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戦場日常。時々平和。  作者: 楽助 陽気
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プロローグ

 ここは二つの国を隔てる国境の西側、ウェルトス連邦の砂漠地帯。

 昼の暑さを凌ぎ切り、無事に今日を乗り越える事が出来たトカゲやスナヘビ達が元気に岩場や砂丘を駆ける。彼らを照らすのは、遥か上空に浮かんでいる満月のみ。辺りは静寂に包まれ、空には満天の星空が広がっている。

 ここは人間にとっては非常に厳しい環境であるが、彼らにとってはそれが日常で、平和なのである。


 平和。


 新世紀0034現在、そのような言葉が生まれた時代が想像が出来ない程に荒れていた。

 新世紀の始まり、ごまんとある国々がまとめられ一つの国になったのだ。旧世紀では想像もつかない様な革新的な技術がどんどん盛り込まれ、旧世紀以上に人々の生活が豊かになり、大陸を隔てる海が全て埋め立てられ一つの大きな大陸になった。しかし、当然一人の指導者では統治が追いつかずに直ぐに一つの国は二つに別れたのだった。

 ウェルトス連邦とサザナカルト連邦。東西に分断された両国の食い違いは争いを生み、次第に激化していく。この広大な土地を巡る戦争は続く。きっとこのままずっと――


 耳をつんざくような爆発音。砂漠の向こうで火柱が立った。先刻までは美しい夜空が浮かんでいたのだが、今は立ち上る炎で真っ赤に染まっている。

 続けて人の悲鳴が上がる。銃声が飛び交う。砂漠のトカゲ達にとっては初めての出来事で、日常とは程遠い状況である。


 ――しばらくすると銃声が止み、聞こえるのは何かが燃える音と、時々人のうめき声が上がるのみである。トカゲ達も何事かと炎の立ち上る方へ向かう。そこには、ウェルトス連邦の基地であった瓦礫が激しく燃えているだけで、人影は何一つ無い――いや、炎の中で何かの影が動いた。


「俺だ。目的の施設は破壊した。これより帰投する。」

 ザザ·····

「了解。ランディングポイントにヘリを向かわせる。」


 これは、二つの国を一つに戻す為、奮闘する政府にこき使われる、とある部隊の日常のお話。

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