声を上げた。


「いや、まだじゃ」


 桜が盛り上がる皆を制した。真剣な声だった。


 向こうから、黒ずくめの男の姿が近付いてくるのが見える。

 マントに帽子、真っ黒だ。


「何だ?あれは?」

「気にすることあれへん、最後の1人や、早よ、やってしまおうや」

「そう簡単にはいかんぞ」

「なんだよ、桜」

「あれは、隣のブロックの長だ。私の手勢だけにしては多いと思ったが、やはり隣からのゾンビの一団が来ていたか…」

「桜、あいつ、強いのか?」

「うーん、まあ、私とほぼ互角じゃな」

「なんだよ、めちゃくちゃ強いじゃないか」

「ここは…」

「そうだな、桜、頼む」

「瞬、頑張れ!」

「なんで?俺より桜の方が強いじゃん」

「ほぼ互角と言ったじゃろう?奴と戦ったら、きっと私も手傷を負う」

「なんだよ、それ?」

「私は、私の肌に傷がつくのは嫌だ。女の子じゃからな」

「なんで、ここで急に女の子ぶるんだよ」

「大丈夫じゃ。瞬、クラマ、デク、ジン、4人でかかれば多分、倒せるじゃろう」

「多分、かよ」

「特に瞬はゾンビにならないのじゃから、なんとかなるじゃろう」

「本当になんとかなるのかよ?」

「多分な。言っておくが、奴の魔法防御は堅い。魔法は効かないぞ。物理的攻撃で挑むのじゃ」

「他に、何か手は無いのかよ?何か、もっとこっちが有利になる方法とか?」

「では…」

「なんだ?」

「桔梗、脱ぐのじゃ!」

「なんでよ!?」

「奴は、女好きなのじゃ。色仕掛けで有利になるかもしれないのじゃ」

「絶対、脱がない!」

「桔梗、俺達が死んでもいいのかよ!?」

「死ね!っていうか、私じゃなくてもいいじゃん?」

「いや、無理じゃ。私はまだ幼い。菫もガキじゃ。流石に姫に脱げとは言えない。で、桔梗しかいない」

「絶対、嫌だからね!」

「お兄ちゃん、もう来るよ!」

「しょうがない、クラマさん、デクさん、ジンさん、やりましょう!」

「しゃぁないなぁ」

「よし、行くぞ!」

「……」

「菫は、防御を頼む!」


 瞬達は、残ったゾンビに挑みかかった!








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