桔梗の憂鬱。
憂鬱な少女。
いつも通りの1日。
瞬は午前中に狩りに出て、菫や姫は野菜や果物を取る。
そして昼食後、姫を除く全員で戦闘訓練をする。
いや、戦闘訓練をしないものが、もう一人いた。桔梗だった。桔梗はずっとふくれっ面をして寝転がっていた。
「桔梗、俺達と特訓しようぜ」
「何のために?」
「生き残る為だ」
「面倒臭い」
「そんなことじゃ、生き残れないぞ。もっとレベルアップしないと」
「あのねぇ、私がただ寝転がってるだけだと思ってる?」
「違うのか?」
「元の世界へ帰る方法を考えているのよ」
「そうなのか?」
「瞬は考えないの?」
「考えたことはある。でも、何も思いつかない」
「だから、ずっとここで戦うことにしたの?」
「しょうがないだろう?まずは生き残らないと。桜が言うには、いつまでこの平和な日々が続くかわからないらしいし」
「私は嫌。帰りたい。あなたが死んだら私達は戻れるんじゃないの?」
「なんで俺が死ねば、お前等が戻れるんだよ」
「だって、この世界に必要なのは、瞬のゾンビにならないスキルでしょ?」
「そうかもしれない」
「だったら、あなたがいなくなったら、この世界に私や菫ちゃんがいる必要は無くなるんじゃないの?」
「いや、だったら、今、俺だけでいいじゃん。桔梗や菫が来たのには、きっと役割があるんだよ」
「だから、役割って何よ」
「これから辿るコースによっては、巫女がいると便利なステージが幾つかあるじゃん。その時とか」
「そのルートを辿るとは限らないじゃないの!しかも、そのステージ、ずっと先じゃん。今じゃなくてもいいでしょ!!」
「それは…」
「必要なときだけ呼んでくれたらいいじゃない」
「それは、そうだけど… あ、それまでにレベルアップしないといけないんじゃないかな?」
「…寝る」
「おいおい」
「桔梗お姉ちゃん、一緒に特訓しようよ」
「菫ちゃんも、人が良いわね。巻き添えで来たのに」
「お兄ちゃんだけじゃ心配だから、私はこれで良かったかな?と思うようになったの」
「私は、瞬のことなんか心配じゃないのに…」
「お姉ちゃん、きっとこの世界のゲームをクリアしたら帰れるよ」
「菫ちゃんは、このゲームをやるつもり?」
「うん。元の世界に戻るために」
「そうだぞ。いいこと言うじゃないか、菫」
「別に、お兄ちゃんのために言ってるんじゃないから。桔梗お姉ちゃんにも生き残ってほしいの」
「生き残る… そうね。こんなふざけた世界で死ねないわね」
「そうよ、今、桜と訓練してるの。おいでよ」
「はぁ…」
ため息まじりに立ち上がる桔梗だった。
「それに、何もしないのはよくないぞ。みんな、自分の仕事もしてるんだから」
「仕事って、狩りとか?」
「狩りは危険だから俺しか無理だけど、食べる果物を探すとか」
「ふん」
桔梗は、弓を手に取ると、矢をつがえて空に放った。
矢は鳥に命中した。そのまま、落ちてくる。
「今夜は、焼き鳥が食べれるわよ」
「スゴイな」
瞬は、落ちた鳥を拾いに行った。
菫に誘われ、面倒臭そうに桔梗が桜の前に立った。
「あなたゾンビなんでしょう?なんでここにいるの?」
「ゾンビは、もう飽きた」
「だからって、どうして行動を共にするのよ?」
「瞬がおもしろい奴だからだ」
「瞬のことがお気に入りなの?」
「そうじゃ」
「気に入らないわね」
「そうなの、この女、ムカつくの」
「これで、どう?」
桔梗が矢を放った。
桜は矢を掴んだ。
すると、矢は爆発した。
「桔梗お姉ちゃん、スゴイ」
「レベルアップしてるから」
だが、桜は傷1つ負っていない。
「あれで、無傷なの?」
「ちょっと驚いた」
「ますます気に入らない。ゾンビがなんだっていうのよ!」
矢を放つ桔梗。
菫も攻撃する。
だが、ことごとく桜に防御された。
食事時。
桔梗のおかげで手に入れた鶏肉を皆で食べる。
「ごっつ美味いやんけ」
「味付けは、桔梗さんにも手伝ってもらいました」
「桔梗お姉ちゃん、お料理上手かったんだね」
「まあね」
「これは、新入りを歓迎しないといけないな」
デクも機嫌が良い。桔梗が来てから、ずっと機嫌が良い。どうやら、デクは桔梗を気に入ったらしい。
「……」
ジンは相変わらず寡黙だった。何を考えているのかわからない。
「ゾンビも普通に食事するのね」
「ああ、普通に食べる。味覚もある」
「あなた、いつまでいるの?いつ裏切ってもおかしくないでしょう」
「そうだな。ここにいるのに飽きたら去る」
「それはいつなの?」
「いつかはわからんが… そうだな、瞬の子どもを産むまではここにいる」
一同、絶句した。
勿論、1番驚いたのは瞬だった。
「やだ、お兄ちゃん、こいつとそんな関係だったの?気持ち悪い!」
「何もしてないよ」
「大体、ゾンビが子どもを産めるの?」
「ゾンビが子どもを産めるか?さあな、わからん。試してみないとわからんな」
「試すって、何よ。お兄ちゃんのロリコン!」
「なんで、俺が手を出す前提なんだよ」
「菫は、私とお前では、歳はそう変わらんぞ」
「この年頃は、1歳、2歳の差が大きいのよ」
「そうか?私の方が菫よりも胸は大きいぞ」
「ちょっと、何よ。私は、あなたと違って成長するのよ」
「あ、でも、胸に関しては姫には負けるなぁ」
一同の視線は、姫の胸元へ。
「ちょっと、あんまり見ないでください」
姫は、巨乳だった。
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